結論

学び直しの費用で失敗する人の多くは、「自分のための勉強だから、自分で払うもの」と考えて、会社の補助や国の給付などの支えを調べないまま申し込み、受けられたはずの手助けを、手続きの時期や条件を知らずに逃してしまう人です。学び直しを支える仕組みの多くは、申し込む前の手続きや、修了などの条件が決まっています。始めてから知っても、間に合わないことがあります。学び直しの費用は「払ってから考えるもの」ではなく、「申し込む前に、使える支えと条件を調べてから決めるもの」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、学び直しの費用で失敗しないための調べ方と進め方を解説します。

1失敗ストーリー

あとから知った、2つの支え

夏の帰りの電車で、受けていた講座が国の給付の対象だったと知り、スマートフォンを見て目を丸くするまなぶのイラスト

今年の1月、まなぶは、簿記2級の通信講座に申し込みました。受講料は数万円。「自分のための勉強だから」と、迷わず自分のカードで払いました。会社に補助の仕組みがあるかどうかも、国の給付の対象になる講座かどうかも、調べようとは思いもしませんでした。勉強のお金は、自分の財布から出すのが当たり前だと思っていたのです。

夏のある日、昼休みに同じチームの同僚と話していると、同僚が「この前の講座、会社の補助で半分出してもらったよ」と言いました。まなぶは驚いて、社内のページを開きました。すると、仕事に関係する資格の講座なら、申し込む前に申請しておけば、修了したあとに費用の一部を会社が出してくれる仕組みがあると書かれていました。さらに、帰りの電車で調べてみると、まなぶが受けていた講座は、国の教育訓練給付の対象になっている講座でした。

けれども、会社の補助は申し込む前の申請が必要で、まなぶは何も出していませんでした。国の給付も、講座を修了していることが条件でした。まなぶは、6月に勉強が止まったまま、講座を終えていなかったのです。使える支えを調べず、手続きの時期と条件を知らないまま、申し込んでいたのです。

その夜、まなぶは、手帳の後ろのページに「次に学ぶときは、申し込む前に調べる」と書きました。「調べていれば、費用の負担を減らせたうえに、修了するという目標も、もっとはっきりしていたかもしれない」。まなぶは、カードの明細を見ながら、そう思いました。明細に並んだ受講料の数字が、いつもより大きく見えました。

2原因分析

学び直しの費用で失敗する理由

1

会社の補助の仕組みを、調べていなかった

会社によっては、仕事に関係する講座や資格の費用の一部を補助する仕組みや、合格したときにお祝いのお金を出す仕組みがあることがあります。こうした仕組みは、社内のページや規程に書かれていても、自分から探さないと気づきにくいものです。講座に申し込む前に、社内のページや規程を確かめ、分からなければ人事の担当に聞くことが大切です。対象になる講座の範囲、申請の時期、支給の条件を、あわせて確かめておきましょう。

2

国の給付を、知らなかった

国には、働く人の学び直しを支えるために、決められた講座を受けて修了すると、受講の費用の一部が戻ってくる教育訓練給付という仕組みがあります。対象になるのは国が決めた講座で、雇用保険に入っていた期間などの条件もあります。申し込む前に、受けたい講座が給付の対象かどうかを、厚生労働省の検索のページで調べ、自分が条件に合うかをハローワークで確かめるようにしましょう。会社で働いている人も使える仕組みです。

3

申し込む前の手続きを、知らなかった

学び直しの支えの中には、講座を始める前に手続きをしなければならないものがあります。会社の補助なら事前の申請、国の給付なら、種類によっては受講を始める前に、ハローワークでの相談や手続きが必要です。支えを使うときは、「いつまでに、何の手続きをするか」を、申し込む前に書き出しておくようにしましょう。始めてから気づいても、さかのぼって手続きできないことが多いのです。手続きに時間がかかることもあるので、余裕をもって進めましょう。

4

修了などの条件を、意識していなかった

会社の補助も国の給付も、講座を修了していることや、決まった割合以上の出席などが、条件になっていることが多くあります。途中でやめてしまうと、支えを受けられません。条件を知ったうえで、修了までの計画を立て、忙しい時期をどう乗りきるかを先に考えておくことが大切です。条件を知っていることは、最後まで続けるための目標にもなります。修了したあとの申請にも期限があるので、修了の日と申請の期限も、手帳に書いておきましょう。

