結論

AIのプロンプト販売で失敗しないためには、「これを使えば稼げる」と約束するのではなく、誰がどんな場面で使うためのものかをしぼり、使えるAIや条件、更新の予定を正直に書いたうえで、自分で作ったプロンプトだけを売ることが大切です。AIへの指示文(プロンプト)をまとめて販売する副業は、手軽に始められることから注目されています。けれど、AIは更新されるたびに答え方が変わり、「書いてあるとおりにならない」という不満が起きやすい商品でもあります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、AIのプロンプト販売で失敗しない方法を解説します。

1失敗ストーリー

「書いてあるとおりにならない」と、返金の依頼が続いた

昼休みの休憩スペースで、別の部署の後輩・Aさんからプロンプト販売の失敗の話を聞くまなぶのイラスト

この話は、まなぶの会社の別の部署で働く後輩、Aさんから聞いたものです。昼休みに休憩スペースの自動販売機の前で会ったとき、まなぶが「最近、副業でAIを使ってるって聞いたよ」と声をかけると、Aさんは「実は、プロンプトを売ってみて、だいぶやらかしたんです」と、缶コーヒーを手に話してくれました。

Aさんは、社内でシステム開発を担当している、入社5年目の20代後半のエンジニアです。仕事でAIを使ううちに、うまく答えを引き出す指示の書き方が分かるようになり、「これを売れば副業になる」と考えました。そこで、デジタル商品を売れるサービスに「AIで月5万円を目指す!副業プロンプト50選」という商品を出しました。SNSで紹介すると、最初の1か月で40件ほど売れ、Aさんは手応えを感じていました。プロンプトを作るのにかかった時間は、週末の2日ほど。「元手がほとんどかからないのに、こんなに売れるなんて」と、Aさんは次の商品の準備まで始めていたそうです。

ところが、2か月目に入るころから、購入者からの声が変わってきました。「書いてあるとおりに入れても、例と同じ答えが出ない」「月5万円どころか、何に使えばいいのか分からない」。調べてみると、使っていたAIが更新されて、いくつかのプロンプトでは答え方が大きく変わっていたのです。さらに、ある購入者からは、「このプロンプト、SNSで無料で公開されていたものとほとんど同じですよね」という指摘も届きました。Aさんは、集めて手直ししただけのものも混ぜていたのでした。

Aさんは、返金の依頼に一件ずつ応じ、商品を取り下げました。購入者への返事を書くのに、平日の夜を何日も使うことになり、本業の疲れもたまっていきました。売れた金額の半分近くが返金になり、販売サービスのページには、いくつもの低い評価が残りました。「プロンプトを売ったつもりが、守れない約束を売っていた」と、Aさんは缶コーヒーを見つめながら言いました。

話を聞いたまなぶは、自分が資料テンプレートの販売でつまずいたことを思い出していました。AIで作れるものを売るときほど、買う人に何を約束しているのかを、冷静に考える必要があるのだと感じました。そして、売る前に一度、買う人の立場で商品の説明を読み直すことの大切さも、あらためて思いました。

2解決策

AIのプロンプト販売で失敗しない方法

1

「稼げる」「必ず」と約束しない

「月5万円」「誰でも稼げる」といった言葉は、買う人の期待を大きくします。けれど、成果は使う人の状況や努力によって大きく変わります。プロンプトで約束できるのは、「こういう作業が楽になる」ということまでです。成果を約束する言葉は使わず、何ができるかを具体的に書きましょう。「商品説明の下書きにかかる時間を短くする」のように、作業の単位で書くのがコツです。誇大な表現は、トラブルや低い評価のもとになり、長く売り続けることを難しくします。

2

誰が、どんな場面で使うものかをしぼる

「副業プロンプト50選」のような幅の広い商品は、買う人にとって、どれを何に使えばいいのかが分かりにくくなります。「ハンドメイド作家が、商品説明文の下書きを作るとき」のように、使う人と場面をしぼると、買う人は自分に合うかを判断しやすくなります。数より、一つの場面で確実に役立つことを目指しましょう。場面がしぼれていれば、使い方の例や、うまくいかないときの直し方も具体的に書けます。

3

使えるAIと条件、作った時期を書いておく

同じプロンプトでも、使うAIの種類や、更新の時期によって答え方が変わります。「どのAIで試したか」「いつ時点で確かめたか」「答えは毎回少しずつ変わること」を、商品の説明にはっきり書くことが大切です。正直に書いておけば、買う人も期待のずれを感じにくくなります。うまくいかないときに試してほしい言いかえの例を添えておくと、さらに親切です。

