社内異動を考えずに転職して後悔する理由
社内異動を考えずに転職して後悔する人の多くは、「やりたい仕事は、会社を変えないとできない」と思い込み、今の会社の中で動く方法を一度も調べないまま辞めてしまう人です。不満の原因が会社そのものではなく、今の部署や仕事の内容にあるなら、社内の公募や異動の希望で解決できることもあります。社内で動く道と、会社を変える道を比べたうえで選ぶことが、後悔しない判断につながります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、社内異動を考えずに転職して後悔する理由と、判断の前に確かめたいことを解説します。
辞めた半年後、同僚が企画部にいた
2年前の転職を考え始めたころ、まなぶの一番の不満は、仕事の内容でした。営業部で資料を作り、データをまとめる毎日。「本当は、自分で企画を考える仕事がしたい」。そう思っていましたが、今の会社で企画の部署に移れるとは考えもしませんでした。上司との面談でも、希望を伝えたことは一度もありませんでした。
社内のポータルサイトには、ときどき「社内公募」のお知らせが載っていました。けれど、まなぶは「どうせ経験者しか通らない」と、中身を開いたことすらありませんでした。転職活動を進めて内定をもらい、9月末に退職。最終日、花束を抱えて廊下を歩きながら、壁の掲示板に目を向けることもなく、まなぶは会社をあとにしました。
新しい会社に入ってみると、期待していた企画の仕事は、ほとんど回ってきませんでした。そして辞めてから半年ほどたったある日の夕方、駅の改札前で、前の会社で同じ部署だった後輩とばったり会いました。「まなぶさん、お久しぶりです! 実は僕、社内公募で企画部に移ったんですよ」。後輩は、まなぶと同じような資料作りの経験をアピールして、企画部への異動を決めていたのです。
「まなぶさんなら、絶対通ってましたよ。出せばよかったのに」。悪気のない後輩の言葉に、まなぶは笑顔を作るのが精一杯でした。やりたい仕事は、会社を変えなくても手が届くところにあったのかもしれない。まなぶは、自分が比べるべき選択肢を、最初から一つ見落としていたことに気づきました。
社内異動を考えずに転職して後悔する5つの理由
社内の制度を調べなかった
会社によっては、社内公募、異動の希望を出す仕組み、自分から手を挙げられる制度などがあります。こうした制度は、知っていても「自分には関係ない」と思って中身を見ないままになりがちです。転職を考え始めたら、まず今の会社にどんな制度があるのかを調べることが、判断の材料を増やす第一歩です。人事のページや社内の規程を確かめたり、制度を使ったことのある人に話を聞いたりしてみましょう。どんな経験の人が、どんな準備をして異動したのかを知るだけでも、自分にも手が届くかどうかの見当がつきます。
希望を伝えないまま「無理だ」と決めつけた
上司は、部下がどんな仕事をしたいのかを、聞かれなければ知らないことも多いものです。希望を一度も伝えないまま、「この会社では無理」と決めつけてしまうと、本当に無理なのかどうかを確かめる機会もなくなります。評価の面談やキャリアの面談の場で、やりたい仕事と、そのために今できることを伝えてみるだけで、状況が動くこともあります。すぐに異動できなくても、今の部署で希望に近い仕事を少しずつ任せてもらえることもあります。伝えた結果、やはり難しいと分かったなら、それも転職を決めるための確かな材料になります。
不満の原因が「会社」なのか「仕事」なのかを分けなかった
転職したい理由が、会社の方針や働き方、待遇にあるなら、会社を変えることが解決になるかもしれません。一方で、今の部署の仕事の内容や、人間関係が原因なら、社内で環境を変えることで解決できる場合もあります。不満を書き出し、「会社を変えないと解決しないもの」と「社内で解決できるかもしれないもの」に分けてみると、選ぶべき道が見えてきます。どちらにも当てはまる不満があれば、その不満がいちばん強い理由かどうかも考えてみましょう。勢いで辞めて後悔した話は、会社を辞めて後悔した人の話で紹介しています。
残る道と出る道を同じ物差しで比べなかった
転職先の求人は、年収や仕事の内容など、良い面がよく見えます。一方で、今の会社に残る道は、不満ばかりが目につきます。片方は理想の姿、片方は今の不満で比べていると、判断はどうしても転職に傾きます。やりたい仕事に近づけるか、年収はどうか、身につく経験はどうか。同じ物差しで、2つの道を並べて比べることが大切です。紙を縦に半分に折り、左に「残る道」、右に「出る道」を書いて、項目ごとに良い点と気になる点を書き込んでみると、思い込みに気づきやすくなります。
社内で動けば失わずに済むものを考えなかった
同じ会社の中で異動すれば、これまでに積み上げた信頼や社内の人脈、会社の仕組みについての知識を生かしたまま、新しい仕事に挑戦できます。転職すると、これらを一から作り直すことになります。社内での異動は、「新しい仕事」と「積み上げたもの」の両方を手にできる選択肢でもあるのです。もちろん、転職のほうが良い場合もありますが、失うものを知ったうえで選ぶことが後悔を防ぎます。社内で新しい仕事を経験してから、改めて転職を考えるという順番もあります。
社内異動を見落とす人と、選択肢を比べて決められる人の違い
転職を決める前に確かめたいチェックリスト
社内で動く道を確かめることは、転職をやめるためではなく、納得して選ぶための準備です。転職活動を始める前に、次の項目を確認してみてください。
- 今の不満を書き出し、「会社の問題」と「部署・仕事の問題」に分けた
- 社内公募や異動の希望など、今の会社の制度を調べた
- 制度を使って異動した人に、話を聞いてみた
- 上司との面談で、やりたい仕事を伝えてみた
- 残る道と出る道を、仕事の内容・年収・身につく経験で比べた
- 社内で動いた場合に失わずに済むものを書き出した
まなぶは今の会社で、同じ失敗をしないように、まず社内の制度を確かめました。人事のページを読み、異動の希望を出す仕組みがあることも知りました。年に一度、上司とのキャリア面談の場で、希望の仕事を伝えられることも分かりました。昨年の面談では、「資料作りだけでなく、企画の段階から関わりたい」と伝え、少しずつ企画会議にも呼ばれるようになっています。
転職は、選択肢の一つであって、唯一の答えではない。あの日、駅の改札前で後輩に会わなければ、まなぶはそのことに気づかないままだったかもしれません。転職の理由を深掘りするポイントは転職理由の伝え方で失敗しない方法で、自分の強みの見つけ方はキャリアの棚卸しで失敗する人の特徴5選で紹介しています。
残るか、動くかを冷静に比べるために
今の会社に残る道と、転職する道を比べるには、自分の価値観と、外から見た自分の可能性の両方を知っておくことが役に立ちます。
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第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。今の会社の外で自分がどう評価されるのかを知っておくと、残る道と出る道を落ち着いて比べられます。自分では気づきにくい強みを言語化してもらえることも、こうしたサービスの価値の一つです。
まなぶ
みらい
まなぶ社内異動を考えずに転職して後悔する原因は、やりたい仕事は会社を変えないとできないと思い込み、今の会社の中で動く道を確かめないまま辞めてしまうことです。不満を分けて考え、社内の制度を調べ、希望を伝え、残る道と出る道を同じ物差しで比べる。それだけで、どちらを選んでも納得できる判断ができます。転職の判断と準備で後悔しないための全体の考え方は、転職して後悔した人の特徴7選でまとめています。
転職の条件の考え方で失敗しないためのポイントは、年収だけで転職すると後悔する理由もあわせて読んでみてください。

