結論

結婚のお金で後悔する人の多くは、結婚式の費用だけに目を向けて、指輪、新婚旅行、新居、家具や家電、そして結婚したあとの暮らしのお金を、全体で考えていない人です。さらに、「ご祝儀で半分くらいは戻ってくる」「2人なら何とかなる」と思い込み、パートナーとお金の話をしないまま準備を進めてしまうこともあります。結婚は、短い期間に大きな出費が重なり、そのあとの家計の形も決まる、人生の大きな節目です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、結婚のお金で後悔する理由と、準備の前に話し合っておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

「ご祝儀で戻ってくるから」のはずだった

会社の社員食堂で、結婚のお金で苦労した同じ部署のAさんの話を、スプーンを止めて真剣に聞くまなぶのイラスト

ある平日の昼休み、まなぶは社員食堂で、同じ部署のAさん(30代女性)と向かい合っていました。Aさんは去年結婚したばかりです。「結婚して、いちばん驚いたのはお金のことだったよ」。Aさんは、カレーのスプーンを置いて話し始めました。

結婚が決まったとき、Aさんと夫は、式場の見学で出してもらった見積もりを見て「これなら大丈夫」と申し込みました。しかし、打ち合わせが進むたびに、ドレス、料理、写真、花と、少しずつ良いものに変えていき、最終的な金額は、最初の見積もりよりもかなり高くなっていました。「ご祝儀で半分くらいは戻ってくるから」と、2人とも気にしていませんでした。

ところが、式場への支払いは式の前に済ませる必要があり、2人の貯金から大きく出すことになりました。招待した人数も、当初の予定より少なくなり、ご祝儀は思ったほど集まりませんでした。さらに、新婚旅行、新居の初期費用、家具や家電の買いそろえが続き、気づけば2人の貯金はほとんど残っていませんでした。

「それにね」とAさんは続けました。「結婚するまで、お互いにいくら貯金があるのか、ちゃんと話したことがなかったの。式のあとで、夫の貯金が思っていたよりずっと少なかったと分かって、ちょっとけんかになっちゃった」。今は、生活費をどちらがどれだけ出すのかで、まだ話し合いが続いているそうです。お祝いの準備には夢中になったのに、2人のお金の話は後回しにしていた。まなぶは、カレーを食べる手を止めて、Aさんの話に聞き入っていました。

2原因分析

結婚のお金で後悔する5つの理由

1

結婚式の費用だけで考えていた

結婚にかかるお金は、結婚式だけではありません。婚約や結婚の指輪、両家の顔合わせ、新婚旅行、新居の初期費用、家具や家電、引っ越しなど、いくつもの出費が1年ほどのあいだに集中します。式の費用だけで予算を考えると、ほかの出費で貯金が足りなくなります。まずは、結婚に関わる出費をすべて書き出して、全体の予算を決めることから始めましょう。引っ越しの費用で気をつけたいことは、引っ越しの費用で失敗する人の特徴5選で紹介しています。

2

見積もりから金額が上がることを知らなかった

結婚式の最初の見積もりは、基本的な内容で出されていることが多く、打ち合わせで衣装や料理、演出などを選ぶうちに金額が上がっていくのが一般的です。一つひとつの追加は小さく見えても、積み重なると大きな差になります。申し込む前に、「最終的にいくらまで」という上限を2人で決めておき、追加するたびに合計を確かめることが大切です。「せっかくの一日だから」という気持ちは自然なものですが、その一日のために、結婚したあとの暮らしが苦しくなっては本末転倒です。2人にとって本当にお金をかけたいところを一つか二つ決め、ほかは控えめにするなど、めりはりをつけると満足度も保ちやすくなります。

3

ご祝儀でまかなえると思い込んでいた

ご祝儀は、招待する人数や関係によって集まる額が変わり、事前には正確に分かりません。また、式場への支払いは式の前に求められることが多く、ご祝儀が入る前に、自分たちの貯金から大きなお金を出す必要があります。ご祝儀は「戻ってくるかもしれないお金」と考え、なくても支払える計画にしておくと安心です。式の規模を決める前に、招待する人のおおよその人数を2人で書き出しておくと、費用とご祝儀の見込みを現実的に考えやすくなります。

4

2人の貯金と収入を話し合っていなかった

お金の話は切り出しにくいものですが、結婚の準備を始める前に、お互いの貯金、収入、毎月の支出、ローンや奨学金の有無などを共有しておくことが大切です。お互いのお金の状況を知らないまま大きな出費を決めると、あとで不満やすれ違いの原因になります。数字だけでなく、お金の使い方の考え方も話しておくと、そのあとの家計づくりにも役立ちます。言いにくければ、まずは「結婚に使えるお金はいくらか」という一点から話し始めるだけでも十分です。

