仕事でメモを取らずに後悔する理由
仕事でメモを取らずに後悔する人の多くは、「これくらいなら覚えていられる」「メモを取るのは、できない人だと思われそう」と考えて、聞いたことを頭の中だけで覚えておこうとする人です。けれども、人の記憶は思っている以上にあいまいで、数字や日付、名前のような細かいことほど、あとで食い違いやすくなります。メモは「覚えられない人のための道具」ではなく、「相手の話を正しく受け取るための道具」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、仕事でメモを取らずに後悔する理由と、メモを仕事に生かすコツを解説します。
「グレーの3人がけ」を、聞き違えていたAさんの話
日曜日の午後、まなぶは駅ビルの文具売り場で、仕事用の手帳を選んでいました。そこで声をかけてきたのが、いとこのAさん(20代女性)でした。Aさんは、家具メーカーのショールームで、お客様の接客と、注文を受ける事務を担当しています。入社して2年目です。Aさんは、小さなノートを何冊も手に取りながら、「今さらだけど、メモの取り方から見直そうと思って」と照れくさそうに笑いました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
Aさんは、入社してから、接客の話をメモに取らないようにしていました。「お客様の前でメモばかり取っていると、慣れていない人に見えそうで」。記憶力にはそこそこ自信もありました。学生時代のアルバイトでも、注文を覚えるのは得意なほうだったのです。ある週末、新居に置くソファを探しているご夫婦を接客し、色や大きさ、届ける日について、1時間ほどかけて話を聞きました。ご夫婦は、その場で注文を決めてくれました。
ところが、届ける日の当日、ご夫婦から電話がかかってきました。「頼んだのは、グレーの3人がけですよね。届いたのは、ベージュの2人がけなんですが」。Aさんは、ご夫婦が最初に見ていたベージュのソファと、最後に決めたグレーのソファを、頭の中で取り違えて注文の書類を作っていたのです。話を聞いたときのメモも、注文を決めたときの確認も、何も残っていなかったため、どこで食い違ったのかを説明することもできませんでした。
ソファは引き取って作り直しになり、新居での暮らしの始まりに、ご夫婦を2週間待たせることになりました。上司と一緒におわびに伺った帰り道、上司から「メモを取るのは、恥ずかしいことじゃないよ。お客様にとっては、ちゃんと聞いてくれている合図になるんだから」と言われ、Aさんはハッとしました。「覚えていられると思っていたのが、いちばんの思い込みだった」。Aさんは、選んだノートを胸の前で抱えながら、そう話してくれました。
仕事でメモを取らずに後悔する理由
「覚えていられる」と、記憶を過信していた
話を聞いているときは、すべて分かったつもりになるものです。けれども、時間がたったり、ほかの話を聞いたりするうちに、記憶は少しずつ入れ替わったり、抜け落ちたりします。Aさんのように、いくつかの候補を見比べたあとでは、特に取り違えが起きやすくなります。数字・日付・名前・色や大きさなど、あとで食い違うと困ることは、聞いたその場で書くと決めておきましょう。すべてを書く必要はなく、決まったことだけでも十分です。
メモを取ると、悪く見られると思っていた
「メモを取るのは、できない人に見える」と考える人は少なくありません。けれども、話を聞く側がメモを取っていると、相手は「きちんと受け止めてくれている」と感じることが多いものです。「大事なところなので、メモを取らせてください」と一言添えるだけで、印象はむしろよくなります。お客様や取引先の前では、パソコンよりも小さなノートのほうが、話をさえぎらずに書けて自然です。
決まったことを、その場で読み上げていなかった
メモを取っても、聞き違えたまま書いてしまえば意味がありません。そこで大切なのが、話の終わりに、決まったことを相手の前で読み上げることです。「グレーの3人がけを、来月の土曜日の午前にお届け、でよろしいですね」と読み上げて確かめると、その場で食い違いに気づけます。読み上げは、相手にとっても、決めたことを見直すよい機会になります。注文の書類を作る前の、最後の確認にもなります。
書いたメモを、あとで見返していなかった
メモを取る人の中にも、書いたことに安心して、あとで見返さない人がいます。メモは、書いたあとに使ってこそ意味があります。書類を作るとき、仕事を引き継ぐとき、相手に連絡するときに、メモを見返す習慣をつけましょう。その日のうちに、メモの中から「やること」だけを書き出しておくと、聞いた話が次の行動につながります。記憶が新しいうちに見返せば、書き足りないところにも気づけます。
メモの置き場所が、ばらばらだった
付箋、手帳の端、スマートフォン、書類の裏など、メモがあちこちに散らばっていると、必要なときに見つかりません。せっかく書いたメモが見つからなければ、書いていないのと同じです。メモは、仕事用のノートを1冊に決めるか、スマートフォンのメモのアプリを1つに決めて、置き場所をまとめておきましょう。日付と相手の名前を最初に書いておくと、あとから探すときにも困りません。置き場所が決まっていれば、ほかの人に引き継ぐときにも役立ちます。
頭の中だけで覚える人と、メモで受け取る人の違い
メモを仕事に生かすためのチェックリスト
メモを取るのは、ちょっとした習慣の積み重ねです。次の項目のうち、できているものと、できていないものを確かめてみてください。全部を一度に始めなくても、一つずつ増やしていけば大丈夫です。
- 数字・日付・名前など、あとで困ることはその場で書いている
- メモを取るときは、「メモを取らせてください」と一言添えている
- 話の終わりに、決まったことを読み上げて確かめている
- その日のうちにメモを見返し、やることを書き出している
- メモの置き場所を、ノート1冊かアプリ1つにまとめている
- メモの最初に、日付と相手の名前を書いている
Aさんは今、接客のときに小さなノートを手に持ち、「大事なところなので、メモを取らせてください」と最初に伝えるようにしています。話の終わりには、色・大きさ・届ける日をお客様の前で読み上げ、その場でうなずいてもらってから注文の書類を作ります。メモは日付ごとにノートにまとめ、その日の終わりに見返して、翌日やることを付箋に書き出します。「メモを取るようになってから、お客様に『よく覚えていてくれましたね』と言われることが増えたんです。覚えていたのは、私じゃなくてノートなんですけどね」。Aさんは、そう言って笑っていました。
仕事の失敗を減らすために
メモを仕事に生かすには、書いたことをまとめて探しやすくするパソコンの使い方を身につけることと、聞いた話をチームで共有できる形に整えることが役立ちます。
資格と仕事に強い!個人レッスンのプログラミングスクール【Winスクール】
パソコンの基本的な使い方から、仕事で使う表や文書の作り方まで、個人レッスンで学べるタイプです。手書きのメモを、あとから探しやすい形でまとめ直したり、注文の書類に正しく写したりする力をつけるきっかけになります。
業務プロセス整理・DX相談サービス【Chatwork DX相談窓口】
チームの仕事の流れや、情報の共有のしかたを整理することから支援してくれるタイプです。お客様から聞いた話をどこに残し、誰が見られるようにするかを決めておけば、一人の記憶に頼らない仕組みができます。
まなぶ
みらい
まなぶ仕事でメモを取らずに後悔する原因は、記憶を過信し、メモを取ると悪く見られると思いこんで、聞いたことを頭の中だけで覚えておこうとすることです。その場で書き、読み上げて確かめ、その日のうちに見返し、置き場所をまとめる。それだけで、聞き違いや取り違えはぐっと減らせます。仕事の進め方とミスへの対応で失敗しないための考え方は、仕事の進め方とミス対応の失敗から学ぶでまとめています。
仕事の進め方・ミス対応については、締め切りを守れない人の特徴5選やミスの謝り方で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

