引っ越しの費用で失敗する人の特徴5選
引っ越しの費用で失敗する人の多くは、「家賃」と「引っ越し業者の料金」だけを見て予算を立て、そのほかに重なる出費を数えていない人です。引っ越しには、新しい部屋の初期費用、今の部屋の家賃との重なり、家具や家電の買い足し、退去のときの精算など、いくつもの出費が短い期間に集中します。一つひとつは見えていても、合計を出していないと、気づいたときには貯金が大きく減っています。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、引っ越しの費用で失敗する人の特徴5つと、予算の立て方を解説します。
「家賃と業者代くらい」のつもりが、貯金が半分に
2年前の転職のとき、まなぶは新しい会社に通いやすいように、11月に引っ越すことにしました。前の会社は9月末で辞めていて、入社は12月1日。「家賃は今と同じくらいだし、業者代を払っても10万円ちょっとで済むだろう」。まなぶは、そのくらいの感覚で物件探しを始めました。
気に入った部屋が見つかり、契約の前に不動産会社から見積もりを渡されて、まなぶは目を疑いました。敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証会社の費用、鍵の交換代、火災保険。初期費用だけで、家賃のおよそ5か月分が書かれていたのです。それでも「早く決めないと」と、その場で契約しました。
出費は、それだけでは終わりませんでした。今の部屋の解約は「1か月前までに連絡」という決まりで、連絡が遅れたために、11月はまるごと2つの部屋の家賃を払うことになりました。引っ越し業者は、日にちが迫ってから1社だけに頼んだため、思っていたよりも高い料金になりました。新しい部屋はカーテンのサイズも照明も合わず、冷蔵庫も置き場所に入らず、結局いくつも買い直しました。
12月のはじめ、段ボールが積まれたままの新しい部屋で、まなぶは通帳とレシートを並べて合計を出してみました。転職のあいだの2か月で旅行にも出かけていたこともあり、引っ越しの前に比べて、貯金は半分ほどになっていました。しかも、給料が入るのは翌月です。一つひとつは「仕方ない出費」だったのに、合計を一度も出していなかった。まなぶは、電卓を手にしたまま床に座り込みました。
引っ越しの費用で失敗する人の特徴5選
初期費用を家賃1〜2か月分だと思っている
賃貸の部屋を借りるときは、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃のほか、保証会社の費用、鍵の交換代、火災保険料などがかかります。物件や地域によって違いますが、合計すると家賃の何か月分にもなることが珍しくありません。部屋を探し始める前に、気になる物件の初期費用の内訳を確かめ、家賃とは別に予算を考えておきましょう。礼金や仲介手数料などは、物件によって条件が違うため、比べる価値があります。見積もりを受け取ったら、項目ごとに「必ずかかるもの」と「選べるもの」を確かめ、分からない項目はその場で質問しましょう。急かされても、内訳を確かめずに契約しないことが大切です。
今の部屋の解約のルールを確かめていない
今の部屋の解約は、多くの契約で「1か月前までに連絡」などの決まりがあります。連絡が遅れると、住んでいない部屋の家賃まで払うことになり、新しい部屋の家賃と重なってしまいます。日割りになるのか、月単位なのかも契約によって違います。新しい部屋を決める前に、今の部屋の契約書で解約の連絡期限と精算のしかたを確かめておきましょう。
引っ越し業者を直前に1社だけで決めている
引っ越しの料金は、時期や曜日、時間帯、荷物の量によって大きく変わります。日にちが迫ってから1社だけに頼むと、比べる材料がないまま決めることになります。早めに複数の業者から見積もりを取り、日程に余裕があれば料金の安い日を選ぶだけでも、費用は変わります。3〜4月の繁忙期は特に高くなりやすいため、時期を選べるなら避けることも考えましょう。荷物を減らしてから見積もりを取ると、料金が下がることもあります。引っ越しの前に、使っていない物をフリマアプリやリサイクルに回しておくのも一つの方法です。
