家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔する理由
家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔する人の多くは、「自分の仕事のことだから、自分で決めればいい」「反対されるに決まっているから、決めてから話そう」と考えて、収入や働く時間の変化が家族の暮らしにどう響くかを話し合わないまま、新しい仕事を決めてしまう人です。キャリアチェンジは、年収や働く時間、休みの日、住む場所まで変えることがあります。家族の協力がないまま始めると、仕事にも家庭にも無理が生まれ、新しい挑戦を続けることそのものが難しくなります。家族のいるキャリアチェンジは「一人で決めること」ではなく、「家族と一緒に、暮らしの設計を決め直すこと」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔する理由と、話し合い方を解説します。
内定をもらってから、妻に打ち明けたAさんの話
今年のお盆、まなぶは、実家に帰ったついでに、近くの道の駅に立ち寄りました。休憩所で地元の野菜を眺めていると、声をかけてきたのが、実家の近所に住む、昔から家族ぐるみで付き合いのあるAさん(40代男性)でした。Aさんは、物流会社で20年近く働き、倉庫の管理職を務めていましたが、2年前、地元の工務店に移り、家を建てる現場の監督の見習いとして働いているそうです。冷たい缶コーヒーを手に、Aさんは「転職そのものより、家族への話し方で失敗したんだ」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
Aさんは、昔から家づくりの仕事にあこがれていました。40代になり、「やるなら今しかない」と思ったAさんは、家族には何も言わないまま、工務店の面接を受けました。妻に話せば、きっと反対される。そう思ったからです。内定をもらったあと、Aさんは夕食の席で、「来月から、工務店で働くことにした」と打ち明けました。妻は、しばらく言葉が出なかったそうです。
新しい仕事は、朝が早く、土曜日も現場に出ることが多くなりました。年収は、前の会社より2割ほど下がりました。家族で出かけていた土曜日はなくなり、子どもの習いごとの送り迎えは、すべて妻が引き受けることになりました。上の子の大学の進学も近づいていて、学費のことで夫婦の話し合いが増えていきました。「どうして、決める前に相談してくれなかったの」。妻にそう言われるたびに、Aさんは何も言い返せませんでした。仕事を変えることは、自分だけでなく、家族の暮らしを変えることでもあったのです。
一時は、新しい仕事を辞めて元の業界に戻ることも考えたそうです。「反対されるのがこわくて、黙って決めた。でも本当は、反対されてでも先に話して、一緒に考えてもらうべきだったんだよね」。Aさんは、休憩所の窓から見える山並みを眺めながら、少し寂しそうに笑いました。
家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔する理由
反対をおそれて、決めてから話した
家族に反対されそうだと感じると、先に決めてしまいたくなるものです。けれども、決めてから打ち明けると、家族は「自分の暮らしに関わることを、勝手に決められた」と感じてしまいます。キャリアチェンジを考え始めた段階で、「こういう仕事に興味がある」と、まず気持ちを話しておくことが大切です。早い段階で話せば、家族も考える時間を持てますし、反対の理由も落ち着いて聞くことができます。反対の中には、自分では気づいていなかった心配が隠れていることもあります。
収入の変化を、家族と一緒に計算していなかった
年収が下がることは、自分一人の問題ではありません。家賃や住宅のローン、子どもの学費、毎月の生活費など、家族の暮らしに直接響きます。家族と一緒に、毎月の収入と出ていくお金を書き出し、新しい仕事の収入で暮らせるかを確かめるようにしましょう。足りない場合は、どこを見直すのか、どれくらいの期間で収入を戻すのかを、一緒に決めておくと安心です。数字を一緒に見ることで、家族も「どうすればできるか」を考えやすくなります。
働く時間や休みの変化を、伝えていなかった
