AI翻訳の副業で後悔する理由
AI翻訳の副業で後悔する人の多くは、「AIで下訳すれば、たくさんの案件をこなせる」と考えて、安い案件を数多く受け、訳文の確認と、預かった原稿の扱い方をおろそかにしてしまう人です。AIの翻訳は年々なめらかになり、副業で翻訳を始めるハードルは下がりました。けれど、お客さまが翻訳にお金を払うのは、「正しく伝わる」ことを任せたいからです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、AI翻訳の副業で後悔する理由と、信頼される翻訳の副業の続け方を解説します。
返品の条件を訳しまちがえ、取引先を失った
この話は、まなぶの大学時代の同級生、Aさんから聞いたものです。久しぶりに母校の学園祭に行った帰り、キャンパスのベンチで近況を話していたとき、まなぶが「最近は副業でAIを使う人が増えたよね」と言うと、Aさんは「私、AI翻訳の副業でけっこう痛い目にあったんだ」と、苦笑いしながら話してくれました。
Aさんは、会社で事務の仕事をしながら、副業で翻訳の仕事を請けている30代です。学生時代から英語が得意で、以前は英語の塾で講師のアルバイトをしていたこともありました。2年前から、仕事を仲介するサービスで翻訳の案件を受け始め、最初は辞書を何冊も広げながら、1件ずつ丁寧に訳していました。ところが、AIの翻訳を使うようになってから、作業の速さが大きく変わりました。「下訳はAIに任せて、最後に読みやすく整えればいい」。そう考えたAさんは、単価の安い案件をたくさん受けるようになり、ひと月に受ける件数は以前の3倍になりました。収入も増え、Aさんは「AIのおかげで、副業がやっと軌道に乗った」と感じていました。そのぶん、1件にかける確認の時間は、気づかないうちに短くなっていました。
ある日、継続して仕事をくれていた雑貨の通販会社から、厳しい連絡が届きました。Aさんが訳した海外向けの商品ページを見たお客さまから、「返品できると書いてあったのに断られた」という苦情が入ったというのです。調べてみると、元の文章は「未開封の場合に限り返品できます」という意味でした。AIの訳では「未開封の場合に限り」の部分が抜け落ち、Aさんも忙しさから、条件の部分を元の文章と見比べていなかったのです。
さらに、その会社とのやりとりの中で、Aさんは別の問題にも気づかされました。発売前の商品の説明文を、契約で決められていない無料のAIサービスに入力していたことを、正直に伝えざるを得なかったのです。会社は「発売前の情報を外部のサービスに入れることは、契約で認めていません」と言い、その月を最後に、取引は終わりました。「速くこなすことばかり考えて、翻訳で一番大事な『正しく伝える』と『預かったものを守る』を後回しにしていた」と、Aさんはため息をついていました。
Aさんは今、受ける案件の数を以前の半分にし、そのぶん、一つひとつの訳を元の文章と見比べる時間をしっかり取っているそうです。話を聞いたまなぶは、自分の資料作成の副業でも、速さと引きかえに何かを手放していないか、考えずにはいられませんでした。AIで作業が速くなったときこそ、その時間を何に使うかが問われるのだと感じたのです。
AI翻訳の副業で後悔する理由
AIの訳を、元の文章と見比べていない
AIの翻訳はなめらかで、読みやすい文章になります。そのため、読みやすければ正しいと思い込みやすくなります。けれど、条件や数字、否定の言葉など、意味を大きく変える部分ほど、訳から抜け落ちたり逆になったりすることがあります。訳し終えたら、元の文章と一文ずつ見比べ、とくに条件・数字・否定の部分は必ず確かめましょう。訳文を一度AIで元の言葉に戻し、意味が変わっていないかを確かめるのも効果的です。
件数を増やして、確認の時間を削っている
AIで速く訳せるようになると、受ける件数を増やしたくなります。けれど、件数が増えるほど、一件あたりの確認の時間は減っていきます。安い案件をたくさん受けるより、確認の時間まで含めて割に合う案件を選ぶことが、結果的に長く続けるコツです。自分が一日に丁寧に確かめられる量を知り、それを超えて受けないようにしましょう。疲れている日の確認は見落としが増えるので、締め切りには余裕を持たせておくことも大切です。
預かった原稿の扱いを、契約で確かめていない
翻訳の仕事では、発売前の商品情報や、社外に出ていない資料を預かることがよくあります。預かった原稿を、どのサービスに入力してよいかは、契約やお客さまの決まりで確かめる必要があります。確かめないまま無料のAIサービスに入力すると、契約違反になるおそれがあります。分からないときは、仕事を受ける前に必ずお客さまに聞きましょう。聞いておけば、お客さまが認めたサービスだけを使うという、はっきりした線を引けます。
AIを使っていることを、伝えていない
お客さまによっては、AIの翻訳を使うことに決まりを持っている場合があります。AIを下訳に使っていることを伝えずにいると、後から知られたときに信頼を損ねます。「AIで下訳をし、すべて自分で確認・修正しています」のように、使い方を最初に伝えておくと、お客さまも安心して任せられます。
得意な分野を、育てていない
AIの翻訳が身近になるほど、「ただ訳せる」だけの仕事は、単価が下がりやすくなります。特定の分野の言葉や、その業界の決まりごとに詳しくなることが、AIの時代に選ばれる翻訳者になる近道です。自分が得意な分野を一つ決めて、その分野の案件を積み重ねていきましょう。分野ごとの言葉をまとめた自分用の一覧を作っておくと、AIへの頼み方も正確になります。
AI翻訳の副業で後悔する人と、信頼される人の違い
AI翻訳の副業を受ける前のチェックリスト
AIは、翻訳の副業の作業を大きく助けてくれる道具です。信頼される翻訳を続けるために、次の項目を確かめてみてください。
- 預かった原稿をAIに入力してよいか、契約やお客さまに確かめた
- AIを下訳に使っていることを、お客さまに伝えた
- 訳文を、元の文章と一文ずつ見比べた
- 条件・数字・否定の部分を、とくに注意して確かめた
- 一日に丁寧に確かめられる量を知り、それを超えて受けていない
- 得意な分野を一つ決めて、案件を積み重ねている
Aさんは今、雑貨やインテリアの分野にしぼって翻訳の案件を受けているそうです。AIの下訳を使うことは、仕事を受ける前にお客さまに伝え、原稿を入れてよいサービスも確かめています。「速さはAIに任せて、正しさと信頼は自分で守る」。学園祭のにぎわいが遠くに聞こえるベンチで、Aさんはそう言って笑いました。
AIを使った副業を続けるなら
AIを使った副業を長く続けるには、仕事の受け方と、自分の力の伸ばし方の両方を考えることが大切です。
日本最大級のクラウドソーシング【ランサーズ】
翻訳の案件を探せるタイプです。案件ごとに条件や取り決めを確かめながら受けられるので、原稿の扱いやAIの使用についても事前に相談しやすくなります。
ChatGPTなどの生成AIを学び仕事に活かす!「DMM 生成AI CAMP」
指示の出し方(プロンプト)のコツや、AIの答えの確かめ方まで含めて体系的に学べるタイプ。AIを使った副業の質を上げたい人に向いています。
まなぶ
みらい
まなぶAI翻訳の副業で後悔する原因は、件数を増やして確認の時間を削り、元の文章と見比べず、預かった原稿の扱いも確かめないまま仕事を進めてしまうことです。受ける量を決め、条件や数字を見比べ、原稿の扱いとAIの使い方を最初に確かめる。それだけで、翻訳の副業は信頼で続くものになります。AIを使った副業で失敗しないための考え方は、AIを使った副業・ビジネス展開の失敗から学ぶでまとめています。
AI副業・ビジネスについては、AIの使い方を教える副業で失敗する人の特徴5選やAIのプロンプト販売で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

