転職のポートフォリオで失敗しない方法
転職のポートフォリオで失敗する人の多くは、前の会社で作った資料を、そのまま面接に持っていってしまう人です。社外秘の情報が入った資料を見せると、仕事の腕前より先に「情報の扱いが甘い人」という印象を与えてしまいます。また、作品をただ並べるだけでは、自分が何を考えてどう作ったのかが伝わりません。ポートフォリオは「作ったものの展示」ではなく「考え方の説明書」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、転職のポートフォリオで失敗しない方法を解説します。
自信作の企画書を、面接官が途中で閉じた話
以前の転職活動のとき、まなぶは企画職の求人に応募していました。ある会社から、「これまでに作った企画書や資料があれば、面接にお持ちください」と案内がありました。資料づくりには自信があったまなぶは、前の会社で作った企画書や提案書の中から、評判のよかったものを10本ほど選び、クリアファイルにまとめて持っていきました。
面接の中盤、まなぶはファイルを開いて、いちばんの自信作を見せました。取引先向けに作った販促の提案書で、売上の数字や取引先の名前、来年の計画まで、細かく書き込まれたものです。ところが、面接官はページを2〜3枚めくったところで、静かにファイルを閉じました。
「この資料は、取引先の情報が入っていますね。社外の方に見せてもよいと、前の会社の了承は取っていますか?」。まなぶは言葉に詰まりました。そこまで考えたことは、一度もなかったのです。資料の中身より先に、情報の扱い方を見られていたと気づいたとき、まなぶは顔から血の気が引くのを感じました。
面接官は続けました。「それから、この企画で、まなぶさんが考えたのはどの部分ですか? どんな課題があって、なぜこの形にしたんでしょう」。まなぶは、資料の見た目のよさを説明することはできても、考えた順番や迷ったところを、うまく言葉にできませんでした。
その会社の選考は、二次面接で終わりました。あとから振り返ると、資料の見た目を整えることばかりに時間を使い、何を伝えたいかを考える時間はほとんどとっていませんでした。帰りの電車で、まなぶはクリアファイルを膝にのせたまま、「見せるものを選ぶ前に、見せ方を考えるべきだった」と、窓の外をぼんやり眺めていました。
転職のポートフォリオで失敗する5つの原因
社外秘の資料を、そのまま持っていった
前の会社や今の会社で作った資料には、取引先の名前、売上の数字、社内の計画など、外に出してはいけない情報が含まれていることがよくあります。自分が作った資料でも、その権利や情報は会社のものであることがほとんどです。会社の資料をそのまま見せるのは、選考の場であっても情報の持ち出しにあたるおそれがあります。面接官は、それを見て「入社後も、うちの情報を同じように扱うのでは」と考えます。
作品を並べるだけで、考え方を書いていなかった
ポートフォリオで面接官が知りたいのは、完成品の出来ばえだけではありません。どんな課題があり、何を考えて、どう工夫し、どんな結果になったのか。その流れの中に、あなたの力が表れます。とくに企画や資料づくりの仕事では、「なぜこの順番で説明したのか」「なぜこの図にしたのか」といった判断の理由こそが、評価の中心になります。1つの作品につき「課題・考えたこと・工夫・結果」を短く書き添えるだけで、ポートフォリオはぐっと伝わるものになります。書き添えた内容は、面接で説明するときの台本にもなります。
自分が担当した部分を、はっきりさせていなかった
仕事の資料は、チームで作ることがほとんどです。どこまでが自分の担当で、どこからがほかの人の仕事なのかを示さないと、面接官は判断できません。チームの成果を自分のものとして見せてしまうと、深掘りの質問で答えに詰まり、信頼を失うことにもなります。「構成は私、デザインは同僚」のように、自分の役割を一行で書き添えておくと安心です。
数を多く見せれば、伝わると思っていた
まなぶは10本もの資料を持っていきましたが、面接の時間で見てもらえるのは、せいぜい2〜3本です。多すぎると、面接官は何を見ればよいか迷い、いちばん伝えたいものが埋もれてしまいます。応募する仕事に合ったものを3本ほどに絞り、見てほしい順番に並べるのがコツです。応募先ごとに選び直す手間も、志望度を伝えることにつながります。残りの作品は「ほかにもこういうものがあります」と一覧で示せるようにしておけば、面接官が興味を持ったときに見せることができます。
見せる形を、工夫していなかった
会社の資料をそのまま見せられないときは、数字や社名を伏せた「加工版」を作る、架空の会社を題材にした見本を作る、資料の構成だけを図で説明する、といった方法があります。手間はかかりますが、自分の考え方を、安心して見せられる形に作り直すことそのものが、仕事への向き合い方を伝える材料になります。加工版を作るときも、元の資料が特定できないかを、もう一度確かめておきましょう。グラフの形や独特の言い回しから、元の会社や取引先が分かってしまうこともあるためです。
資料をそのまま見せる人と、考え方を見せる人の違い
転職のポートフォリオで失敗しないためのチェックリスト
ポートフォリオは、デザインやクリエイティブの仕事だけでなく、企画や資料づくりの仕事でも、自分の力を伝える強い材料になります。面接に持っていく前に、次の項目を確かめましょう。
- 社名・取引先名・数字・社内の計画など、外に出せない情報を伏せた
- 会社の資料をそのまま使わず、加工版や架空の見本に作り直した
- 応募する仕事に合った作品を、3本ほどに絞った
- 作品ごとに「課題・考えたこと・工夫・結果」を書き添えた
- チームで作ったものは、自分の担当部分を明記した
- 1つの作品を、2分ほどで説明する練習をした
- データで送る場合も、ファイル名やファイルの情報に社名が残っていないか確かめた
まなぶはその後、架空の会社を題材にした企画書を2本作り直しました。それぞれの表紙の次のページに、「課題」「考えたこと」「工夫したところ」「結果」を4行で書き、どこまでを自分が担当したかも書き添えました。次の会社の面接では、面接官が「この4行があると、考え方がよく分かりますね」と言い、そこから30分近く、仕事の進め方について話が弾んだそうです。持っていく作品の数は減ったのに、伝わることはむしろ増えたのです。職務経歴書との合わせ方は、職務経歴書で失敗しない方法で、自分の強みの伝え方は、転職の自己PRで後悔する理由でも紹介しています。
書類と面接で後悔しないために
ポートフォリオの見せ方や面接での説明は、第三者に見てもらうと、自分では気づかない改善点が見つかります。
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実際の面接に近い形式で練習でき、客観的なフィードバックがもらえるタイプです。ポートフォリオを使った説明の流れや、深掘りの質問への答え方を、本番の前に試しておけます。
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企業ごとの傾向や過去の質問例を踏まえたアドバイスを受けられるタイプです。応募先に合わせて、どの作品を選び、どう見せればよいかを相談しながら、準備を進められます。
まなぶ
みらい
まなぶ転職のポートフォリオで失敗する原因は、前の会社の資料をそのまま持っていき、情報の扱いへの配慮も、考え方の説明もないまま見せてしまうことです。応募先に合った作品を絞り、外に出せない情報を伏せて作り直し、作品ごとに考えた流れと自分の役割を書き添える。それだけで、ポートフォリオはあなたの力を伝える一番の味方になります。書類選考や面接で失敗しないための考え方は、書類選考・面接の失敗から学ぶでまとめています。
書類・面接については、面接で他社の選考状況を聞かれて後悔する理由や「服装自由」の面接で失敗する人の特徴5選もあわせて読んでみてください。

