ネットショップ開業で失敗しない方法
ネットショップの開業で失敗しないためには、「お店を作れば、お客さんが来てくれる」と考えず、人が来る道と、自分を守る設定を、開店する前に決めておくことが大切です。今はショップ作成サービスを使えば、個人でも無料でネットショップを開けます。しかし、自分のお店には、マーケットのように最初から人が集まっているわけではありません。集客、個人情報の扱い、在庫、発送のルール。開店前の準備が、続けられるかどうかを左右します。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、ネットショップの開業で失敗しないためのポイントを解説します。
「自分のお店」を開いたら、注文が止まった
ある休日の昼、まなぶは大学時代の友人のAさん(30代女性)と、公園のベンチでキッチンカーのランチを食べていました。Aさんは会社員として働きながら、副業で自分のイラストを使ったポストカードや雑貨を作って売っています。「実は、この半年でけっこう落ち込んでたんだ」。Aさんは、少し照れくさそうに話し始めました。
Aさんは、もともとハンドメイドのマーケットで作品を売っていて、月に20件ほど注文が入っていました。ところが、手数料がもったいなく感じるようになり、「自分のお店を持てば、手数料も少なくて、ブランドらしさも出せる」と、ショップ作成サービスで自分のネットショップを開くことにしました。マーケットの出品はすべて止め、売れた勢いのまま、ポストカードを新しく300枚まとめて印刷しました。
ところが、開店してから1か月、注文は2件だけでした。マーケットでは、作品を探しに来る人が最初からたくさんいたのに、自分のお店には、その道がどこにもなかったのです。SNSでお知らせはしたものの、それを見てお店まで来てくれる人は、ほんの一握りでした。
さらに、Aさんを不安にさせたことがありました。お店を作るとき、「特定商取引法に基づく表記」の欄に、深く考えずに自宅の住所と電話番号をそのまま載せていたのです。ある日、SNSに知らない人から「ご近所なんですね」とメッセージが届き、急に怖くなりました。あとで調べると、使っていたサービスには、個人の場合に住所や電話番号の代わりに運営会社の情報を表示できる設定がありました。
「部屋には、売れないポストカードの箱が積んだまま。お店を作ることばかり考えて、お客さんが来る道も、自分の守り方も考えてなかったんだよね」。Aさんの話を聞きながら、まなぶは、お店を開くことと、お店にお客さんが来ることは、まったく別のことなのだと気づきました。
ネットショップの開業で失敗しやすいポイント
集客の入り口を考えずに開店した
マーケット型のサービスには、作品や商品を探しに来る人が最初から集まっています。一方、自分で作るネットショップは、お店の場所を知ってもらうところから始めなければなりません。開店する前に、「お客さんはどこから来るのか」を決めておくことが大切です。いきなりマーケットをやめるのではなく、しばらくは両方で販売し、マーケットの購入者に自分のお店を知ってもらうなど、段階を踏んで移っていく方法もあります。
特定商取引法の表記と個人情報の扱いを確かめなかった
ネットで物を売る場合は、特定商取引法にもとづいて、販売者の名前や住所、連絡先などを表示する必要があります。個人で販売している場合、自宅の情報を公開することに不安を感じる人も多いでしょう。ショップ作成サービスによっては、個人の場合に住所や電話番号の代わりに運営会社の情報を表示できる設定や、請求があったときに開示する形を用意しているところもあります。開店前に、利用するサービスの設定と条件を確かめておきましょう。
売れる前提で在庫を抱えた
マーケットで売れていた勢いのまま、自分のお店でも同じように売れると考えて在庫を増やすと、売れなかったときにお金と置き場所の両方を圧迫します。新しい売り場では、売れ方が変わる前提で、在庫は少しずつ増やすのが安全です。少量で作れる方法や、注文を受けてから作る方法も検討してみましょう。作品の値付けや原価の考え方は、ハンドメイド販売の失敗から学ぶで紹介しています。
