結論

実績づくりの格安案件で失敗する人の多くは、「まずは実績を」と考えて、期限も件数も決めずに格安の仕事を受け続け、いつ・どうやって値段を上げるかを考えないまま忙しさに追われてしまう人です。副業を始めたばかりのころは、実績がないため、安い仕事から始めるのは自然なことです。けれど、格安の仕事は「入口」であって、そこに居続けるための場所ではありません。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、実績づくりの格安案件で失敗する人の特徴と、格安から抜け出すための進め方を解説します。

1失敗ストーリー

1件500円の仕事で、半年間、夜が埋まり続けた

深夜の自宅で、副業の時給を電卓で計算して愕然とするまなぶのイラスト

副業を始めたばかりのころ、まなぶは、スキルを売れるサービスに「資料の誤字チェックと手直し 1件500円」という出品をしました。本業で毎日のように資料を作っていたので、手直しならそれなりに自信がありました。実績もレビューもない自分を選んでもらうには、値段を安くするしかない。そう考えたのです。いつまでその値段で続けるのか、どこまでの作業を受けるのかは、そのときは何も決めていませんでした。「まずは10件くらい実績ができたら考えよう」と、ぼんやり思っていただけでした。

出品すると、思っていたよりずっと早く、すぐに依頼が来ました。1件、2件と仕事をこなし、良いレビューがつくたびに、まなぶは素直にうれしくなりました。気づけば、平日の夜は毎日2〜3件の依頼が入るようになっていました。ところが、届く依頼はだんだん重くなっていきました。「誤字チェックのついでに、構成も見てほしい」「図も少し直してほしい」。500円のまま、1件に2時間以上かかる仕事が増えていったのです。断ったら悪いレビューがつくかもしれない。そう思うと、追加の頼みごとも、まなぶはすべて引き受けていました。

3か月がたったころ、まなぶは計算してみて愕然としました。時給にすると、200円ほどにしかなっていなかったのです。それでも、「値上げしたら依頼が来なくなるかもしれない」と思うと、値段を変えることができませんでした。本業の疲れもたまり、昼間の会議でうとうとしかけたこともありました。結局、格安のまま半年近くがあっという間に過ぎ、まなぶは平日の夜も週末も、手直しの仕事で埋まっていました。

転機は、副業をしている先輩の一言でした。「実績は、もう十分あるじゃない。レビューが30件もあるのに、まだ500円なの? それ、実績づくりじゃなくて、ただの安売りになってるよ」。まなぶは、「実績を積む」ことが目的になり、実績を積んで何をするのかを考えていなかったことに気づきました。

まなぶは、その日の夜のうちに、これまでの依頼を一件ずつ見返しました。どんな仕事が多く、どんな仕事に時間がかかっていたのか。どのお客さまが、何に喜んでくれていたのか。格安で受けた半年間の仕事の中に、次に進むための手がかりが、たくさん眠っていたのです。とくに、営業資料の手直しを頼んだお客さまからは、「説明の順番が分かりやすくなった」という声が何度も届いていました。

2原因分析

実績づくりの格安案件で失敗する人の特徴5選

1

格安で受ける「期限」と「件数」を決めていない

実績づくりのために安く受けること自体は、悪いことではありません。けれど、終わりを決めないまま始めると、いつまでも格安のまま続いてしまいます。「最初の10件まで」「3か月まで」のように、格安で受ける期限や件数を、始める前に決めておくことが大切です。期限があれば、そこまでに何を身につけるかも考えやすくなります。期限が来たら、続けるか、値段を変えるかを必ず見直すと決めておきましょう。

2

仕事の範囲を、はっきり書いていない

「誤字チェックと手直し」のようなあいまいな書き方だと、お客さまはいろいろな作業を頼みたくなります。範囲があいまいなまま格安で受けると、作業だけが増え、時給はどんどん下がっていきます。出品ページには、何をするか、何はしないかを具体的に書きましょう。範囲の外の作業は、別の料金で受けると決めておくと安心です。追加の頼みごとが来たときに、「それは別のメニューになります」と答えられるだけで、気持ちがずっと楽になります。

3

かかった時間を、記録していない

1件ごとにかかった時間を記録していないと、自分の仕事がどれだけ割に合っているのかが分かりません。作業の時間を記録して、ときどき時給に直してみるだけで、値段を見直すべきタイミングに気づけます。時間がかかる仕事の種類が分かれば、得意を伸ばす方向も見えてきます。手帳やスマートフォンのメモに、始めた時刻と終わった時刻を書くだけでも十分です。