5

費用の高さだけで、講座を選んでいた

支えを調べないまま講座を選ぶと、「安いから」「高いから質がよいはず」と、費用の高さだけで判断しがちです。けれども、支えを使えば、実際の負担が大きく変わることもあります。同じような講座でも、対象かどうかで、自分が払う金額が違ってくるのです。講座を比べるときは、受講料だけでなく、使える支えを差し引いたあとの負担と、修了までに必要な時間をあわせて比べるようにしましょう。費用を正しく知ることが、無理なく続けられる講座を選ぶことにつながります。

3図解

払ってから考える人と、調べてから決める人の違い

⚠ 学び直しの費用で失敗する人のパターン
自分の勉強だからと、支えを調べずに申し込む
↓
申し込む前の手続きや、修了などの条件を知らない
↓
あとから支えを知っても、手続きが間に合わない
↓
受けられたはずの手助けを逃し、負担が大きいまま終わる
◎ 学び直しの費用で失敗しない人のパターン
申し込む前に、会社の補助と国の給付を調べる
↓
いつまでに何の手続きをするかと、条件を書き出す
↓
支えを差し引いた負担で比べ、修了までの計画を立てる
↓
費用の負担を減らし、修了という目標を持って学べる
4解決策

学び直しの費用で失敗しないためのチェックリスト

講座に申し込む前に、次の項目を確かめてみてください。申し込む前の30分の調べものが、費用の負担と、最後まで続ける力の両方を変えます。すでに受講を始めている人も、修了後に申請できる支えがないか、今から確かめてみましょう。

  • 会社の補助の仕組みを、社内のページや人事の担当で確かめた
  • 受けたい講座が、国の教育訓練給付の対象かどうかを調べた
  • 自分が給付の条件に合うかを、ハローワークで確かめた
  • いつまでに、何の手続きをするかを書き出した
  • 修了などの条件と、修了後の申請の期限を手帳に書いた
  • 支えを差し引いたあとの負担で、講座を比べた
※
教育訓練給付の種類や条件、手続きの時期は、制度の見直しで変わることがあります(2026年11月時点の情報をもとにしています)。最新の内容は、厚生労働省やハローワークの案内で確かめてください。会社の補助の仕組みは、会社ごとに異なります。

まなぶは今、来年に向けて、データ分析の講座を探しています。今回は、申し込む前に、社内のページで補助の仕組みを確かめ、人事の担当にも、対象になるかどうかを聞きました。候補の講座が国の給付の対象かどうかも、検索のページで調べています。手帳には、申請の締め切りと、修了の条件を書きこみました。「調べてみると、学ぶ前にやることって、意外と多いんだな」。まなぶは、書きこんだ手帳を閉じながら、そうつぶやきました。

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講座を選ぶときは、申し込む前の無料の相談や案内で、受講料だけでなく、給付の対象かどうかや、修了までに必要な期間も確かめておくと安心です。

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まなぶまなぶ
会社の補助も国の給付も、あとから知って、どちらも使えませんでした…。
みらいみらい
学び直しの費用は、払ってから考えるものではなく、申し込む前に、使える支えと条件を調べてから決めるものです。会社の補助と国の給付を調べ、いつまでに何の手続きをするかを書き出しましょう。修了などの条件を知っておくことも大切です。
まなぶまなぶ
申し込む前の30分が、大事なんですね。

学び直しの費用で失敗する原因は、自分の勉強だから自分で払うものと考えて、会社の補助や国の給付を調べず、手続きの時期や条件を知らないまま申し込んでしまうことです。支えを調べ、条件に合うかを確かめ、手続きの時期を書き出し、修了までの計画を立て、支えを差し引いた負担で比べる。それだけで、無理なく学び直しを続けられます。社会人の学び直しで失敗しないための考え方は、社会人の学び直し・リスキリングの失敗から学ぶでまとめています。

社会人の学び直し・リスキリングについては、会社のリスキリング制度で学んで後悔する理由や学び直しを仕事に生かせず失敗した話もあわせて読んでみてください。

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