結論

会議で発言できずに失敗する人の多くは、「完璧な意見がまとまってから話そう」「的外れだったら恥ずかしい」と考えて、気づいていることを口にしないまま会議を終えてしまう人です。会議で決まったことは、そのまま仕事の方針になります。あとから「実は気になっていた」と言っても、決め直すには大きな手間がかかります。会議での発言は、正解を言うことではなく、判断に必要な材料をその場に出すことです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、会議で発言できずに失敗した原因と、発言しやすくなる準備を解説します。

1失敗ストーリー

気づいていた数字の違和感を、言えなかった話

会議が終わった夕方の会議室で、言い出せなかった気づきを思い返しながら自分の資料を見つめるまなぶのイラスト

去年の秋、まなぶは、新しい商品の販促の方針を決める企画会議に出ていました。会議には、上司のほか、営業部やマーケティングの担当者など、10人ほどが参加していました。まなぶの役割は、過去のキャンペーンの結果をまとめた資料を用意することでした。資料は前日の夜遅くまでかけて仕上げたもので、まなぶなりに数字の読み方にも自信がありました。

会議が進み、ある担当者が「若い世代向けに、SNSでの広告を中心にしましょう」と提案しました。何人かがうなずき、話はその方向に進んでいきます。ところが、まなぶは、自分の用意した資料を見ながら、違和感を覚えていました。過去のキャンペーンでは、この商品を実際に買っていたのは40代以上のお客さまが多く、SNSの広告からの申し込みは少なかったのです。

「言ったほうがいいかな。でも、もう話がまとまりかけているし、自分の読み方がまちがっていたら恥ずかしい」。まなぶは何度か口を開きかけましたが、うまく言葉がまとまらないまま、会議は終わりました。方針は、SNS広告を中心に進めることに決まりました。

2か月後、キャンペーンの途中結果が出ました。SNS広告からの申し込みは、目標の半分にも届いていませんでした。振り返りの会議で、まなぶが過去の数字の話をすると、上司が静かに言いました。「その数字、最初の会議のときに気づいていたんだよね。あのとき一言あれば、方針を少し変えられたかもしれない」。

そのあと、広告の配分を見直すことになりましたが、すでに予算の多くを使ったあとでした。「正しいかどうか自信がなくても、気づいたことは言うべきだった」。まなぶは、会議室に残された自分の資料を見つめながら、そう思いました。

2原因分析

会議で発言できずに失敗した5つの原因

1

完璧な意見になるまで、話さないと決めていた

会議で発言できない人の多くは、「筋の通った意見」「反論されない意見」でなければ話してはいけないと思っています。けれども、会議で求められているのは、完成した意見だけではありません。「気になる点が一つあります」という小さな問いかけも、立派な発言です。まなぶの「過去の数字では、買っていたのは40代以上が多かった」という事実は、そのまま判断の材料になるものでした。

2

自分の役割を、資料を出すことだけだと思っていた

まなぶは、自分の役割を「資料を用意すること」だと考えていました。けれども、資料を作った人は、その中身をいちばんよく知っている人でもあります。資料から読み取れることを、会議の話に結びつけて伝えるところまでが、資料担当の役割だと考えましょう。「資料の3ページ目を見ると」と切り出せば、自分の意見ではなく、事実として話しやすくなります。

3

話がまとまりかけた空気に、のまれた

多くの人がうなずいている中で、違う意見を言うのは勇気がいります。けれども、話がまとまりかけているときこそ、見落としがないかを確かめる発言が大切です。反対するのではなく、「その方向で進めるとして、一つ確認させてください」と前置きすると、場の空気を壊さずに話を切り出せます。質問の形にするのも効果的です。「SNSからの申し込みは、過去にはどのくらいあったでしょうか」と聞けば、場の全員で同じ数字を見るきっかけになります。違う意見は「反対」ではなく「確認」として出すと、発言のハードルが下がります。

4

会議の前に、話すことを準備していなかった

その場で考えて話そうとすると、言葉がまとまらず、タイミングを逃してしまいます。まなぶも、資料は作っていたのに、会議で何を伝えるかは考えていませんでした。会議の前に「この会議で伝えたいことを1つ」決め、一言目の言い方までメモしておくと、発言のきっかけがつかみやすくなります。

