資格手当を目当てに資格を選んで後悔する理由
資格手当を目当てに資格を選んで後悔する人の多くは、「手当の額が高い資格ほど、取る価値がある」と考えて、今の仕事に必要か、自分の目的に合うかを確かめないまま、手当の一覧の上のほうにある資格を選んでしまう人です。資格手当は、会社が決めている仕組みです。会社が変われば、手当はなくなることもあります。手当の額だけで選ぶと、取るまでの時間や、取ったあとの使い道に見合わないことがあります。資格は「手当の額」で選ぶのではなく、「仕事と目的に必要か」で選び、手当はうれしいおまけと考えるものです。手当そのものを否定する必要はありませんが、選ぶ理由のいちばん上に置かないことが大切です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、資格手当を目当てに資格を選んで後悔する理由と、手当との上手なつきあい方を解説します。
手当の一覧で選んだ資格に、2年をかけた話
6年ほど前、まなぶは、前の会社で働いていました。ある日、社内のページで、資格手当の一覧を見つけました。資格ごとに、毎月もらえる手当の額が書かれています。まなぶは、一覧のいちばん上にあった、経営に関する難しい国家資格に目をとめました。手当の額は、ほかの資格よりずっと高く設定されていました。「これを取れば、毎月の給料が上がる」。まなぶは、その日のうちにテキストを注文しました。
試験の範囲は広く、会社の経営や財務、法律まで、まなぶの仕事とはあまり関係のない内容がたくさんありました。それでも、まなぶは「手当のため」と、仕事のあとや週末を勉強にあてました。1年目は、いくつかの科目だけが合格の基準に届きました。2年目も、残りの科目が思うように進みませんでした。そのあいだ、仕事で必要なパソコンのスキルや、企画の勉強は、ほとんど手つかずのままでした。
2年目の試験のあと、まなぶは、とうとう勉強をやめてしまいました。そして数年後、まなぶは今の会社に転職しました。転職先の会社には、同じような資格手当の仕組みはありませんでした。手当の額だけを見て、今の仕事に必要か、会社が変わっても役に立つかを考えていなかったのです。たとえ合格していても、今の会社では手当は出なかったことになります。
転職してしばらくたったころ、まなぶは、本棚に残った分厚いテキストを見て、ため息をつきました。「あの2年を、仕事に必要な勉強にあてていたら、転職の面接でも、もっと話せることがあったのに」。手当の一覧を見た日のことを思い出すと、今でも少し苦い気持ちになるそうです。その2年で読んだテキストは、10冊近くになっていました。
資格手当を目当てに資格を選んで後悔する理由
手当の額だけで、資格を選んでいた
手当の額が高い資格は、それだけ取るのが難しかったり、時間がかかったりすることが多いものです。額だけを見て選ぶと、取るまでにかかる時間やお金と、手当で得られるものが見合うかを考えないまま、勉強を始めてしまいます。手当の額と一緒に、合格までにかかる時間の目安と、取ったあとに仕事で使う場面を書き出して比べることが大切です。何年もかかる資格なら、そのあいだに手当で得られる金額と、ほかの勉強ができなかった時間も考えに入れましょう。
会社が変わると、手当がなくなることを考えていなかった
資格手当は、会社ごとに決められている仕組みです。異動や転職で会社や仕事が変われば、同じ資格でも手当が出なくなることがあります。資格を選ぶときは、「この会社を離れても、この資格は役に立つか」を一度考えておくようにしましょう。どの会社でも求められる知識や、自分のキャリアの方向に合う資格なら、手当がなくなっても、取った意味は残ります。会社の規程が見直されて、手当の額が変わることもあります。
今の仕事に必要な勉強を、後回しにしていた
難しい資格の勉強に時間をとられると、今の仕事で必要なスキルを伸ばす時間がなくなってしまいます。仕事の評価や、次の仕事につながる経験は、毎日の仕事の中で積み上がっていくものです。資格の勉強を始める前に、今の仕事で伸ばしたいスキルを書き出し、それと両立できるかを考えるようにしましょう。仕事に必要な勉強のほうが、すぐに成果につながり、手当以上に評価や待遇を変えることもあります。