4

値上げを、怖がりすぎている

値上げをすると、今のお客さまが離れてしまうのではないかと不安になります。けれど、実績が増えて仕事の質が上がっているなら、それに合った値段にするのは自然なことです。新しい依頼から値段を上げる、範囲を広げたコースを別に用意するなど、少しずつ上げる方法もあります。前もって「〇月から料金を見直します」と伝えておけば、お客さまも受け止めやすくなります。値上げで離れるお客さまがいても、それは自分に合った仕事を選び直すきっかけだと考えましょう。

5

実績を、次の仕事につなげていない

格安の仕事は、実績を積むための入口です。積んだ実績を、次の仕事にどうつなげるかを考えなければ、入口のまま足踏みしてしまいます。お客さまの声や、仕上がりの例を整理して、より単価の高い仕事を探すときに見せられる形にしておくことが大切です。喜ばれた仕事の共通点から、自分の強みも見えてきます。「どんなお客さまの、どんな困りごとを解決できたか」を一言で言えるようにしておくと、次の出品ページや提案にもそのまま使えます。

3図解

格安案件で失敗する人と、実績を生かして次に進める人の違い

⚠ 実績づくりの格安案件で失敗する人のパターン
期限も件数も決めずに、格安で出品する
↓
範囲があいまいなまま、頼まれた作業を全部受ける
↓
時間を記録せず、値上げも怖くてできない
↓
時給200円のまま、夜も週末も埋まってしまう
◎ 格安案件を実績づくりに生かせる人のパターン
格安で受ける期限と件数を、先に決める
↓
範囲を具体的に書き、時間を記録する
↓
実績と声を整理して、少しずつ値段を上げる
↓
格安を入口に、自分に合った単価の仕事へ進める
4解決策

格安案件で実績づくりを始める前のチェックリスト

実績づくりの格安案件は、上手に使えば副業の良いスタートになります。始める前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 格安で受ける期限と件数を、先に決めた
  • 仕事の範囲(するもの・しないもの)を具体的に書いた
  • 1件ごとにかかった時間を記録する仕組みをつくった
  • 値段を見直すタイミングと、伝え方を決めた
  • お客さまの声と仕上がりの例を、整理して残している
  • 勤め先の副業のルールと、出品するサービスの規約を確かめた

まなぶは、出品ページを「営業資料の手直し」「社内向け資料の手直し」の2つに分け、それぞれの範囲と料金をはっきり書き直しました。値段は新しい依頼から段階的に上げ、これまでのお客さまには1か月前に知らせました。何人かは離れましたが、残ってくれたお客さまからは、前より大きな仕事を頼まれるようになりました。格安は入口、そこに居続けない。まなぶの副業の時給は、半年で5倍ほどになりました。

※副業を始めるときは、勤め先の就業規則で副業が認められているか、申請が必要かを必ず確認しましょう。収入が出た場合の税金の扱いも、早めに確かめておくと安心です。
5おすすめサービス

副業の始め方に迷ったら

副業を始めるときは、相場を知りながら、自分に合った値段と仕事の範囲を決めていくことが大切です。

A
まずは小さく出品したい人向け

自分のスキルや得意が売れる【ココナラ】

実際の需要がある依頼を見ながら、相場感をつかんで出品できるタイプ。同じような出品の値段や範囲を比べることで、自分の値段を決める手がかりになります。

案件を出品してみる

B
自分の適正な単価を知りたい人向け

フリーランス・キャリア相談サービス【ポテパンフリーランス】

自分のスキルの適正な価格帯や、単価の上げ方について相談できるタイプです。格安から抜け出すタイミングに迷っている人に向いています。

相談してみる

まなぶまなぶ
実績づくりのつもりで1件500円の仕事を受け続けたら、時給200円のまま、半年も夜が埋まっていました…。
みらいみらい
格安の仕事は入口です。期限と件数を先に決めて、範囲と時間を記録しながら、少しずつ値段を上げていきましょう。
まなぶまなぶ
格安は入口で、そこに居続けないことが大事なんですね。

実績づくりの格安案件で失敗する原因は、期限も件数も範囲も決めずに受け続け、時間を記録せず、値上げを怖がって、実績を次の仕事につなげないことです。期限と範囲を決め、時間を記録し、実績と声を整理して少しずつ値段を上げる。それだけで、格安の仕事は副業の良いスタートになります。副業を始めるときに失敗しないための考え方は、副業スタートの失敗から学ぶでまとめています。

副業の始め方については、家族に相談せずに副業を始めて後悔する理由や副業のアカウントを本名で作って失敗した話もあわせて読んでみてください。

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