同じミスを繰り返して失敗した話
同じミスを繰り返して失敗する人の多くは、ミスをするたびに「次から気をつけます」と謝るだけで、どの作業の、どの手順でミスが起きたのかを確かめず、仕事のやり方を変えないまま次の仕事に進んでしまう人です。やり方が同じなら、同じところで、同じミスが起きるのは自然なことです。同じミスを防ぐのは「気をつける気持ち」ではなく、「ミスが起きにくい手順」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、同じミスを繰り返してしまった原因と、ミスを仕組みで防ぐ方法を解説します。
3回目の「次から気をつけます」が通じなかった話
今年の2月、まなぶは、取引先に毎週送る販促の実績レポートの担当になりました。前の週のファイルをコピーして、その週の数字を入れ直し、グラフを整えて、金曜日の夕方に、取引先の担当者へメールで送る。慣れてしまえば、1時間もかからない仕事でした。取引先の担当者は、そのレポートをもとに、翌週の売り場の作り方を決めていました。
最初のミスは、2月の終わりでした。売上の欄の一部に、前の週の数字が残ったままになっていたのです。取引先から指摘を受け、まなぶは「申し訳ありません。次から気をつけます」と謝って、正しいレポートを送り直しました。ところが3月の初め、今度はグラフの元の数字の範囲がずれたまま送ってしまいました。まなぶはまた「気をつけます」と謝り、いつもより念入りに見直すようにしました。
そして3月の半ば。3回目のミスは、また前の週の数字が残っていたことでした。今度は、取引先の担当者が、その数字をもとに社内の会議の資料を作ってしまっていました。担当者からは「毎週のレポートなので、正確さを信頼していたのですが」と、静かに言われました。「気をつける」と言い続けたのに、やり方は何も変えていなかったのです。
まなぶが上司に報告すると、上司はしばらく黙ってから言いました。「気をつけるだけでは、変わらないよ。どの作業で起きているのか、一緒に見てみよう」。上司と二人でレポートを作る手順を一つずつ書き出してみると、3回のミスのうち2回は、前の週のファイルをコピーしたときに、入れ直すべき欄を見落としたことが原因でした。まなぶは、自分の「不注意」だと思っていたミスが、手順の中に原因があったことに初めて気づきました。残りの1回も、グラフの範囲を毎週手で直していたことが原因でした。
同じミスを繰り返して失敗した5つの原因
「次から気をつけます」で、終わらせていた
ミスをしたときに「気をつけます」と謝るのは自然なことです。けれども、気をつける気持ちは、忙しい日や疲れている日には続きません。謝ったあとに、「何を変えるか」を一つ決めて相手や上司に伝えることが大切です。「次から、送る前に売上の欄だけ前の週と見比べます」のように、具体的な行動で伝えると、相手も安心できます。具体的な行動が決まっていれば、自分でも続けやすくなります。
原因を、「自分の不注意」で止めていた
ミスの原因を「自分の不注意だった」で片づけると、それ以上考えることがなくなってしまいます。けれども、ミスにはたいてい、起きやすい理由があります。「なぜ見落としたのか」を、2〜3回くり返して聞いてみると、手順や道具の問題が見えてきます。まなぶの場合は、「前の週のファイルをコピーする」という作り方そのものに、数字が残りやすい原因がありました。原因が見えれば、直す場所もはっきりします。
作業の手順を、書き出していなかった
毎週同じ仕事でも、手順が頭の中にしかないと、どこで抜けやすいのかが分かりません。作業の手順を一度、1行ずつ書き出してみると、「ここで数字を入れ直す」「ここでグラフの範囲を確かめる」など、ミスが起きやすい場所が見えてきます。書き出した手順は、そのまま確認の項目にもなります。ほかの人に仕事を任せるときにも役立ちます。書き出してみると、毎週なんとなくやっていた作業の中に、自分でも気づいていなかった「確かめていない場所」が見つかることがあります。
ミスが起きた場所を、記録していなかった