キャリアチェンジでは、収入だけでなく、働く時間や休みの日が大きく変わることがあります。Aさんの場合も、朝が早くなり、土曜日に現場に出ることが増えました。1週間の働き方がどう変わるのかを具体的に伝え、家事や子どもの送り迎えなどの分担を、家族と話し合っておくことが大切です。分担を決めずに始めると、家族の誰か一人に負担が集まってしまいます。働き方の変化は、入社前に会社にも確かめておきましょう。
家族の予定や計画を、確かめていなかった
家族には、それぞれの予定や計画があります。子どもの進学、配偶者の仕事、親の介護など、数年のうちに大きなお金や時間が必要になることもあります。キャリアチェンジを考えるときは、これから数年の家族の予定を書き出し、転職の時期が重ならないかを確かめるようにしましょう。時期を少しずらすだけで、家族への負担がぐっと小さくなることもあります。転職の時期の考え方については、既婚者の転職タイミングで失敗する人の特徴5選でも紹介しています。
一人で決めて、一人で抱えこんだ
家族に相談せずに決めると、うまくいかないときにも、一人で抱えこむことになります。新しい仕事で苦労していても、「自分で決めたことだから」と、弱音を吐けなくなってしまいます。家族と一緒に決めたことなら、つらいときにも話を聞いてもらい、一緒に乗り越え方を考えられます。キャリアチェンジは、家族が応援してくれることで、続ける力が大きく変わる挑戦です。決めたあとも、半年ごとに家族と暮らしの様子を振り返る時間をとりましょう。無理が出ていれば、早めに働き方や家計の見直しを話し合えます。
一人で決める人と、家族と一緒に決める人の違い
家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔しないためのチェックリスト
家族のいる人がキャリアチェンジを考え始めたら、応募を始める前に、次の項目を確かめてみてください。家族との話し合いは、新しい仕事を続けるための大切な準備です。
- 考え始めた段階で、家族に気持ちを話した
- 反対の理由や心配を、落ち着いて聞いた
- 家族と一緒に、新しい仕事の収入で暮らせるかを計算した
- 1週間の働き方の変化を、具体的に伝えた
- 家事や送り迎えなどの分担を、家族と話し合った
- これから数年の家族の予定を書き出し、時期を確かめた
- 決めたあとも、半年ごとに暮らしを振り返ると決めた
Aさんは、妻と何度も話し合い、1か月の家計を一から書き出しました。上の子の学費のために、週末の外食を減らし、妻はパートの日数を少し増やすことになりました。Aさんは、工務店の社長に相談して、土曜日の出勤を月2回までにしてもらい、残りの土曜日は子どもの送り迎えを引き受けることにしました。2年がたった今、Aさんは現場の監督を任されるようになり、収入も少しずつ戻ってきたそうです。「妻が『一緒に考えればよかったね』と言ってくれたとき、やっと本当の意味で、この仕事を始められた気がした」。Aさんは、道の駅で買った野菜の袋を手に、そう話してくれました。
キャリアチェンジで後悔しないために
家族と一緒にキャリアチェンジを考えるには、家族の暮らしのお金を一緒に見通すことと、自分の強みや方向を客観的に整理しておくことが役立ちます。
ライフプランニング相談・FP相談サービス【マネードクター】
お金の専門家と一緒に、家計や将来のお金の流れを整理できるタイプです。子どもの学費や住まいの費用など、家族の数年先までのお金を、夫婦そろって相談できるので、話し合いの土台になります。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
第三者視点で、自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。なぜその仕事を選びたいのかを言葉にしておくと、家族に気持ちを伝えるときにも話しやすくなります。
まなぶ
みらい
まなぶ家族に相談せずにキャリアチェンジして後悔する原因は、反対をおそれて、収入や働く時間の変化が家族の暮らしにどう響くかを話し合わないまま、一人で決めてしまうことです。早めに気持ちを話し、お金と働き方を一緒に確かめ、家族の予定と分担を決め、決めたあとも振り返る。それだけで、家族の応援を受けながら、新しい仕事に挑戦できます。未経験からのキャリアチェンジで後悔しないための考え方は、未経験からのキャリアチェンジの失敗から学ぶでまとめています。
未経験・キャリアチェンジについては、会社を辞めてから勉強して失敗した話や軸ずらし転職で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

