結論

締め切りを守れない人の多くは、締め切りの日だけを覚えていて、その日から逆に数えた段取りや、ほかの人を待つ作業を考えないまま、「まだ大丈夫」と仕事を進めてしまう人です。気づいたときには、間に合わせるための時間が残っていません。締め切りに遅れると、自分だけでなく、その先で待っている人の予定まで崩れてしまいます。締め切りは「最後の日」ではなく、「そこから逆に段取りを組むための目印」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、締め切りを守れない人の特徴と、間に合わせるための考え方を解説します。

1失敗ストーリー

「入稿は来週の金曜」と覚えていただけだった話

展示会の前日、設営中のブースで、ようやく届いたパンフレットの箱を開けて締め切りの遅れを反省するまなぶのイラスト

去年の秋、まなぶは、取引先と合同で出る展示会で配る会社案内のパンフレットの改訂を任されました。印刷会社に原稿のデータを渡す「入稿」の締め切りは、展示会の2週間前の金曜日。まなぶは手帳にその日だけを書きこみ、「まだ3週間ある。ほかの仕事を片づけてから取りかかろう」と考えていました。

そのころ、まなぶは販促レポートと、別の取引先の提案資料も抱えていました。パンフレットの原稿に本格的に手をつけたのは、締め切りの1週間前。文章を直し、写真を入れ替え、レイアウトを整えるうちに、あっという間に木曜日になっていました。途中で販促レポートの急ぎの直しが入り、まる1日パンフレットに手をつけられない日もありました。そして、最後の確認の段階で、まなぶは青ざめました。新しく入れた取引先の工場の写真を、パンフレットに使ってよいかの許可を、まだ取引先にもらっていなかったのです。

急いで取引先の担当者に連絡しましたが、その日は出張中で、返事が来たのは翌週の月曜日でした。入稿は1日遅れ、印刷会社からは「このままでは展示会に間に合わないので、急ぎの対応になります」と言われました。印刷会社の担当者は、ほかの仕事の順番を入れ替えて、なんとか間に合わせてくれました。結局、追加の料金を払って、展示会の前日にようやくパンフレットが届いたのです。

上司は、追加の料金の書類を見ながら言いました。「締め切りの日は覚えていたんだよね。でも、写真の許可のように、ほかの人を待つ作業がいつまでに必要かは、考えていた?」。まなぶは何も言えませんでした。展示会の会場で、届いたばかりのパンフレットの箱を開けながら、まなぶは「締め切りの日を知っているだけでは、守れないんだ」と痛感しました。

2原因分析

締め切りを守れない人の特徴5選

1

締め切りの日から、逆に段取りを組んでいない

締め切りの日だけを覚えていると、「まだ時間がある」と感じて、取りかかるのが遅れがちです。けれども実際には、仕事はいくつもの作業の積み重ねでできています。締め切りの日から逆に数えて、「いつまでに何を終えるか」という小さな締め切りをいくつか決めておくと、遅れに早く気づけます。まなぶの場合なら、「原稿の文章は2週間前まで」「写真の差し替えと許可は10日前まで」と分けておけば、写真の許可の遅れにも間に合いました。

2

ほかの人を待つ作業を、見落としている

仕事の中には、自分だけでは進められない作業があります。取引先の確認、上司の承認、ほかの部署からのデータなどです。人を待つ作業は、相手の予定しだいで何日もかかることがあるため、いちばん先に手をつける必要があります。仕事を任されたら、まず「誰かの確認や許可が必要なところはないか」を書き出してみましょう。相手には、「いつまでに返事がほしいか」を最初に伝えておくことも大切です。

3

ほかの仕事との重なりを、考えていない

締め切りを守れない人は、目の前の仕事を一つずつ見ていて、同じ時期にほかの仕事が重なっていることを見落としがちです。まなぶも、販促レポートと提案資料を抱えていたのに、パンフレットは「あとで」と後回しにしていました。抱えている仕事の締め切りを一覧にして並べてみると、重なっている週が見えてきます。重なりが分かれば、早めに取りかかる仕事や、上司に相談すべき仕事も見えてきます。一覧は、週の初めに5分だけ見直すようにすると、新しく入った仕事にも気づきやすくなります。

4

遅れそうなことを、早めに伝えていない

仕事が遅れそうだと気づいても、「なんとか取り戻せるはず」と、ぎりぎりまで一人で抱えてしまう人がいます。けれども、締め切りの直前に「間に合いません」と言われても、周りはもう手の打ちようがありません。遅れそうだと分かった時点で伝えれば、締め切りをずらす、人を増やすなど、選べる方法が残っているものです。早めの相談は、迷惑ではなく、周りを助けることにつながります。伝えるときは、「どこまで終わっていて、何が足りず、いつなら出せるか」をあわせて伝えると、相手も判断しやすくなります。