1回目と2回目のミスが、どの作業で起きたのかを書き残していなかったため、まなぶは3回目に同じ場所で同じミスをしても、すぐには気づけませんでした。ミスをしたら、「いつ」「どの作業で」「何が起きたか」「どう直したか」を短く記録しておきましょう。記録がたまってくると、自分がつまずきやすい作業のくせが見えてきます。同じ作業でミスが2回続いたら、やり方を変える合図だと考えましょう。記録は、ノートの1ページでも、パソコンのメモでもかまいません。続けやすい形で残すことが大切です。
一人で、なんとかしようとしていた
ミスが続くと、「これ以上迷惑をかけたくない」と、一人で直そうとしがちです。けれども、自分だけで見ていると、同じ思い込みのまま、同じところを見落としてしまいます。上司や先輩と一緒に手順を見直せば、自分では気づけなかった原因が見つかることがあります。まなぶも、上司と手順を書き出したことで、初めて原因に気づけました。相談することは、甘えではなく、同じミスを止めるための近道です。上司にとっても、ミスの原因を知ることは、チームのほかの仕事を見直すきっかけになります。
謝って終わる人と、手順を変える人の違い
同じミスを繰り返さないためのチェックリスト
ミスをしてしまったら、謝ったあとに、次の項目を確かめてみてください。ミスを責めるのではなく、手順を見直すことが目的です。一度に全部を変えなくても、いちばんミスが起きやすい作業から一つずつ直していけば十分です。
- 謝るときに、「何を変えるか」を一つ決めて伝えた
- 「なぜ見落としたのか」を、2〜3回くり返して考えた
- 作業の手順を、1行ずつ書き出した
- ミスが起きた作業と手順を、短く記録した
- 同じ作業で2回続いたら、やり方を変えると決めた
- 上司や先輩と一緒に、手順を見直した
まなぶは上司と相談して、レポートの作り方を変えました。前の週のファイルをコピーするのをやめ、数字を入れる欄に色を付けたひな形を作り、毎週そこから作り始めるようにしました。グラフも、数字を入れると自動で範囲が広がる形に作り直しました。送る前には、「売上の欄を前の週と見比べる」「グラフの範囲を確かめる」「日付を確かめる」の3つだけを確認します。それから半年、同じミスは一度も起きていません。取引先の担当者には、変えた手順を書いた紙を添えて、上司と一緒に改めておわびし、今では「レポート、いつも助かっています」と言われるようになりました。「気をつけるんじゃなくて、気をつけなくても間違えにくい形にすればよかったんだ」。まなぶは、色分けされたひな形を見ながら、そう思っています。
仕事の失敗を減らすために
同じミスを防ぐには、毎回の手順と確認の項目を決まった形で残しておくことと、チームの仕事の流れを見直すことが役立ちます。
タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】
毎週くり返す仕事を、手順ごとのやることとして登録できるタイプです。送る前の確認の項目を毎回チェックできるようにしておけば、気持ちだけに頼らずに、同じ見落としを防ぎやすくなります。
業務プロセス整理・DX相談サービス【Chatwork DX相談窓口】
チームの仕事の流れや手順を整理することから支援してくれるタイプです。ミスが起きやすい作業を洗い出し、ひな形や確認のしかたを見直すことで、一人の注意力に頼らない仕組みを考えるきっかけになります。
まなぶ
みらい
まなぶ同じミスを繰り返す原因は、「次から気をつけます」と謝るだけで、ミスが起きた作業や手順を確かめず、やり方を変えないまま進んでしまうことです。原因をくり返し考え、手順を書き出し、記録を残し、一人で抱えずに見直す。それだけで、同じミスはぐっと起きにくくなります。仕事の進め方とミスへの対応で失敗しないための考え方は、仕事の進め方とミス対応の失敗から学ぶでまとめています。
仕事の進め方・ミス対応については、締め切りを守れない人の特徴5選やメールの誤送信で後悔する理由もあわせて読んでみてください。