4

自分で作り、試したものだけを売る

ほかの人が公開しているプロンプトを集めて売ると、オリジナルではないことを指摘されたり、トラブルになったりするおそれがあります。自分で作り、自分で何度も試して効果を確かめたものだけを売ると決めておきましょう。どんな作業で、どう役立ったのかという自分の経験を添えると、それが商品の一番の価値になります。ほかの人の工夫から学ぶのはよいことですが、そのまま売り物にしないことが大切です。

5

更新の予定と、問い合わせの受け方を決めておく

AIは今後も更新され続けます。売ったあとに答え方が変わることは、避けられません。「いつまで、どのくらいの頻度で内容を見直すか」「質問をどこまで受けるか」を、販売する前に決めて書いておくと、買う人も安心できますし、自分の負担も読めるようになります。見直しを続けられない場合は、価格や説明にそのことを反映させましょう。見直したときに購入者へ知らせる方法も、あわせて決めておくと安心です。

3図解

AIのプロンプト販売で失敗する人と、信頼される人の違い

⚠ AIのプロンプト販売で失敗する人のパターン
「稼げる」と約束して、幅の広いプロンプト集を売る
↓
集めたものも混ぜ、使えるAIや時期を書かない
↓
AIの更新で答え方が変わっても、見直さない
↓
不満と返金の依頼が続き、低い評価が残る
◎ AIのプロンプト販売で信頼される人のパターン
使う人と場面をしぼり、できることを具体的に書く
↓
自分で作って試したものだけを、条件と時期を添えて売る
↓
見直しの予定と問い合わせの受け方を決めておく
↓
期待のずれが少なく、長く信頼される商品になる
4チェックリスト

AIのプロンプトを販売する前のチェックリスト

プロンプトの販売は、自分の工夫を人の役に立てられる副業です。販売する前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 「稼げる」「必ず」など、成果を約束する言葉を使っていない
  • 使う人と場面を、一つにしぼった
  • どのAIで、いつ時点で試したかを説明に書いた
  • 答えは毎回少しずつ変わることを、説明に書いた
  • 自分で作り、試したものだけを入れた
  • 見直しの予定と、問い合わせの受け方を決めた

Aさんは今、「ハンドメイド作家が商品説明文の下書きを作るときのプロンプト」に内容をしぼって、商品を作り直しているそうです。使えるAIと確かめた時期を説明に書き、3か月ごとに見直すことも決めました。「売るのはプロンプトそのものより、自分が試して確かめた使い方」。昼休みの終わりのチャイムが鳴る中で、Aさんはそう言って席に戻っていきました。

※デジタル商品を販売するときは、販売するサービスの規約や、広告・表示についての決まりを確認しましょう。会社員が副業をする場合は、勤め先の副業のルールも事前に確かめておくことが大切です。
5おすすめサービス

AIを使った副業を形にするなら

AIを使って作ったものを販売するには、作り方だけでなく、届け方と確かめ方を知っておくことが大切です。

A
まずは小さく出品したい人向け

自分のスキルや得意が売れる【ココナラ】

実際の需要がある依頼を見ながら、相場感をつかんで出品できるタイプ。どんな作業に困っている人が多いのかを知ることで、プロンプトを向ける相手を決める手がかりになります。

案件を出品してみる

B
生成AIを体系的に学びたい人向け

ChatGPTなどの生成AIを学び仕事に活かす!「DMM 生成AI CAMP」

指示の出し方(プロンプト)のコツや、AIの答えの確かめ方まで含めて体系的に学べるタイプ。自分の工夫を、人に伝わる形に整える力を身につけられます。

詳細を見てみる

まなぶまなぶ
Aさんは、「稼げる」と書いたプロンプト集を売ったら、AIの更新で答え方が変わって、返金の依頼が続いたそうです…。
みらいみらい
プロンプトで約束できるのは、作業が楽になるところまでです。使う人と場面をしぼって、使えるAIと時期を正直に書きましょう。
まなぶまなぶ
売るのはプロンプトそのものより、自分が試して確かめた使い方なんですね。

AIのプロンプト販売で失敗しないためには、成果を約束せず、使う人と場面をしぼり、使えるAIと時期を正直に書いたうえで、自分で作って試したものだけを売ることが大切です。見直しの予定と問い合わせの受け方を決めておけば、プロンプトは長く信頼される商品になります。AIを使った副業で失敗しないための考え方は、AIを使った副業・ビジネス展開の失敗から学ぶでまとめています。

AI副業・ビジネスについては、AI翻訳の副業で後悔する理由やAI導入の手伝いを副業で請けて後悔する理由もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています