銀行からの転職で後悔する理由
銀行からの転職で後悔する人の多くは、「銀行の将来が不安だから」という理由だけで辞めることを先に決め、福利厚生を含めた待遇や、銀行で身につけた力が転職先でどう生きるのかを比べないまま動いてしまう人です。銀行で身につけた、数字を読む力や、お客さまの事業を理解する力、正確に仕事を進める力は、多くの会社で求められる強みです。けれど、銀行の「当たり前」が外では当たり前ではないことを知らずに転職すると、思わぬところで後悔することになります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、銀行からの転職で後悔する理由と、辞める前に確かめたいことを解説します。
「銀行の外なら、もっと評価される」と思っていた
10月の金曜日の夜、まなぶは大学時代のアルバイト先の先輩だったAさん(30代男性)と、駅前の焼き鳥屋のカウンターで久しぶりに飲みました。Aさんは、地方銀行で10年間、法人向けの融資の営業をしていましたが、去年、メーカーの財務部に転職していました。「銀行を辞めたこと自体は後悔してないんだ。でも、辞め方と選び方は、もう少し考えればよかったな」。Aさんは、ジョッキを置いて話し始めました。
Aさんが転職を考え始めたきっかけは、支店の統合や、銀行の将来についてのニュースでした。「このまま銀行にいて大丈夫なのか」。不安が大きくなり、Aさんは「とにかく早く外に出よう」と決めました。融資の審査で何百社もの決算書を読んできた経験があれば、事業会社の財務の仕事でも活躍できるはず。そう考えて、最初に内定が出たメーカーに、年収がほぼ同じという理由だけで決めたそうです。ほかの会社と比べることも、銀行の中でほかの道がないかを考えることもしませんでした。
ところが、入社してみると、思わぬことがいくつも起きました。まず、銀行で受けていた家賃の補助がなくなり、手元に残るお金は、年収が同じでも、毎月数万円も減ってしまったのです。仕事でも、決算書を読む力より、予算をまとめるための各部署との調整や、表計算ソフトで細かな計画表を作る力が求められました。銀行では規程と前例に沿って正確に進めることが評価されましたが、新しい会社では「前例がないなら、自分で考えて決めて」と言われ、どう動けばいいのか迷う日が続きました。
今は少しずつ仕事に慣れ、銀行での経験が生きる場面も増えてきたそうです。「将来が不安だったのは本当だけど、不安から逃げることばかり考えて、次の会社と銀行をちゃんと比べていなかったんだよね」。辞める理由は考えていたけれど、次の会社を選ぶ理由は考えていなかった。まなぶは、焼き鳥の串を手にしたまま、Aさんの言葉を胸に刻みました。
銀行からの転職で後悔する5つの理由
「将来が不安」という理由だけで辞めた
銀行の将来についてのニュースを見て、不安になるのは自然なことです。けれど、不安から逃げることが目的になると、「次の会社で何をしたいのか」を考えないまま転職先を選ぶことになります。銀行の中にも、部署の異動や、新しい事業に関わる道があるかもしれません。辞めるかどうかを決める前に、「銀行の外でなければできないことは何か」を書き出してみましょう。書き出してみると、不安の中身が「銀行の将来」なのか、「今の仕事への不満」なのかが見えてきます。
福利厚生を含めた待遇を比べなかった
銀行は、家賃の補助や社宅、退職金や企業年金など、福利厚生が手厚いことが多い職場です。年収の数字が同じでも、福利厚生を含めると、実際の待遇は大きく変わることがあります。転職先を比べるときは、年収だけでなく、住まいの補助、退職金の制度、休みの取りやすさなども含めて、1年間で手元にどれだけ残るのかを計算してみましょう。退職金の制度は、勤めた年数によって受け取れる額が大きく変わることもあるため、辞める時期とあわせて確かめておくと安心です。
銀行の経験が生きる場面を見誤った
銀行で身につけた決算書を読む力や、お客さまの事業を理解する力は、確かに強みです。けれど、事業会社の財務や経理では、予算の管理や社内の調整、細かな資料づくりなど、銀行とは違う力も求められます。「銀行の経験があるから大丈夫」ではなく、転職先の仕事のどの部分に、自分の経験のどの部分が生きるのかを、具体的に確かめておくことが大切です。面接で「入社後、最初の半年でどんな仕事を任されるか」を聞いておくと、求められる力が見えてきます。
仕事の進め方の違いを想定していなかった
銀行では、規程や前例に沿って、ミスなく正確に進めることが何より大切にされます。一方、事業会社やベンチャー企業では、決まりがない中で自分で考え、多少の失敗をしながらも速く進めることが求められる場面が少なくありません。どちらが正しいということではなく、評価される働き方そのものが違うのです。選考の段階で、仕事の進め方や評価のされ方を確かめておきましょう。銀行で身につけた正確さは、新しい職場でも信頼される土台になります。違いを知ったうえで、生かし方を考えることが大切です。
銀行の外での自分の評価を知らなかった
銀行に長くいると、自分の経験が外でどれくらい評価されるのかが分かりにくくなります。そのため、最初に内定が出た会社が、自分にとってよい条件なのかどうかも判断できません。転職のプロに経歴を見てもらい、銀行の経験がどんな仕事で、どれくらい評価されるのかを知っておくと、比べる基準を持って会社を選べます。複数の会社の話を聞いてから決めるだけでも、判断の確かさは大きく変わります。
銀行からの転職で後悔する人と、納得して選べる人の違い
銀行から転職する前のチェックリスト
銀行で身につけた力は、外でも頼れる強みになります。辞める前に、次の項目を確かめてみてください。
- 「銀行の外でなければできないこと」を書き出した
- 銀行の中で、異動などほかの道がないかを確かめた
- 家賃の補助や退職金を含めて、1年間の待遇を比べた
- 転職先の仕事の中で、自分の経験が生きる場面を具体的に確かめた
- 選考で、仕事の進め方と評価のされ方を確かめた
- 転職のプロに、銀行の経験が外でどう評価されるかを聞いた
店を出るとき、Aさんは「今の会社に来たことは、正解だったと思えるようにするよ」と笑いました。まなぶは、転職で大切なのは、今の場所から逃げる理由よりも、次の場所を選ぶ理由を持つことなのだと感じました。
銀行の経験を生かせる転職先を探すなら
銀行からの転職では、自分の経験が外でどう評価されるのかを知り、それをもとに転職先を比べることが大切です。経験を評価してくれる求人を知る専門家に相談するのがおすすめです。
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これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。銀行の中だけで通じていた言葉を、外の会社に伝わる言葉に置き換える手助けになります。辞めるかどうかを決める前の段階から相談できます。
まなぶ
みらい
まなぶ銀行からの転職で後悔する原因は、将来への不安から辞めることを先に決め、福利厚生を含めた待遇や、経験が生きる場面、仕事の進め方の違いを比べないまま転職先を選んでしまうことです。外でしかできないことを書き出し、1年間の待遇を比べ、経験が生きる場面と評価のされ方を確かめる。それだけで、銀行で身につけた力は次の会社でも頼れる強みになります。業界や職種を変える転職で失敗しないための考え方は、公務員から民間転職の失敗から学ぶでまとめています。
業界・職種を変える転職については、教員から民間企業へ転職して失敗した話やIT企業のビジネス職への転職で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