手数料だけでお店の形を選んだ
マーケットの手数料は目に見えやすい一方で、自分のお店にも、決済の手数料や有料プランの月額、送料、梱包資材など、さまざまな費用がかかります。さらに、集客のために使う時間や、問い合わせへの対応も、すべて自分で引き受けることになります。手数料の差だけでなく、手元に残るお金と、かかる時間を合わせて比べることが大切です。費用と売上の記録のしかたは、副業のお金の管理で失敗しない方法も参考になります。
発送・返品・問い合わせのルールを決めていなかった
自分のお店では、発送の日数、送料、返品や交換の条件、問い合わせへの返事のしかたまで、すべて自分で決めて伝える必要があります。会社員の副業なら、平日は発送できない日もあるでしょう。ルールを先に決めてお店に書いておけば、お客さんも安心して買えますし、自分も無理をせずに続けられます。
ネットショップ開業で失敗する人と、続けられる人の違い
ネットショップを開業する前のチェックリスト
ネットショップは、開店前の準備で結果が大きく変わります。開業を考えている人は、次の項目を確認してみてください。
- お客さんがどこからお店に来るのか(SNS・マーケット・知り合いなど)を決めた
- マーケットなど今の売り場を、すぐにやめずに並行する期間を決めた
- 特定商取引法の表記の内容と、住所・電話番号の表示の設定を確かめた
- 決済の手数料・月額・送料・梱包資材を含めて、手元に残るお金を計算した
- 在庫は少量から始め、売れ方を見て増やす計画にした
- 発送の日数・送料・返品や交換の条件をお店に書いた
- 本業と両立できる、問い合わせへの返事のペースを決めた
Aさんはその後、ショップの設定を見直して、住所と電話番号を表示しない形に切り替えました。マーケットでの出品も再開し、作品と一緒に届けるカードに、自分のお店とSNSのことを書くようにしました。新作は自分のお店で先に紹介し、在庫は50枚ずつ印刷する形に変えました。
「今は、マーケットで知ってもらって、気に入ってくれた人が自分のお店に来てくれる流れができてきたよ」。Aさんは、少し明るい顔でそう言いました。まなぶは、ネットショップは、開店した日がゴールではなく、お客さんが通ってくれる道を作っていくところから始まるのだと感じました。物を売る副業で失敗しないための考え方は、せどり副業で失敗する人の特徴5選も参考になります。
ネットショップを無理なく続けるために
自分のお店を育てるまでのあいだは、人が集まる売り場と組み合わせることと、売るための知識を補うことが大切です。
ハンドメイド作品のオンラインマーケット【minne(ミンネ)】
作品を出品・販売できるタイプです。作品を探しに来る人がすでに集まっているため、自分のお店を育てるまでのあいだも、作品を知ってもらう入り口として使えます。プラットフォームごとに手数料や客層が異なるため、自分の作品に合った場所を選ぶことが大切です。
【作品が売れる&個人情報を守る】ハンドメイド作家向け支援プログラム
原価計算の考え方やブランディングの基本、個人で販売するときの情報の守り方を学べるタイプです。作品作り以外の「売るための知識」を体系的に補えます。同じ悩みを持つ作家仲間と情報交換できることもあります。
まなぶ
みらい
まなぶネットショップの開業で失敗する原因は、お店を作ることに夢中になり、お客さんが来る道や、自分を守る設定、在庫や発送のルールを後回しにしてしまうことです。集客の入り口を決め、今の売り場と並行しながら移り、表示の設定を確かめ、在庫は少しずつ増やし、ルールを先に決める。それだけで、自分のお店は無理なく育てていけるものになります。発信・物販の副業で失敗しないための考え方は、発信・物販の副業の失敗から学ぶでまとめています。
副業そのもので失敗しないためのポイントは、副業で失敗する人の共通点もあわせて読んでみてください。

