結論

資格の勉強が続かない人の多くは、「やる気があるうちに一気に進めよう」と、最初の数日に長い時間を詰めこみ、毎日の生活の中のどこで勉強するかを決めないまま、気持ちだけで勉強を始めてしまう人です。やる気は、仕事の疲れや予定の変化ですぐに小さくなります。気持ちに頼った勉強は、一度止まると、なかなか元に戻りません。資格の勉強を続けるのは「強いやる気」ではなく、「やる気がなくても回る小さな仕組み」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、資格の勉強が続かない人の特徴と、続けるための仕組みづくりを解説します。

1失敗ストーリー

3回始めて、3回とも3週間で止まったAさんの話

マラソン大会の給水所のボランティア中に、Aさんから資格の勉強が続かなかった話を聞くまなぶのイラスト

10月の日曜日、まなぶは、地域のマラソン大会で給水所のボランティアをしていました。紙コップに水を注ぎながら、隣で手伝っていたのが、同じくボランティアに参加していたAさん(30代男性)でした。Aさんは、自動車部品のメーカーで、製品の品質を確かめる仕事をしています。ランナーの列がとぎれたとき、資格の話になると、Aさんは「実は、同じ資格の勉強を3回始めて、3回ともやめているんだ」と苦笑いしました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)

Aさんが目指していたのは、品質管理の知識を問う検定でした。上司からも「取っておくと仕事に役立つ」と言われていて、Aさん自身も、いつかは必ず取りたいと、ずっと思っていた資格でした。1回目は、年の初めに「今年こそ」と決めて、最初の週末に6時間、平日も毎晩2時間勉強しました。ところが、3週間目に残業が続くと、勉強できない日が増えていきました。「週末にまとめて取り返そう」と思っているうちに、テキストを開かない日が当たり前になっていました。結局、試験の申し込みの締め切りが過ぎたころには、テキストは部屋の隅に積まれたままになっていました。

2回目と3回目も、同じことのくり返しでした。新しい問題集を買い、手帳に「毎晩2時間」と書き、最初の数日は張り切って勉強する。けれども、仕事の予定が変わったり、疲れていたりすると、1日休み、2日休み、気づけば止まっている。最初に張り切るほど、止まったときの「もう遅れてしまった」という気持ちが大きくなっていたのです。

3回目にやめたとき、Aさんは、本棚に並んだ3冊の問題集を見て、自分が嫌になったそうです。「やる気が足りないんだと思っていた。でも本当は、やる気がない日でも続けられるやり方を、一度も考えていなかったんだよね」。Aさんは、空になった紙コップを片づけながら、そう話してくれました。

2原因分析

資格の勉強が続かない人の特徴5選

1

最初に、勉強の時間を詰めこみすぎている

やる気のある最初の数日に長い時間を勉強すると、その量が「普通」になってしまいます。仕事が忙しくなってその時間がとれなくなると、「今日はできなかった」という気持ちばかりが残ります。最初から、忙しい日でも続けられる短い時間、たとえば「平日は15分」から始めることが大切です。短い時間でも毎日続けるほうが、長い時間を数日だけ続けるより、ずっと多くのことが身につきます。余裕のある日だけ、少し長めにすればよいのです。

2

いつ、どこで勉強するかを決めていない

「時間があるときにやる」と考えていると、時間はなかなか見つかりません。「朝起きて歯をみがいたら」「通勤の電車に乗ったら」のように、毎日必ずすることのあとに、勉強をつなげて決めておくと、考えずに始められるようになります。勉強する場所も決めておくと、そこに座るだけで気持ちが切り替わります。テキストは、その場所にいつも置いておきましょう。始めるまでの手間が少ないほど、続けやすくなります。

3

休んだ日を、取り返そうとしている

1日休むと、「週末にまとめて取り返そう」と考えがちです。けれども、取り返す量が増えるほど、勉強を始める気持ちは重くなります。休んだ日の分は取り返さず、次の日はいつもと同じ量だけやると決めておきましょう。大切なのは、休まないことではなく、休んだあとにすぐ戻ることです。2日続けて休まない、というくらいのゆるい決まりにしておくと、気持ちが折れにくくなります。

