結論

転職したばかりで副業を始めて失敗する人の多くは、「新しい会社にも慣れてきたし、今のうちに副業も始めよう」と考えて、新しい職場のルールや、本業に慣れるまでにかかる力を見積もらないまま、副業を始めてしまう人です。転職したばかりの時期は、気持ちが前向きになり、新しいことを始めたくなるものです。けれど、新しい職場で信頼を築く時期と、副業を立ち上げる時期が重なると、どちらも中途半端になりやすいのです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、転職したばかりで副業を始めるときに失敗しない方法を解説します。

1失敗ストーリー

転職して3か月、本業も副業も、どちらも崩れかけた

ボルダリングジムのマットに座って、前の職場の後輩のAさんから転職後の副業の話を聞くまなぶのイラスト

この話は、まなぶが週末に通っているボルダリングジムで、偶然再会したAさんから聞いたものです。Aさんは、まなぶの前の職場の後輩で、20代後半の女性です。壁の前のマットに座って休憩していたとき、まなぶが「転職したって聞いたけど、新しい職場はどう?」と聞くと、Aさんは手についたチョークを払いながら、「実は、副業でやらかしちゃって」と苦笑いしました。

Aさんは、今年の春に旅行会社の企画の仕事に転職しました。新しい職場は、前の会社よりも残業が少なく、3か月ほどたつと、平日の夜に時間ができるようになりました。「この時間を使って、前からやりたかった副業を始めよう」。そう考えたAさんは、Webライターとして、記事を書く仕事を受け始めました。書くことは好きでしたし、旅行の記事なら本業の知識も生かせると思ったのです。

ところが、Aさんは、新しい会社の就業規則をよく読んでいませんでした。副業には事前の申請が必要で、試用期間中は副業を控えるように、と定められていたのです。そのことに気づいたのは、副業を始めて1か月がたったころ、同期との雑談で「うちの会社、副業は申請制だよね」と聞いたときでした。Aさんは慌てて人事に相談し、試用期間が終わるまで、副業をいったん止めることになりました。受けていた仕事の依頼主には、事情を説明して、納期を延ばしてもらうしかありませんでした。

問題は、ルールだけではありませんでした。副業を続けていた1か月の間、Aさんは夜遅くまで記事を書き、本業の企画書の締め切りに追われていました。新しい職場では、まだ仕事の進め方も、誰に何を聞けばよいかも分かっていない時期でした。疲れから小さなミスが続き、上司から「最近、少し疲れているように見えるけど、大丈夫?」と声をかけられたそうです。副業の記事も、締め切りに追われて見直しが足りず、依頼主から何度も修正を頼まれていました。

「新しい職場で信頼してもらう一番大事な時期に、自分から信頼を減らしていたんですよね」。Aさんはそう言って、もう一度壁を見上げました。まなぶは、自分も転職したばかりのころ、新しい職場に慣れるだけで精一杯だったことを思い出していました。覚えることの多い時期は、思っている以上に心の余裕がなくなるものです。

2解決策

転職したばかりで副業を始めるときに失敗しない方法

1

新しい会社の副業のルールを、最初に確かめる

副業のルールは、会社によって大きく違います。前の会社で副業が自由だったとしても、新しい会社でも同じとは限りません。副業が認められているか、申請が必要か、試用期間中の扱いはどうかを、就業規則や人事の担当者に確かめてから始めましょう。入社前の面談で確認しておくと、さらに安心です。分からないことを入社直後に聞くのは、恥ずかしいことではありません。むしろ、ルールを守ろうとする姿勢として受け止めてもらえます。

2

本業に慣れるまでの期間を、見積もっておく

新しい職場では、仕事の中身だけでなく、人の名前や社内の進め方を覚えるのにも力を使います。残業が少なく見えても、頭と心は思っている以上に疲れているものです。「入社して半年は本業に集中する」など、本業に慣れるまでの期間を先に決めておき、副業はそのあとに始める計画を立てましょう。待っている間は、副業で使うスキルの勉強や、どんな仕事を受けたいかを考える準備の期間にすると、始めてからの立ち上がりも早くなります。

3

始めるなら、小さく、締め切りのゆるい仕事から

どうしても早く始めたい場合は、締め切りに余裕のある仕事を、月に数件だけ受けるところから始めましょう。本業の繁忙期と、副業の締め切りが重ならないように、受ける仕事の量と時期を自分で調整できる形にしておくことが大切です。最初から毎週の連載など、決まった締め切りのある仕事を受けるのは避けましょう。慣れてきたら、少しずつ量を増やしていけば十分です。

