結論

副業の仕事を外注して後悔する人の多くは、「忙しいときは、信頼できる知り合いに手伝ってもらえばいい」と考えて、お客さまとの約束で外注が認められているかを確かめず、お客さまにも伝えないまま、仕事の一部をほかの人に任せてしまう人です。外注は、副業の仕事を広げる方法の一つです。けれど、お客さまは「あなたに」仕事を頼んでいます。誰が作業しても、責任は自分に残るのです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、副業の仕事を外注して後悔する理由と、外注する前に確かめておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

こっそり任せた2本の資料で、お客さまの信頼を失いかけた

夏の夜の部屋で、お客さまとの取り決めの書類を読み返し、外注のルールに気づいて青ざめるまなぶのイラスト

今年の夏、まなぶは、本業の繁忙期と副業の依頼が重なり、どうにも手が回らなくなっていました。継続して資料づくりを頼んでくれている会社から、その月は4本の依頼が届いていたのです。断れば、次から頼んでもらえなくなるかもしれない。そう考えたまなぶは、前の職場の同僚で、同じように資料づくりの副業をしている友人に、2本を手伝ってもらうことにしました。報酬は半分ずつ。お客さまには、何も伝えませんでした。「同じくらいの腕前の人だから、言わなくても分からないだろう」と思ったのです。

まなぶは、お客さまから預かっていた売上のデータと、作りかけの資料を、そのまま友人に送りました。友人は期限どおりに仕上げてくれて、まなぶは軽く目を通しただけで、4本をまとめて納品しました。本業の締め切りに追われていたまなぶには、2本の中身をじっくり確かめる余裕がなかったのです。

ところが、数日後、お客さまの担当者から連絡が届きました。「今回の資料のうち2本だけ、いつもと文字の使い方や言い回しが違うようなのですが…。それに、グラフの数字が一か所、元のデータと合っていません」。まなぶは、どきりとしました。正直に事情を話すと、担当者はしばらく黙ったあと、こう言いました。「最初の約束で、ほかの人に仕事を任せるときは、事前に相談してほしいとお伝えしていましたよね。売上のデータも、社外の方に渡っていたということですか」。

まなぶは、契約のときに受け取っていた取り決めの文章を、ろくに読み返していませんでした。そこには、たしかに「再委託する場合は、事前に当社の了承を得ること」と書かれていたのです。担当者は、数字の誤りよりも、大切なデータが知らない人の手に渡っていたことを、何より心配していました。その後、依頼の本数は、月4本から1本に減りました。まなぶは、手伝ってもらった友人にも、気まずい思いをさせてしまいました。

その夜、まなぶは、お客さまとの取り決めの文章を、最初から最後まで読み直しました。忙しさを乗り切るために選んだ外注が、お客さまとの約束を破り、信頼まで失いかけていた。まなぶは、仕事を頼まれていたのは自分自身だったことの重さを、あらためて感じていました。

2原因分析

副業の仕事を外注して後悔する理由

1

お客さまとの約束で、外注が認められているか確かめていない

お客さまとの取り決めの中には、ほかの人に仕事を任せること(再委託)について、ルールが書かれていることがあります。約束を確かめずに外注すると、たとえ仕上がりが良くても、約束を破ったことになってしまいます。外注を考えたら、まず取り決めの文章を読み返し、分からないときはお客さまに確かめましょう。口頭で了承をもらったときも、メッセージなど記録に残る形で確かめておくと安心です。

2

お客さまに、外注することを伝えていない

「言わなくても分からないだろう」と考えて外注すると、あとで気づかれたときに、仕事の中身以上に、信頼を損ねてしまいます。外注するときは、誰に、どの部分を任せるのかを、事前にお客さまに伝えて、了承をもらうことが大切です。正直に伝えれば、「今月は納期を延ばしましょうか」と、ほかの方法を提案してもらえることもあります。隠して進めるより、相談するほうが、結果としてお客さまとの関係は強くなります。

3

預かった情報を、そのまま渡してしまう

お客さまから預かったデータや資料には、社外に出したくない情報が含まれていることがあります。外注先にそのまま渡すと、お客さまの大切な情報を、知らない人に広げてしまうことになります。外注するときは、渡してよい情報の範囲をお客さまと決め、外注先とも、情報を外に出さない約束を交わしておきましょう。

