結論

転職するか迷ったときに失敗しないためには、迷いの中身を書き出し、判断の期限と「転職する条件」を決めたうえで、足りない情報を取りに行くことが大切です。迷っている時間そのものは悪いことではありません。しかし、考えるだけで何も確かめないまま時間が過ぎると、気持ちは疲れていき、良い機会を逃したり、最後は焦って決めてしまったりします。迷いの多くは、決める材料が足りないことから生まれます。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、転職するか迷ったときに失敗しないための考え方と、迷いを終わらせる手順を解説します。

1失敗ストーリー

「もう少し考えます」で、1年半が過ぎた

朝の洗面所で歯ブラシをくわえたまま、先輩から声をかけてもらったポジションが決まったというメッセージを見て、後悔して固まるまなぶのイラスト

2年前に転職する、さらに1年半ほど前のことです。まなぶは、毎晩のように寝る前のベッドで転職サイトを開いていました。「今の仕事に、このまま10年いていいんだろうか」。かといって、辞めたいほどの不満があるわけでもありません。気になる求人を保存しては、「もう少し様子を見よう」と閉じる日々が続きました。保存した求人は100件を超えていましたが、応募したものは一つもありませんでした。寝不足の朝、通勤電車でまた求人を眺めては、ため息をつく。そんな毎日でした。

そんなある日、以前の上司で、今は別の会社で企画のチームを率いている先輩から連絡がありました。「うちで企画のメンバーを探しているんだ。まなぶ君なら合うと思う。一度話だけでも聞きに来ない?」。まなぶは心が動きましたが、「ありがとうございます。少し考えさせてください」と返しました。1か月後にもう一度声をかけてもらったときも、答えは同じでした。何を考えればいいのかも分からないまま、ただ返事を先に延ばしていたのです。

それから3か月ほどたった朝、洗面所で歯をみがいていると、スマホに先輩からのメッセージが届きました。「この前のポジション、決まったよ。またいい話があったら声かけるね」。まなぶは、歯ブラシをくわえたまま、鏡の前で固まりました。迷っていたのではなく、決めることから逃げていただけだった。やりたかった企画の仕事への入り口を、自分で閉じてしまったのです。

その後も迷いは続き、結局、仕事に疲れきったタイミングで勢いのように転職活動を始め、求人の条件を見比べて転職先を決めることになりました。1年半も迷った時間は、何の判断材料も残していませんでした。迷っていたあいだに一度でも話を聞きに行っていれば、少なくとも、自分が何を求めているのかは分かっていたはずでした。

2原因分析

転職するか迷ったときに失敗しないための5つのポイント

1

迷いの中身を書き出す

「なんとなく転職したい」「でも不安」という気持ちのままでは、何を考えればいいのかが分かりません。まずは、今の仕事の不満と、転職への不安を、それぞれ紙に書き出してみることから始めましょう。不満の中には、今の会社で解決できそうなものもあれば、会社を変えないと解決しないものもあります。不安の中には、調べれば消えるものも、やってみないと分からないものもあります。書き出すだけで、迷いは「何を確かめればいいか」という具体的なリストに変わります。

2

判断の期限を決める

期限のない迷いは、いつまでも続きます。「3か月後の月末までに、転職活動を始めるかどうかを決める」のように、判断の期限をカレンダーに書き込んでおきましょう。期限があると、それまでに何を確かめるべきかがはっきりし、毎晩の迷いも、決めるための準備の時間に変わります。期限が来て決めきれなかったら、次の期限と、それまでに確かめることを決め直せば十分です。大切なのは、迷いに区切りをつけ、次に何をするかを毎回決めることです。活動のペースの決め方は、転職活動の期間設定で失敗しない方法で紹介しています。

3

「転職する条件」を先に決めておく

良さそうな話が来るたびに一から迷っていると、判断にいつまでも時間がかかります。「こういう仕事なら転職する」「この条件がそろわないなら残る」という自分の基準を、先に決めておきましょう。たとえば、「企画の仕事に関われること」「年収が今と同じ以上」「通勤が1時間以内」のように、3つほどに絞っておくと、話が来たときにすぐ判断できます。基準は、あとから変えてもかまいません。基準をつくる材料は、キャリアの棚卸しで失敗する人の特徴5選で紹介した棚卸しから見つけられます。

