転職の自己PRで後悔する理由
転職の自己PRで後悔する人の多くは、「コミュニケーション能力」「責任感」など、誰にでも当てはまる言葉で強みを語り、その強みが応募先の仕事でどう役立つのかを示していない人です。面接官は、たくさんの応募者から同じような言葉を聞いています。具体的な経験と、応募先での活かし方がそろっていない自己PRは、どれだけ熱心に話しても印象に残りません。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、転職の自己PRで後悔する理由と、伝わる自己PRに作り直すための方法を解説します。
「私の強みはコミュニケーション能力です」
以前の転職活動で、まなぶは自己PRを「私の強みはコミュニケーション能力です」という一文から始めていました。新卒のときの就職活動でも使っていた言葉です。初対面の人ともすぐに打ち解けられること、社内の飲み会の幹事をよく任されること、取引先とも雑談で盛り上がれること。思いつく限りの例を並べて、毎回3分近く話していました。
ある会社の面接で、いつものように自己PRを話し終えると、面接官は少し間を置いて言いました。「ありがとうございます。そのコミュニケーション能力は、今回の企画職のお仕事では、どのように活かせるとお考えですか?」。まなぶは言葉に詰まりました。企画職で何が求められているのか、自分の強みとどうつながるのか、考えたことがなかったのです。
「えっと…社内の人と仲良くできるので、チームの雰囲気がよくなると思います」。面接官は「なるほど」とうなずきましたが、それ以上は聞いてきませんでした。熱心に話したはずの3分間が、何も残さずに通り過ぎていったように感じました。
面接の帰り、まなぶは近くの公園のベンチに座り、自己PRの原稿を見返しました。並んでいたのは「明るい」「話しやすい」「誰とでも」という言葉ばかり。数字も、成果も、応募先の仕事とのつながりも、どこにもありませんでした。新卒のころから少しずつ書き足してきた原稿は、社会人としての何年もの経験が、ほとんど反映されていなかったのです。自分の強みを語っていたつもりで、誰にでも言える言葉しか話していなかった。まなぶは、原稿を握りしめたまま、しばらく動けませんでした。
結果は不合格。まなぶは、自己PRを一から作り直すことにしました。まずは、応募先の求人票をもう一度読み直すところから始めました。求める人物像に書かれた言葉の一つひとつに、自分の経験を重ねていくと、話すべき場面が自然と絞られていきました。
転職の自己PRで後悔する理由
誰にでも当てはまる言葉で強みを語っている
「コミュニケーション能力」「責任感」「向上心」といった言葉は、強みを表す言葉としてとてもよく使われます。だからこそ、それだけでは面接官の記憶に残りません。強みを表す言葉よりも、その強みが表れた具体的な場面のほうが、ずっと多くのことを伝えてくれます。「私はコミュニケーション能力があります」より、「意見が対立していた2つの部署の間に入り、週1回の定例会を提案して、納期の遅れを解消しました」のほうが、強みの中身が伝わります。
経験の裏付けとなる数字や成果がない
自己PRに説得力を持たせるのは、具体的な数字や成果です。どのくらいの期間、何人と、どんな結果を出したのか。数字がひとつ入るだけで、話は一気に具体的になります。大きな成果である必要はありません。「問い合わせの返信時間を平均2日から1日に縮めた」のような、小さな改善でも十分です。数字が出しにくい仕事なら、「上司から任される範囲が広がった」「後輩の指導を任された」といった変化も、成果を伝える材料になります。
応募先の仕事とのつながりを考えていない
転職の自己PRで面接官が知りたいのは、「この人の強みは、うちの仕事でどう役立つのか」です。どんなに立派な強みでも、応募先の仕事と関係がなければ評価につながりません。求人票の仕事内容や求める人物像を読み、自分の経験のどれがいちばん役立つかを選んで話すことが大切です。応募先ごとに自己PRの中心を変えるのは、使い回しではなく、相手に合わせた伝え方です。同じ経験でも、営業職なら「相手を動かした場面」を、企画職なら「意見をまとめて形にした場面」を前に出すなど、見せ方を変えることができます。
強みを並べすぎて、長く話しすぎている
伝えたいことが多いほど、あれもこれもと並べたくなります。しかし、強みを3つも4つも並べると、一つひとつの印象は薄くなります。自己PRは、強みを1つに絞り、1分程度で話せる長さにまとめるのが基本です。詳しく聞きたいことがあれば、面接官のほうから質問してくれます。話を短くすることは、相手に質問の余地を残すことでもあり、会話のきっかけを自分から作ることにもなります。質問を重ねられたときの答え方は、面接の深掘り質問で失敗しない方法で紹介しています。
新卒のときの自己PRをそのまま使っている
新卒の就職活動のときは、学生時代の経験や人柄が中心の自己PRでも通用しました。しかし転職では、社会人としての経験から、何ができる人なのかが問われます。新卒のときと同じ言葉を使っていると、社会人としての成長が伝わりません。人柄の良さは、自己PRの言葉よりも、面接での受け答えから自然と伝わるものです。まなぶのように、何年も同じ自己PRを使っていないか、一度見直してみましょう。転職理由の伝え方とあわせて整えると、面接全体に一貫性が出ます。その考え方は、転職理由の伝え方で失敗しない方法で紹介しています。
自己PRで後悔する人と、印象に残る人の違い
伝わる自己PRに作り直すためのチェックリスト
自己PRは、「強み・具体的な場面・成果・応募先での活かし方」の4つの要素でできています。次の項目を順に確かめながら、作り直してみましょう。
- 応募先の求人票を読み、求められている仕事と人物像を書き出した
- 自分の経験の中から、応募先でいちばん役立つ強みを1つに絞った
- その強みが表れた具体的な場面を、状況と行動がわかるように書いた
- 期間・人数・成果など、数字を少なくとも1つ入れた
- 「入社後はこう活かしたい」という一言で締めた
- 声に出して読み、1分程度に収まることを確かめた
まなぶは、自己PRを次のように作り直しました。「私の強みは、立場の違う人の意見をまとめて、仕事を前に進める力です。前職では、営業部と制作部の間で資料の修正が繰り返され、納期が遅れがちでした。そこで双方の担当者と週1回の短い打ち合わせを提案し、修正の回数を半分に減らしました。御社の企画職でも、関係する部署の意見をまとめながら、企画を形にしていきたいと考えています」。強みの言葉は同じ「人と関わる力」でも、場面と成果と活かし方がそろうだけで、伝わり方はまったく変わります。
自分の強みを言葉にするために
自己PRの材料になる強みは、自分ではなかなか見つけにくいものです。第三者の視点を借りると、言葉にしやすくなります。
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第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。何から始めればいいか分からない人の最初の一歩に向いています。自分では気づきにくい強みを言語化してもらえることも、こうしたサービスの価値の一つです。
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これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。自分では気づきにくい強みを引き出してもらえることがあります。応募先の仕事に合わせて、どの経験を自己PRの中心にするかを相談できるのも心強いポイントです。
まなぶ
みらい
まなぶ転職の自己PRで後悔する原因は、強みがないことではなく、強みを誰にでも言える言葉のままにしてしまうことです。応募先の仕事を読み、強みを1つに絞り、具体的な場面と成果、入社後の活かし方まで言葉にする。そうすれば、1分の自己PRで「何ができる人か」が伝わります。書類選考や面接の失敗を全体から見直したいときは、書類選考・面接の失敗から学ぶも参考にしてください。
転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