4

仕上がりの基準を、共有していない

同じくらいの腕前の人でも、文字の使い方や言い回し、確かめ方の細かいところは、人によって違います。お客さまがいつも求めている基準を、外注先に伝えていないと、仕上がりにばらつきが出ます。文字の大きさや言葉づかい、数字の確認の手順などをまとめておき、納品の前には、自分で必ず最後まで確かめましょう。任せた部分ほど、ていねいに見直すことが大切です。

5

引き受ける量を、自分で調整していない

外注を考えるのは、たいてい、引き受けすぎて手が回らなくなったときです。けれど、外注は、仕事を減らす方法ではなく、責任の範囲を広げる方法です。本業の繁忙期には、引き受ける量を前もって減らしたり、納期を相談したりするほうが、ずっと安全な場合もあります。外注は、準備を整えてから使う手段だと考えましょう。繁忙期が分かっている場合は、数か月前からお客さまに伝えておくと、おたがいに予定を立てやすくなります。

3図解

副業の仕事を外注して後悔する人と、上手に外注できる人の違い

⚠ 副業の仕事を外注して後悔する人のパターン
手が回らなくなり、知り合いにこっそり仕事を任せる
↓
預かったデータを、そのまま外注先に渡す
↓
仕上がりを確かめきれずに、まとめて納品する
↓
約束違反に気づかれ、お客さまの信頼を失う
◎ 副業の仕事を上手に外注できる人のパターン
取り決めを読み返し、外注のルールを確かめる
↓
お客さまに伝えて了承をもらい、渡す情報を決める
↓
仕上がりの基準を共有し、自分で最後まで確かめる
↓
お客さまに安心してもらいながら、仕事を広げられる
4解決策

副業の仕事を外注する前のチェックリスト

外注は、準備を整えれば、副業の仕事を広げる心強い方法になります。仕事をほかの人に任せる前に、次の項目を確かめてみてください。

  • お客さまとの取り決めで、外注のルールを確かめた
  • 外注することを、お客さまに伝えて了承をもらった
  • 外注先に渡してよい情報の範囲を決めた
  • 外注先と、情報を外に出さない約束を交わした
  • 仕上がりの基準をまとめて、外注先に伝えた
  • 納品の前に、自分で最後まで確かめると決めた

まなぶは、お客さまにあらためて謝り、データを渡した経緯と、友人の手元からデータを消してもらったことを報告しました。そして、繁忙期には前もって依頼の本数を相談すると約束しました。今は、外注をする前に、必ずお客さまの了承をもらうと決めています。お客さまごとに、文字の使い方や確認の手順をまとめた「仕上がりメモ」も作りました。「仕事を頼まれているのは、自分なんだ」。まなぶは、そのことを忘れないように、仕上がりメモの一行目にそう書き込みました。それから2か月ほどたった今、依頼の本数は、少しずつ元に戻り始めています。

※再委託のルールや、預かった情報の扱いは、お客さまとの契約の内容によって異なります。この記事は一般的な考え方を紹介したものです。具体的な契約の内容や、すでに起きているトラブルについては、専門家や相談窓口に確認してください。
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まなぶまなぶ
忙しくて、知り合いにこっそり資料づくりを手伝ってもらったら、お客さまとの約束を破って、データまで渡してしまっていたんです…。
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お客さまは、あなたに仕事を頼んでいます。外注する前に、取り決めを確かめて、お客さまの了承をもらいましょう。
まなぶまなぶ
誰が作業しても、責任は自分に残るんですね。

副業の仕事を外注して後悔する原因は、お客さまとの約束を確かめず、伝えないまま仕事を任せ、預かった情報もそのまま渡してしまうことです。取り決めを読み返し、お客さまの了承をもらい、渡す情報と仕上がりの基準を決めてから外注する。それだけで、外注は、お客さまに安心してもらいながら、副業の仕事を広げる方法になります。スキルを売る副業で失敗しないための考え方は、スキルを売る副業の失敗から学ぶでまとめています。

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