副業の経費で失敗する人の特徴5選
副業の経費で失敗する人の多くは、「副業に少しでも関係があれば、全部経費にできる」「経費にすればするほど得をする」と思い込んでいる人です。経費にできるのは、副業の収入を得るために必要な支出だけ。私生活と共用しているものは、使った割合で分けて考える必要があります。経費の判断を自己流で進めると、申告のやり直しや、必要のない買い物で手元のお金を減らすことにつながります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、副業の経費で失敗する人の特徴5つと、迷わず判断するための考え方を解説します。
「全部経費にすれば得」と思っていた
まなぶが資料作成の副業を始めて2年目のことです。収入が年に60万円ほどになり、初めて自分で確定申告をすることになりました。ネットで調べると、「経費を増やせば税金が減る」という言葉がたくさん出てきます。「それなら、副業に関係ありそうなものは全部入れておこう」。まなぶは1年分のカード明細を見ながら、次々と経費に入れていきました。
仕事で使うことにした新しいノートPCは約18万円。自宅の家賃と電気代、スマホ代はそれぞれ全額。週末に作業したカフェ代、資料の参考にと買ったビジネス書とマンガ、取引先の担当者と「打ち合わせ」と称して行った飲み会の代金。友人との旅行の交通費も、「旅先で資料のアイデアを考えたから」と書き加えました。合計すると、経費は副業の収入とほぼ同じになりました。
確定申告の相談会場で、書類を見た相談員の人は少し困った顔をしました。「ご自宅の家賃は、副業で使っている割合だけになりますね。パソコンも10万円以上なので、一度に全部は経費にできません。この旅行代は、どういったお仕事ですか?」。一つひとつ聞かれるうちに、まなぶは自分の説明がどれも根拠のないものだと気づきました。
結局、経費の多くを外したり、割合で分け直したりすることになり、申告書は一から作り直し。さらに、「経費になるから」と買ったものの中には、実際にはほとんど使っていない機材もありました。家に帰って棚の上を見ると、ペンタブレットと外付けモニターの箱が、買ったときのまま積まれていました。経費を増やしても、そのお金が戻ってくるわけではなかった。税金が少し減る代わりに、手元のお金はそれ以上に減っていたのです。まなぶは、経費の考え方を根本から間違えていたことを思い知りました。
副業の経費で失敗する人の特徴5選
「少しでも関係があれば経費」と考えている
経費にできるのは、副業の収入を得るために必要な支出です。ビジネス書でも、仕事のために買ったものなら経費になりえますが、趣味で読むマンガや、私的な旅行の費用は原則として経費になりません。「この支出がなかったら、副業の仕事ができなかったか」を基準に考えると、判断がぶれにくくなります。取引先との飲食も、実際に仕事の打ち合わせだったかどうかを説明できることが前提です。
私生活と共用のものを全額経費にしている
自宅の家賃や電気代、スマホの通信費など、私生活と副業の両方で使っているものは、副業で使った割合だけを経費にするのが基本です。これを「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。たとえば、作業に使う部屋の広さや、副業に使った時間の割合などで、なぜその割合なのかを説明できる形で分けておく必要があります。全額を経費に入れると、申告内容に無理が出てしまいます。会社員の副業の場合、平日の日中は本業で外に出ていることが多いため、自宅の家賃や電気代を大きな割合で経費にするのは、なおさら説明が難しくなります。
高額な機材を一度に経費にしている
パソコンなど、10万円以上の機材を買った場合、原則としてその年に全額を経費にはできません。使える年数に応じて、数年に分けて経費にしていく「減価償却」という考え方があります。青色申告をしている場合の特例など、扱いが変わるケースもあるため、高額なものを買ったときは、経費の計上のしかたを先に確認しておくことが大切です。
「経費にすれば得」と考えて買い物を増やしている
経費を増やすと、税金の計算のもとになる所得が減り、その分の税金は少なくなります。しかし、減るのは支払ったお金の一部にあたる税金だけで、支払ったお金そのものが戻ってくるわけではありません。「経費になるから」と必要のないものを買えば、手元のお金は確実に減っていきます。経費は節税のための道具ではなく、仕事に必要な支出を正しく記録するためのものだと考えましょう。買う前に「経費にならなかったとしても、仕事のために買うか」と自分に聞いてみると、必要な支出かどうかが見えやすくなります。
支出の記録と根拠を残していない
経費として計上するなら、何に、いくら、なぜ使ったのかを説明できる記録が必要です。領収書やレシートを保管し、それが手に入らない支出も、日付・金額・内容をメモしておきましょう。記録の習慣がなくて申告の時期に困った話は、副業の確定申告で失敗した話で紹介しています。日頃のお金の流れを分けて管理する方法は、副業のお金の管理で失敗しない方法も参考になります。
経費で失敗する人と、正しく計上できる人の違い
副業の経費で迷わないためのチェックリスト
経費の判断は、最初に自分なりの基準を決めておけば、毎回迷わずに済みます。次の項目を確認しておきましょう。
- 「副業の収入を得るために必要だったか」を経費の判断基準にしている
- 家賃・電気代・通信費などは、使った割合とその根拠を決めている
- 10万円以上のものを買うときは、経費の計上のしかたを先に確認している
- 「経費になるから」という理由だけで買い物をしていない
- 領収書を保管し、手に入らない支出は日付・金額・内容をメモしている
- 判断に迷う支出は、税務署や税理士などに確認している
家事按分の割合は、たとえば「週に10時間ほど、6畳の部屋で作業している」といった実態をもとに決めます。正解の割合が決まっているわけではありませんが、聞かれたときに自分の言葉で説明できることが何より大切です。まなぶは翌年から、副業専用のカードで支払いを分け、共用のものは「作業時間の割合」で按分すると決めて、その考え方をメモに残すようにしました。
経費の判断で迷うものは、人によって状況が違うため、一般的な情報だけで決めつけないことも大切です。申告の前に一度、税の専門家や税務署の相談窓口で確認しておくと安心です。特に、初めて自分で申告する年は、経費の考え方を一度確かめておくだけで、翌年以降の記録のつけ方もぐっと楽になります。
副業の経費を迷わず管理するために
経費の管理は、日々の記録と、迷ったときの相談先の両方があると、ぐっと楽になります。
サブスク管理・家計簿アプリ【マネーフォワードME (ミー)】
支出をカテゴリごとに記録し、一覧で確認できるタイプです。副業で使う支払いを専用のカードにまとめて記録しておけば、申告の時期に1年分の経費をすぐに見返せます。見落としがちな支出を可視化する助けにもなり、必要のない出費にも気づきやすくなります。
副業向け確定申告・税務相談サービス【リベ大税理士法人】
利益が出た場合の確定申告や、経費計上について相談できるタイプです。家事按分の割合や、高額な機材の扱いなど、自分だけでは判断に迷う部分を専門家に確認できます。自己流で処理して後から慌てるより、早めに相談しておく方が安心です。
まなぶ
みらい
まなぶ副業の経費で失敗しないために大切なのは、「経費にできるか」を自分に都合よく考えず、副業に必要だったかどうかという基準で判断することです。共用のものは割合で分け、高額なものは計上のしかたを確かめ、記録と根拠を残す。それだけで、申告で迷うことはずっと少なくなります。副業の税金・契約・ルールで失敗しないための考え方は、副業の税金・契約・ルールの失敗から学ぶでまとめています。
副業そのもので失敗しないためのポイントは、副業で失敗する人の共通点もあわせて読んでみてください。

