結論

在職中の転職活動が会社に知られて失敗する人の多くは、会社のパソコンや社内のネットワーク、勤務時間を、転職活動にそのまま使ってしまっている人です。在職中の転職活動は、収入を保ちながら落ち着いて次を探せる一方で、進め方を間違えると、内定が出る前に周りに知られてしまいます。知られてしまうと、仕事を任されにくくなったり、職場に居づらくなったりして、転職がうまくいかなかったときの逃げ道まで失うことがあります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、在職中の転職活動が知られて失敗した原因と、内定まで静かに進めるためのポイントを解説します。

1失敗ストーリー

転職サイトの画面を、上司に見られていた

駅前の回転寿司のカウンターで、在職中の転職活動が会社に知られてしまった高校時代からの友人Aさんの話を、手を止めて聞くまなぶのイラスト

ある金曜日の夜、まなぶは高校時代からの友人のAさん(30代男性)と、駅前の回転寿司のカウンターに並んで座っていました。Aさんは、メーカーの営業として働きながら、半年前から転職活動を続けているそうです。「実は、会社に知られちゃってさ。今けっこう居づらいんだ」。Aさんは、流れてくる皿をぼんやり眺めながら話し始めました。

Aさんは、忙しい毎日の中で、少しでも時間を作ろうと工夫しているつもりでした。昼休みには、会社のパソコンで転職サイトの求人を見て、気になるものはそのままブックマーク。エージェントからの電話には、会議室の外の廊下で出ていました。平日の面接が重なった月には、理由をはっきり言わないまま、何度も急に有給休暇を取りました。

ある日の昼休み、席に戻ってきた上司が、Aさんの画面を一瞬見て立ち止まりました。画面には、転職サイトの求人がそのまま映っていたのです。上司は何も言いませんでしたが、その翌月、Aさんは楽しみにしていた新しいプロジェクトのメンバーから外されました。さらに後になって、転職サイトに登録したプロフィールから、今の会社の取引先の人事担当者にも、転職を考えていることが伝わっていたと分かりました。

「しかも、まだ内定は一つも出てないんだよ」。Aさんは苦笑いしました。転職活動はうまく進まず、今の会社では大事な仕事を任されなくなった。どちらにも居場所がないような気持ちで、毎日出社しているそうです。時間を作るための工夫が、いちばん知られてはいけない相手に、活動を知らせる結果になっていた。まなぶは、皿に手を伸ばすのも忘れて、Aさんの話に聞き入っていました。

2原因分析

在職中の転職活動が知られて失敗しやすいポイント

1

会社のパソコンやネットワークを使った

会社のパソコンや社内のネットワークは、会社が管理しているものです。閲覧の記録が残ることもあり、画面を周りの人に見られる可能性もあります。転職活動は、私物のスマホやパソコンで、勤務時間の外に行うのが基本です。応募の連絡に使うメールアドレスも、会社のものではなく個人のものにしておきましょう。休憩時間であっても、会社の席で求人を見るのは避けたほうが安心です。会社のパソコンに求人サイトの履歴やブックマークを残したままにしないことも大切です。

2

転職サイトの公開設定を確かめなかった

転職サイトやスカウトサービスでは、登録したプロフィールを企業が見られる仕組みになっていることがあります。今の会社や取引先、グループ会社に見られないようにする設定が用意されていることも多いので、登録したらすぐに確かめておきましょう。取引先や関連会社の名前も、忘れずに設定に加えておくことが大切です。プロフィールに書く内容も、会社や担当している仕事が特定されすぎない書き方にしておくと安心です。仕事用のSNSのプロフィールを急に書き換えるのも、周りに気づかれるきっかけになります。

3

面接の日程で、職場に負担をかけた

平日の面接のたびに急な休みを取ると、周りの人に違和感を持たれやすくなります。仕事の引き継ぎがないまま休めば、職場に迷惑をかけることにもなります。面接はできるだけ業務の少ない日や時間帯に入れてもらい、休みは前もって予定として取るようにしましょう。オンラインの面接や、夕方以降の面接に対応してくれる企業もあるので、日程の相談をためらわないことが大切です。転職エージェントを使えば、日程の調整を任せることもできます。