5

その締め切りが、なぜその日なのかを知らない

締め切りには、たいてい理由があります。パンフレットの入稿日が展示会の2週間前だったのは、印刷と配送に時間がかかるからでした。締め切りの理由を知らないと、「1日くらい遅れても大丈夫だろう」と軽く考えてしまいます。仕事を任されたときに、「この締め切りのあとに、誰が何をするのか」を一度聞いておくと、締め切りの重さが分かり、守ろうという気持ちも強くなります。理由が分かれば、どこまでなら調整できるかも相談しやすくなります。

3図解

締め切りに追われる人と、締め切りから逆に組み立てる人の違い

⚠ 締め切りを守れない人のパターン
締め切りの日だけを覚えて、「まだ大丈夫」と後回しにする
↓
人の確認や許可が必要な作業に、直前で気づく
↓
遅れそうでも、ぎりぎりまで一人で抱える
↓
締め切りに間に合わず、その先で待つ人の予定まで崩れてしまう
◎ 締め切りを守れる人のパターン
締め切りから逆に数えて、小さな締め切りをいくつか決める
↓
人を待つ作業を最初に書き出し、いちばん先に頼む
↓
遅れそうだと分かった時点で、すぐに相談する
↓
余裕を持って仕上げられ、周りからも安心して仕事を任される
4解決策

締め切りを守るためのチェックリスト

仕事を任されたら、取りかかる前に、次の項目を確かめてみてください。最初の10分で段取りを考えておくだけで、締め切り前に慌てることがぐっと減ります。締め切りを守れるかどうかは、取りかかる前の準備で、半分以上が決まっているのです。

  • 締め切りの日だけでなく、その理由とあとの流れを確かめた
  • 締め切りから逆に数えて、小さな締め切りをいくつか決めた
  • 人の確認や許可が必要な作業を、最初に書き出した
  • 確認や許可をもらう相手に、返事がほしい日を伝えた
  • 抱えている仕事の締め切りを一覧にして、重なりを確かめた
  • 遅れそうだと分かったら、すぐに上司に相談すると決めた

まなぶは今、仕事を任されると、まず手帳のページに締め切りを書き、その下に「いつまでに何を終えるか」を3〜4行並べるようにしています。人の確認が必要な作業には印を付け、その日のうちに相手へ連絡します。今年の春の展示会では、写真の許可を最初の週にもらい、入稿の3日前には原稿を仕上げることができました。仕事の進め方の基本は、仕事の段取りで失敗しない方法でも紹介しています。「締め切りは、守るための日じゃなくて、組み立てを始めるための日なんだな」。まなぶは、余裕を持って届いたパンフレットの箱を見ながら、そう思いました。

5おすすめサービス

仕事の失敗を減らすために

締め切りを守るには、仕事を小さな作業に分けて期限を付けることと、人を待つ作業をチームで見える形にしておくことが役立ちます。

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時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

仕事を小さな作業に分けて、それぞれに期限を付けて一覧にできるタイプです。締め切りから逆に数えた小さな締め切りを書きこんでおけば、遅れに早く気づけます。抱えている仕事の重なりも、一目で確かめられます。

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B
業務プロセスから見直したい人向け

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チームの仕事の流れや、確認・承認のやりとりを整理することから支援してくれるタイプです。誰の返事を待っているのかがチームで見えるようになれば、締め切り前に慌てることも減っていきます。

相談してみる

まなぶまなぶ
締め切りの日は覚えていたのに、写真の許可を取るのを忘れていて、入稿が遅れてしまいました…。
みらいみらい
締め切りは、最後の日ではなく、そこから逆に段取りを組むための目印です。小さな締め切りを決めて、人を待つ作業はいちばん先に頼みましょう。遅れそうなら、早めの相談が周りを助けます。
まなぶまなぶ
締め切りを知っているだけじゃ、守れないんですね。

締め切りを守れない原因は、締め切りの日だけを覚えて、逆に数えた段取りや人を待つ作業を考えないまま、「まだ大丈夫」と進めてしまうことです。小さな締め切りを決め、人を待つ作業を先に頼み、重なりを確かめ、遅れそうなら早めに相談する。それだけで、締め切りはぐっと守りやすくなります。仕事の進め方とミスへの対応で失敗しないための考え方は、仕事の進め方とミス対応の失敗から学ぶでまとめています。

仕事の進め方・ミス対応については、仕事でメモを取らずに後悔する理由や同じミスを繰り返して失敗した話もあわせて読んでみてください。

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