家具や家電の買い直しを予算に入れていない
部屋が変わると、カーテンのサイズ、照明の取り付け、冷蔵庫や洗濯機の置き場所の幅など、今の物がそのまま使えないことがあります。内見のときにメジャーで窓や置き場所を測っておくと、買い直しを最小限にできます。搬入の経路になる玄関や廊下の幅も、あわせて確かめておくと安心です。新しい部屋に合わせて買い足すものは、引っ越しの予算の中に最初から入れておきましょう。住み替えのたびにすべてを新しくそろえるのではなく、今の物を使えるかどうかを先に確かめるだけで、出費はかなり抑えられます。
出費の合計と、収入のタイミングを考えていない
引っ越しの出費は、契約から入居までの短い期間に集中します。転職や就職と重なると、給料が入るまでのあいだに大きなお金が出ていくことになります。出費の合計と、次の収入がいつ入るのかを並べて確かめることが大切です。急な出費に備えるお金の考え方は、生活防衛資金を用意せずに後悔する理由で紹介しています。
引っ越しの費用で失敗する人と、予算内で済ませられる人の違い
引っ越しの前に確認したいチェックリスト
引っ越しの費用は、出費をすべて書き出して合計するだけで、見通しが大きく変わります。部屋を探し始める前に、次の項目を確認してみてください。
- 気になる物件の初期費用の内訳と合計を確かめた
- 今の部屋の解約の連絡期限と、家賃の精算のしかたを確認した
- 引っ越し業者は、複数の見積もりを取って比べた
- 内見のときに、窓や家電の置き場所の寸法を測った
- 家具・家電の買い足しと、退去の精算も予算に入れた
- 出費の合計と、次の収入が入る時期を並べて確かめた
まなぶはその後、もし次に引っ越すときのために、スマホのメモに「引っ越し予算表」を作りました。初期費用、二重家賃、業者代、家具・家電、退去の精算の5つの欄を並べ、それぞれの見込みと合計を書き込める形です。部屋を探す前にこの表を埋めれば、いくら貯めておけばいいのかが分かります。
前の部屋の退去のときにも、思わぬ精算があったのですが、それはまた別の失敗でした。引っ越しは、「家賃がいくらの部屋に住むか」ではなく、「住み替えに全部でいくらかかるか」で考えるもの。段ボールに囲まれた部屋で電卓をたたいた夜が、まなぶにそのことを教えてくれました。退去の精算で失敗した話は、賃貸の退去費用で失敗した話で紹介しています。賃貸の火災保険で気をつけたいことは、賃貸の火災保険で失敗する人の特徴5選も参考になります。
住み替えのお金を見える形にするために
引っ越しの費用は、日々のお金の流れと、これからの予定を合わせて考えることで、無理のない計画が立てられます。
サブスク管理・家計簿アプリ【マネーフォワードME (ミー)】
支出をカテゴリごとに記録し、一覧で確認できるタイプです。引っ越しの前後に重なる出費をまとめて記録しておけば、合計がいくらになったのかがすぐに分かります。見落としがちな支出を可視化する助けにもなります。
ライフプランニング相談・FP相談サービス【マネードクター】
将来のライフイベントを踏まえた資金計画を相談できるタイプです。引っ越しや転職など、大きな出費と収入の変化が重なる時期のお金の見通しを、第三者の視点で整理できます。具体的なイベントを踏まえたアドバイスをもらえることもあります。
まなぶ
みらい
まなぶ引っ越しの費用で失敗しないために大切なのは、家賃と業者代だけでなく、初期費用・二重家賃・買い直し・退去の精算まで含めた合計で考えることです。解約の期限を確かめ、業者を比べ、寸法を測り、収入のタイミングと合わせて日程を決める。それだけで、住み替えは予算の中で落ち着いて進められます。住まいやライフイベントのお金で失敗しないための考え方は、住まいとライフイベントのお金の失敗から学ぶでまとめています。
お金の増やし方で失敗しないためのポイントは、NISAで失敗する人の特徴もあわせて読んでみてください。