4

職場の人に話してしまった

仲の良い同僚にだけ打ち明けたつもりが、いつの間にか職場に広まっている、ということはよくあります。悪気がなくても、ちょっとした会話から話が伝わってしまうこともあります。転職活動のことは、内定を受けて退職を伝えるまで、職場の人には話さないのが基本です。相談したいときは、職場の外の家族や友人、転職の専門家を頼りましょう。退職を伝える順番は、まず直属の上司からが基本です。上司より先に同僚から話が伝わると、関係がこじれる原因にもなります。

5

知られたときのことを考えていなかった

どれだけ気をつけていても、活動が知られてしまう可能性はゼロではありません。そのときに慌てないよう、今の仕事では手を抜かず、これまでどおり成果を出し続けておくことが、自分を守るいちばんの備えになります。転職がうまくいかなかった場合に、今の会社で働き続ける道を残しておくことにもつながります。転職するかどうかを決めきれないまま、活動だけが知られてしまうのが一番つらい状況です。

3図解

活動が知られて失敗する人と、内定まで静かに進められる人の違い

⚠ 在職中の転職活動が知られて失敗する人のパターン
会社のパソコンや社内の時間で、求人を見たり連絡を取ったりする
↓
転職サイトの公開設定を確かめず、面接のたびに急な休みを取る
↓
仲の良い同僚に、活動のことを打ち明ける
↓
内定が出る前に知られ、今の職場でも居場所を失う
◎ 内定まで静かに進められる人のパターン
私物の端末と個人のメールで、勤務時間の外に活動する
↓
公開設定を確かめ、面接は職場に負担の少ない日程で組む
↓
内定まで職場では話さず、今の仕事でも成果を出し続ける
↓
落ち着いて次を選べ、円満に退職の話を切り出せる
4解決策

在職中の転職活動のチェックリスト

在職中の転職活動は、最初に進め方を決めておくだけで、知られる危険を大きく減らせます。活動を始める前に、次の項目を確認してみてください。

  • 転職活動には、私物のスマホ・パソコンと個人のメールアドレスを使う
  • 会社の席や社内のネットワークで、求人を見たり応募したりしない
  • 転職サイトで、今の会社や取引先に見られない設定を確かめた
  • 面接は業務の少ない日や時間帯で組み、休みは前もって取る
  • 内定を受けて退職を伝えるまで、職場の人には話さない
  • 今の仕事では手を抜かず、これまでどおり成果を出し続ける

Aさんは今、活動のやり方をすべて見直しています。求人のチェックは帰りの電車の中で私物のスマホから、エージェントとの連絡は夜にまとめて。転職サイトでは、今の会社と取引先を見られない設定に変えました。外されたプロジェクトの代わりに任された仕事にも、きちんと取り組んでいるそうです。

「次は、内定をもらうまで誰にも言わない。今の仕事も最後までちゃんとやるよ」。まなぶは、在職中の転職活動は、こっそり進めることよりも、今の職場への誠実さを保ちながら進めることが大切なのだと感じました。退職を伝えるときの注意点は退職交渉で後悔する理由で、活動のペースの決め方は転職活動の期間設定で失敗しない方法で紹介しています。

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在職中の転職活動を無理なく進めるために

在職中の転職活動は、日程の調整や企業とのやり取りを任せられる先があると、時間と気持ちの負担がぐっと軽くなります。

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まなぶまなぶ
Aさん、会社のパソコンで求人を見ていたのを上司に見られて、大事なプロジェクトから外されたそうです…。
みらいみらい
在職中の転職活動は、私物の端末で、勤務時間の外に進めるのが基本です。公開設定を確かめて、内定まで職場では話さないようにしましょう。
まなぶまなぶ
今の仕事にもきちんと取り組みながら、静かに進めることが大切なんですね。

在職中の転職活動が会社に知られて失敗する原因は、時間を作ろうとして、会社のパソコンや勤務時間、職場の人間関係をそのまま活動に使ってしまうことです。私物の端末を使い、公開設定を確かめ、面接は職場に配慮した日程で組み、内定まで話さず、今の仕事でも成果を出し続ける。それだけで、在職中の転職活動は落ち着いて進められます。転職の判断と準備で後悔しないための全体の考え方は、転職して後悔した人の特徴7選でまとめています。

勢いで退職して後悔しないためのポイントは、会社を辞めて後悔した人の話もあわせて読んでみてください。

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