4

進んだことが、目に見えていない

資格の勉強は、成果が見えるまでに時間がかかります。どれだけ進んだのかが見えないと、「やってもやっても終わらない」と感じて、手が止まりやすくなります。勉強した日に手帳やアプリで印をつけ、解いた問題の数やページを記録すると、進んだことが目に見えるようになります。印が続いていくと、それを途切れさせたくないという気持ちも生まれます。1か月分の印を見返すと、思っていた以上に進んでいることに気づけるはずです。小さな達成感を毎日感じられることが、続ける力になります。

5

一人だけで、勉強を抱えている

誰にも言わずに勉強していると、やめても誰にも気づかれず、自分の中だけで終わってしまいます。上司や家族、同じ資格を目指す仲間に、「いつの試験を受けるか」を伝えておきましょう。ときどき「どこまで進んだ?」と聞いてもらえるだけで、続ける理由が一つ増えます。同じ資格を目指す人の集まりや、講座の仲間がいれば、つまずいたところを教え合うこともできます。勉強は一人でするものでも、続け方は人の力を借りてよいのです。

3図解

やる気に頼る人と、仕組みで続ける人の違い

⚠ 資格の勉強が続かない人のパターン
やる気のある最初の数日に、長い時間を詰めこむ
↓
いつ・どこで勉強するかを決めず、時間があるときにやる
↓
休んだ日を取り返そうとして、気持ちが重くなる
↓
勉強が止まり、問題集だけが増えていく
◎ 資格の勉強を続けられる人のパターン
忙しい日でもできる短い時間から始める
↓
毎日必ずすることのあとに、勉強をつなげて決める
↓
休んでも取り返さずに戻り、進んだことを記録する
↓
やる気がない日でも勉強が回り、試験の日まで続けられる
4解決策

資格の勉強が続かない人のためのチェックリスト

勉強を始める前、またはもう一度始めるときに、次の項目を確かめてみてください。やる気を増やすより、続けやすい形を先に決めるほうが近道です。一度止まってしまった人も、ここから小さく始め直せば大丈夫です。

  • 平日は、忙しい日でもできる短い時間から始めると決めた
  • 毎日必ずすることのあとに、勉強をつなげて決めた
  • 勉強する場所を決めて、テキストをそこに置いた
  • 休んだ日の分は取り返さず、次の日はいつもの量に戻すと決めた
  • 勉強した日に印をつけ、進んだことを記録している
  • 試験を受けることを、上司や家族に伝えた

Aさんは、4回目の挑戦で、やり方を変えました。平日は、朝の通勤電車の20分だけを勉強の時間にし、スマートフォンで問題を解くようにしました。休日は午前中に1時間だけ。休んだ日があっても、次の日は20分に戻すと決めました。勉強した日は手帳の小さな四角を塗りつぶし、上司にも試験の日を伝えました。最初は物足りなく感じたそうですが、半年後、Aさんは初めて試験の日を迎え、合格することができました。「やる気を出そうとするんじゃなくて、やる気がなくても続く形にすればよかったんだ」。Aさんは、マラソン大会のゴールに向かうランナーたちを見ながら、そう話してくれました。

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まなぶまなぶ
同じ資格の勉強を3回始めて、3回とも3週間で止まっていたなんて…。
みらいみらい
資格の勉強を続けるのは、強いやる気ではなく、やる気がなくても回る小さな仕組みです。忙しい日でもできる短い時間から始めて、毎日必ずすることのあとにつなげましょう。休んだ日は取り返さず、すぐ戻ることが大切です。
まなぶまなぶ
張り切りすぎないことが、続けるコツなんですね。

資格の勉強が続かない原因は、最初に時間を詰めこみ、いつどこで勉強するかを決めないまま、やる気だけで始めてしまうことです。短い時間から始め、毎日の習慣につなげ、休んでも取り返さずに戻り、進んだことを記録し、人に伝える。それだけで、やる気がない日でも勉強は続いていきます。勉強法と試験対策で失敗しないための考え方は、勉強法・試験対策の失敗から学ぶでまとめています。

勉強法・試験対策については、勉強法を次々に変えて後悔する理由や働きながらの資格の勉強で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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