4

足りない情報を取りに行く

迷いが続く大きな理由は、判断の材料が足りないことです。転職先の仕事の中身、自分が外でどう評価されるのか、今の会社で異動できる可能性。家で求人を眺めているだけでは、こうした情報は手に入りません。話を聞きに行く、転職エージェントに相談する、社内の制度を調べるなど、自分から情報を取りに行きましょう。話を聞くことは、転職を決めることとは違います。気軽に聞きに行ってかまいません。社内で動く道を調べる大切さは、社内異動を考えずに転職して後悔する理由で紹介しています。

5

小さく動いて確かめる

転職するかどうかを、頭の中だけで決めようとすると、不安ばかりが大きくなります。気になる会社の話を一度聞いてみる、1社だけ応募してみる、自分の市場価値を診断してみる。小さく動いてみると、思っていたより選択肢があることや、逆に今の会社の良さに気づくこともあります。応募しても、内定を受けるかどうかはそのあとで決められます。動くことは、決めることの前に、確かめるための手段なのです。迷いが長引いているときほど、まず一つだけ、今週できる小さな行動を決めてみましょう。

3図解

迷い続けて失敗する人と、納得して決められる人の違い

⚠ 転職するか迷って失敗する人のパターン
毎晩求人を眺めるだけで、迷いの中身を書き出さない
↓
声をかけてもらっても、「もう少し考えます」と返事を延ばす
↓
期限も基準もないまま、時間だけが過ぎていく
↓
良い機会を逃し、最後は疲れて焦って決めてしまう
◎ 迷っても納得して決められる人のパターン
不満と不安を書き出し、確かめることをリストにする
↓
判断の期限と、転職する条件を先に決める
↓
話を聞く、相談するなど、小さく動いて情報を集める
↓
残るにしても動くにしても、自分の基準で納得して決められる
4解決策

転職するか迷ったときのチェックリスト

迷いを終わらせるために必要なのは、勇気よりも手順です。転職するかどうかで迷っているなら、次の項目を一つずつ進めてみてください。

  • 今の仕事の不満と、転職への不安を紙に書き出した
  • 判断の期限を決めて、カレンダーに書き込んだ
  • 「この条件なら転職する」という基準を3つに絞った
  • 今の会社で解決できる道がないか、社内の制度を調べた
  • 転職エージェントや知り合いから、話を聞いてみた
  • 声をかけてもらったときは、まず話を聞きに行くと決めている

まなぶは今、もし次に迷ったときのために、この手順をノートに書き残しています。そして、あのとき声をかけてくれた先輩とは、今もときどき連絡を取り合っています。「次にいい話があったら、今度はすぐ話を聞きに行きます」。そう伝えたとき、先輩は笑って「待ってるよ」と言ってくれました。

迷うこと自体は悪くない。失敗は、迷ったまま何も確かめないことにある。まなぶは、1年半の遠回りから、そのことを学びました。転職して後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選でもまとめています。

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まなぶまなぶ
「もう少し考えます」を繰り返していたら、先輩が声をかけてくれたポジションが埋まっていました…。
みらいみらい
迷いの多くは、決める材料が足りないことから生まれます。迷いの中身を書き出して、期限と基準を決め、話を聞くなど小さく動いて確かめましょう。
まなぶまなぶ
次に声をかけてもらったら、まず話を聞きに行きます!

転職するか迷ったときに失敗する原因は、迷いの中身を整理せず、期限も基準もないまま、何も確かめずに時間を過ごしてしまうことです。不満と不安を書き出し、判断の期限と転職する条件を決め、情報を取りに行き、小さく動いて確かめる。それだけで、迷いは納得して決めるための時間に変わります。転職の判断と準備で後悔しないための全体の考え方は、転職して後悔した人の特徴7選でまとめています。

勢いで退職して後悔しないためのポイントは、会社を辞めて後悔した人の話もあわせて読んでみてください。

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