5

会議のあとに、伝える方法も使わなかった

会議中に言えなかったとしても、会議のあとに上司や進行役に伝えれば、まだ間に合うことがあります。まなぶは、会議が終わったあとも誰にも話さず、そのままにしてしまいました。発言できなかったときは、その日のうちに「会議で言いそびれたのですが」とメールやチャットで伝えるだけでも、判断を見直すきっかけになります。言えなかった気づきを、そのまま眠らせないことが大切です。あとから伝えるときも、「会議の決定に反対」ではなく「判断の材料として共有」という形にすると受け取ってもらいやすくなります。

3図解

黙って会議を終える人と、気づきを場に出す人の違い

⚠ 会議で発言できずに失敗する人のパターン
完璧な意見にまとまるまで、話さないでおく
↓
話がまとまりかけた空気にのまれ、違和感を飲みこむ
↓
会議のあとも、誰にも伝えないままにする
↓
判断の材料が出ないまま方針が決まり、あとで大きく直すことになる
◎ 会議で上手に発言できる人のパターン
会議の前に、伝えたいことを1つと一言目を決めておく
↓
資料や事実をもとに、「確認させてください」と切り出す
↓
言いそびれたら、その日のうちに上司や進行役に伝える
↓
判断に必要な材料がそろい、納得できる方針で仕事が進む
4解決策

会議で発言できずに失敗しないためのチェックリスト

会議での発言は、話し方の上手さより、準備と切り出し方で決まります。次の項目を、会議の前と最中に確かめてみてください。

  • 会議の前に、伝えたいことを1つ決めている
  • 一言目の言い方(「一つ確認させてください」など)をメモしている
  • 自分の意見ではなく、資料や事実をもとに話せるようにしている
  • 違う意見は、反対ではなく「確認」として出している
  • 完璧な意見でなくても、気になる点は口にしている
  • 言いそびれたことは、その日のうちに上司や進行役に伝えている

まなぶは今、会議の前に、手帳の端に「今日伝えること」と「一言目」を書いてから会議室に入るようにしています。先日の会議でも、「資料の2ページ目を見ると、少し気になる点があります」と切り出したところ、その一言をきっかけに、キャンペーンの対象を見直すことになりました。「発言って、うまく話すことじゃなくて、気づいたことを机の上に出すことなんだ」と、まなぶは感じています。

会議での発言に慣れてくると、ふだんの報告や相談も少しずつ言い出しやすくなっていきました。どれも「気づいたことを、早く、相手に届ける」という点では同じだからです。

※会議の進め方や発言のしかたは、職場や会議の目的によって異なります。発言しにくい雰囲気が続くときは、会議の前に進行役や上司に「この点を議題に入れてもらえますか」と相談しておくのも一つの方法です。
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仕事の失敗を減らすために

会議で発言する自信をつけるには、自分の強みや考えを言葉にしておくことと、伝えたいことを前もって準備する習慣が役立ちます。

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時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

会議の予定と一緒に、「この会議で伝えること」を書き込んでおけるタイプです。会議の前に準備する時間を予定として確保しておけば、その場で慌てずに発言のきっかけをつかめます。言いそびれたことを会議のあとに伝える、というやることも忘れずに残せます。

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第三者視点で、自分の強みや適性を整理するのを手伝ってもらえるタイプです。自分がどんな見方や得意分野を持っているかを言葉にしておくと、会議でも「自分だからこそ気づけること」に自信を持って話しやすくなります。

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まなぶまなぶ
資料の数字に違和感があったのに、話がまとまりかけていて言い出せず、あとで方針を見直すことになってしまいました…。
みらいみらい
会議での発言は、正解を言うことではなく、判断の材料をその場に出すことです。伝えたいことを1つと一言目を準備して、違う意見は「確認」として出してみましょう。言いそびれても、その日のうちに伝えれば間に合うこともあります。
まなぶまなぶ
完璧な意見じゃなくても、気づいたことを机の上に出すだけでいいんですね。

会議で発言できずに失敗する原因は、完璧な意見になるまで話さず、まとまりかけた空気にのまれ、会議のあとにも伝えないことです。伝えたいことを1つ準備し、事実をもとに「確認」として切り出し、言いそびれたらその日のうちに伝える。それだけで、会議はあなたの気づきを生かす場になります。報連相とコミュニケーションで失敗しないための考え方は、報連相とコミュニケーションの失敗から学ぶでまとめています。

報連相・コミュニケーションについては、上司への報告で失敗する人の特徴5選やチャットやメールの伝え方で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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