5

結婚したあとの家計を決めていなかった

結婚式が終わると、2人の暮らしが始まります。生活費をどちらがどれだけ出すのか、共通の口座を作るのか、貯金はどう分けるのか。結婚したあとの家計の形を決めておかないと、毎月のお金のやり取りでもめやすくなります。さらに、子どもや住まいなど、次のライフイベントにもお金が必要です。結婚の準備と一緒に、これからの数年のお金の流れを考えておきましょう。先のことまで細かく決める必要はなく、「いつごろ、何に、どのくらい」の見当をつけておくだけで十分です。

3図解

結婚のお金で後悔する人と、納得して準備できる人の違い

⚠ 結婚のお金で後悔する人のパターン
結婚式の見積もりだけを見て、勢いで申し込む
↓
打ち合わせのたびに追加し、「ご祝儀で戻る」と考える
↓
お互いの貯金や家計の分け方を話さないまま準備を進める
↓
貯金が底をつき、結婚後のお金の話でもめてしまう
◎ 結婚のお金を納得して準備できる人のパターン
結婚に関わる出費をすべて書き出し、全体の予算を決める
↓
式の費用には上限を決め、ご祝儀がなくても払える計画にする
↓
お互いのお金を共有し、結婚後の家計の形も話し合う
↓
お祝いも新生活も、2人で納得して始められる
4解決策

結婚の準備を始める前のチェックリスト

結婚のお金は、準備を始める前の話し合いで、後悔の多くを防げます。2人で次の項目を確認してみてください。

  • 指輪・式・新婚旅行・新居・家具家電まで、出費をすべて書き出した
  • 結婚に使える全体の予算と、式の費用の上限を2人で決めた
  • 式場への支払いの時期と、ご祝儀がなくても払えるかを確かめた
  • お互いの貯金・収入・ローンや奨学金の有無を共有した
  • 結婚後の生活費の分け方と、貯金のしかたを話し合った
  • 子どもや住まいなど、次のライフイベントのお金も見込んだ

Aさんは今、夫と2人で毎月1回、家計を見直す時間を作っているそうです。共通の口座を作り、生活費はそれぞれの収入に合わせた割合で入れる形に決めました。「最初からこうしておけば、けんかしなくて済んだのにね」。Aさんは少し笑いながらそう言いました。

まなぶはまだ結婚の予定はありませんが、大きなお祝いの前ほど、いちばん地味な「お金の話」を先にしておくことが大切なのだと感じました。お金の土台づくりの考え方は、お金の土台づくりの失敗から学ぶでも紹介しています。急な出費に備えるお金の考え方は、生活防衛資金を用意せずに後悔する理由も参考になります。

※結婚式の費用や支払いの時期、キャンセルの条件は、式場やプランによって異なります。申し込む前に、見積もりの内容と契約の条件を必ず書面で確認してください。
5おすすめサービス

2人のお金の見通しを立てるために

結婚のお金は、2人の家計と、これからのライフイベントを合わせて考えることで、無理のない形が見えてきます。

A
支出を可視化したい人向け

サブスク管理・家計簿アプリ【マネーフォワードME (ミー)】

支出をカテゴリごとに記録し、一覧で確認できるタイプです。結婚の準備にかかった出費をまとめて記録すれば、予算との差がすぐに分かります。結婚後の生活費や共通の支出を見える形にする助けにもなります。

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B
ライフプラン全体を相談したい人向け

ライフプランニング相談・FP相談サービス【マネードクター】

将来のライフイベントを踏まえた資金計画を相談できるタイプです。結婚、出産、住宅購入など、これからのイベントと2人の家計を合わせて、第三者の視点で整理できます。2人で一緒に相談することで、お金の考え方をすり合わせるきっかけにもなります。

相談してみる

まなぶまなぶ
Aさん、ご祝儀で戻ると思っていたのに、式と新生活で2人の貯金がほとんどなくなったそうです…。
みらいみらい
結婚のお金は、式だけでなく新生活まで含めて考えることが大切です。準備を始める前に、2人のお金と結婚後の家計を話し合っておきましょう。
まなぶまなぶ
お祝いの準備の前に、まずお金の話をするんですね。

結婚のお金で後悔する原因は、結婚式の費用だけに目を向け、ご祝儀に期待して、2人のお金の話を後回しにしてしまうことです。出費の全体を書き出し、上限を決め、お互いのお金を共有し、結婚後の家計の形まで話し合う。それだけで、結婚は2人が納得して始められる節目になります。住まいやライフイベントのお金で失敗しないための考え方は、住まいとライフイベントのお金の失敗から学ぶでまとめています。

お金の増やし方で失敗しないためのポイントは、NISAで失敗する人の特徴もあわせて読んでみてください。

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