資格を取る目的を、手当にしていた
手当が目的になると、勉強がつらくなったときに、続ける理由が見つかりにくくなります。手当の額は、勉強のつらさを支えるほどの強い理由にはなりにくいのです。資格を取る目的は、「この知識を使って、仕事でこんなことをしたい」という形で書くようにしましょう。目的がはっきりしていれば、勉強の中身にも興味が持てて、続ける力になります。まなぶの場合、経営の知識を仕事でどう使うかを、一度も考えていませんでした。
上司や先輩に、相談していなかった
手当の一覧は、会社が「取ってほしい」と考えている資格の目安ではありますが、自分の仕事にとってどれが大切かまでは教えてくれません。上司や、同じ仕事をしている先輩に、「今の仕事なら、どの資格やスキルが役に立つか」を聞いてみましょう。手当の額が低い資格や、手当の対象外の勉強のほうが、実際の仕事では役に立つこともあります。人に聞くことで、一覧だけでは分からない、資格の本当の使い道が見えてきます。相談は、自分では気づかなかった選び方を知るきっかけにもなります。
手当の額で選ぶ人と、仕事と目的で選ぶ人の違い
資格手当を目当てに選んで後悔しないためのチェックリスト
資格手当の一覧を見て、気になる資格を見つけたときは、次の項目を確かめてみてください。手当は、選んだあとに確かめるくらいがちょうどよいのです。すでに勉強を始めている人も、仕事での使い道を書き出すところから見直してみましょう。
- その資格を、今の仕事でどう使うかを書き出した
- 合格までにかかる時間の目安を調べた
- 会社を離れても役に立つ資格かを考えた
- 今の仕事で伸ばしたいスキルの勉強と、両立できるかを考えた
- 資格を取る目的を、手当ではなく仕事の言葉で書いた
- 上司や先輩に、仕事に役立つ資格やスキルを聞いた
今の会社では、まなぶは、資格を選ぶ前に、必ず「仕事でどう使うか」を手帳に書くようにしています。今取り組んでいるデータ分析の勉強も、手当のためではなく、「取引先の数字を読み解いて、企画の根拠を示せるようになる」という目的から選びました。まなぶは、本棚のいちばん奥にあった前の会社のころのテキストを、先日、ようやく手放しました。「手当は、目的のあとからついてくるくらいでいいんだな」。空いた本棚には、今の仕事で使う本が並んでいます。
資格と学び直しで後悔しないために
資格を選ぶときは、手当の額よりも、自分の強みとこれからのキャリアに合うかを確かめることが大切です。難しい資格に挑むときは、合格までの道のりを先に聞いておきましょう。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
自分の経験や強みをもとに、市場での価値や向いている方向を確かめられる診断のサービスです。会社の手当とは別に、どんな知識や資格が自分のキャリアで生きるのかを考える手がかりになります。
法律資格・公務員試験のスクール【伊藤塾】
法律系の資格や公務員試験のほか、社会保険労務士、宅建士、FP、中小企業診断士などの講座も扱うスクールです。難しい資格を目指す前に、無料のガイダンスで、合格までにかかる時間や勉強の進め方を確かめられます。
まなぶ
みらい
まなぶ資格手当を目当てに資格を選んで後悔する原因は、手当の額だけを見て、今の仕事に必要か、会社が変わっても役に立つかを確かめないまま選んでしまうことです。仕事での使い道を書き、合格までの時間を調べ、会社を離れても役立つかを考え、仕事の勉強と両立できるかを確かめ、人に相談する。それだけで、後悔しない資格を選べます。資格選びで失敗しないための考え方は、資格選びの失敗から学ぶでまとめています。
資格選びについては、英語の資格選びで失敗する人の特徴5選やIT資格の選び方で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