4

本業の知識を、副業で使ってよいか確かめる

Aさんのように、本業と近い分野で副業をするときは、とくに注意が必要です。本業で知った情報や企画を、副業の記事に書いてしまうと、会社とのトラブルになるおそれがあります。本業と近い分野の副業ほど、申請のときに内容をくわしく伝えて、確認してもらうようにしましょう。分野を少しずらすだけで、気をつけることがぐっと減る場合もあります。

5

疲れのサインが出たら、副業から減らす

上司から「疲れていない?」と声をかけられたり、本業で小さなミスが続いたりしたら、それは働きすぎのサインです。そんなときは、本業ではなく、副業の量から減らすと決めておきましょう。新しい職場での信頼は、一度失うと取り戻すのに時間がかかります。副業は、いつでも再開できます。休むときは、依頼主に早めに伝えておけば、信頼を損ねずにすみます。

3図解

転職したばかりで副業に失敗する流れと、うまく両立できる流れの違い

⚠ 転職したばかりで副業に失敗するパターン
時間ができたからと、ルールを確かめずに副業を始める
↓
本業に慣れないまま、副業の締め切りに追われる
↓
申請の必要を知り、本業でも副業でもミスが続く
↓
新しい職場の信頼も、副業の評価も下げてしまう
◎ 転職したばかりでも副業とうまく両立できるパターン
副業のルールと試用期間の扱いを、最初に確かめる
↓
本業に慣れる期間を決め、そのあと小さく始める
↓
疲れのサインが出たら、副業の量から減らす
↓
新しい職場で信頼を築きながら、副業も育てられる
4チェックリスト

転職したばかりで副業を始める前のチェックリスト

転職したばかりの時期は、副業を始める前に確かめておくことが多くあります。次の項目を一つずつ確認してみてください。

  • 新しい会社の就業規則で、副業のルールを確かめた
  • 試用期間中の副業の扱いを確かめた
  • 副業の申請に必要な内容を確かめた
  • 本業に慣れるまでの期間を決めた
  • 本業の繁忙期と、副業の締め切りが重ならないようにした
  • 疲れたときは副業から減らす、と決めた

Aさんは、試用期間が終わったあと、人事に副業の申請を出し、内容をくわしく伝えて許可をもらいました。今は、旅行とは関係のない分野の記事を、月に3件ほど、締め切りに余裕のある仕事だけ受けているそうです。「急いで始めるより、職場で信頼されてから始めたほうが、ずっと気持ちが楽でした」。そう言うと、Aさんは「じゃあ、もう一本登ってきます」と立ち上がり、壁のほうへ歩いていきました。その背中は、以前よりずっと身軽に見えました。

※副業のルールは会社によって異なります。就業規則で副業が禁止されていたり、申請が必要だったりする場合があります。また、副業の収入によっては、確定申告や住民税の申告が必要になります。転職した年は、前の会社と新しい会社の源泉徴収票の扱いにも注意しましょう。
5おすすめサービス

副業の始め方に迷ったら

転職したばかりで副業を始めるときは、本業と副業の時間を見える形にして、無理のないペースを自分で決めることが大切です。

A
時間の使い方を見える化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

本業と副業の予定や締め切りを、ひとつの場所で見える形にできるタイプです。本業の繁忙期と副業の締め切りが重ならないように、前もって調整するのに役立ちます。

詳細を見てみる

B
働き方や単価を相談したい人向け

フリーランス・キャリア相談サービス【ポテパンフリーランス】

自分のスキルの適正な価格帯や、仕事の受け方について相談できるタイプです。本業とのバランスを考えながら、副業の進め方を整理したい人に向いています。

相談してみる

まなぶまなぶ
Aさんは、転職して3か月で副業を始めたら、申請が必要だと知らずに、本業でもミスが続いてしまったそうです…。
みらいみらい
転職したばかりの時期は、新しい職場で信頼を築く大切な時期です。副業のルールを確かめて、本業に慣れてから小さく始めましょう。
まなぶまなぶ
急いで始めるより、職場で信頼されてから始めたほうがいいんですね。

転職したばかりで副業を始めて失敗する原因は、新しい職場のルールを確かめず、本業に慣れるまでにかかる力を見積もらないまま、副業を始めてしまうことです。副業のルールを最初に確かめ、本業に慣れる期間を決め、小さく始めて、疲れたら副業から減らす。それだけで、新しい職場の信頼と副業の両方を守ることができます。副業を始めるときに失敗しないための考え方は、副業スタートの失敗から学ぶでまとめています。

副業の始め方については、家族に相談せずに副業を始めて後悔する理由や副業コミュニティに入って後悔する理由もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています