異業種から介護職へ転職して失敗した話
異業種から介護職への転職で失敗する人の多くは、「人の役に立ちたい」という思いだけで飛び込み、施設の種類による働き方の違いや、体への負担、給料の仕組みを確かめないまま転職先を決めてしまう人です。介護の仕事は、未経験から始める人も多く、これまでの仕事で身につけた気配りや段取りの力が生きる仕事です。けれど、どの施設で、どんな働き方をするのかを確かめずに選ぶと、思いがあっても続けられなくなることがあります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、異業種から介護職へ転職して失敗した原因と、転職の前に準備したいことを解説します。
思いはあった。でも、体と暮らしがついていかなかった
ある平日の夜、まなぶは、近所のスポーツジムで顔なじみのAさん(40代男性)と、トレーニングのあとにロビーのベンチで話をしました。父が介護のサービスを使い始めてから、介護の仕事に関心を持っていたまなぶが話を振ると、Aさんは「実は僕、去年、介護の仕事に転職したんだよ」と教えてくれました。そして、少し苦笑いしながら、「最初の転職は、失敗だったけどね」と続けました。
Aさんは、飲食店の店長として15年働いてきました。夜遅くまでの営業と休みの少なさに疲れていたころ、祖母が介護施設でお世話になったことをきっかけに、「今度は人の役に立つ仕事がしたい」と考えるようになりました。介護の仕事について調べたのは、求人サイトを少し見た程度です。家から近く、すぐに内定が出た入所型の介護施設に、42歳で転職を決めました。職場を見学することも、ほかの施設と比べることもしませんでした。
ところが、働き始めてみると、思っていた以上に体への負担が大きい仕事でした。ベッドから車いすへの移動を手伝う場面が何度もあり、3か月ほどで腰を痛めてしまいました。月に何回か入る夜勤では、生活のリズムが崩れ、休みの日も体が重く感じられました。給料も、夜勤の手当を含めて、ようやく前の仕事に近づくくらいで、夜勤を減らすと収入が下がってしまいます。介護の知識もほとんどないまま入ったため、先輩に聞きながら覚える毎日に、気持ちも追いつかなくなっていきました。
Aさんは8か月でその施設を辞め、資格の講座を受けてから、夜勤のない日中だけのデイサービスに移りました。今は、利用者さんと話す時間が楽しく、飲食店で身につけた気配りも生きていると感じているそうです。「介護の仕事を選んだことは間違ってなかった。でも、介護の仕事の中にもいろいろな働き方があることを、最初に知っておくべきだった」。「介護の仕事がしたい」とは思っていたけれど、「どんな介護の仕事を、どう続けたいか」は考えていなかった。まなぶは、汗をふきながら話すAさんの言葉に、静かにうなずきました。
異業種から介護職へ転職して失敗した5つの原因
施設の種類による働き方の違いを知らなかった
介護の仕事には、利用者が暮らす入所型の施設、日中だけ通ってくる人を支えるデイサービス、利用者の自宅を訪ねる訪問介護など、さまざまな職場があります。職場の種類によって、夜勤の有無も、1日の流れも、体への負担も大きく違います。「介護の仕事」とひとくくりにせず、自分の体力や暮らしに合う職場の種類から考えることが大切です。見学ができる職場なら、実際の1日の流れを見てから決めると安心です。
体への負担を想定していなかった
介護の仕事では、ベッドから車いすへの移動や、入浴の手伝いなど、体を使う場面がたくさんあります。正しい体の使い方を知らないまま続けると、腰などを痛めてしまうこともあります。転職の前に、どんな介助がどれくらいあるのかを確かめ、体を痛めにくい介助の方法を教えてもらえる職場かどうかも聞いておきましょう。介助を助ける機器を取り入れている職場もあります。体を守る工夫がある職場を選ぶことは、長く続けるための大切な条件です。
給料の仕組みと夜勤の関係を確かめなかった
介護の仕事の給料は、職場や地域、資格の有無によって大きく変わります。入所型の施設では、夜勤の手当が給料の大きな部分を占めることもあります。夜勤を減らすと収入がどれくらい変わるのか、資格を取ると給料がどう上がるのかを、転職の前に確かめておきましょう。前の仕事と比べて、暮らしを無理なく続けられる金額かどうかを計算しておくことが大切です。手当を含めた金額だけでなく、基本給がいくらなのかも見ておきましょう。
知識を身につけないまま入った
未経験から介護の仕事を始めることはできますが、基本の知識や介助の方法を知らないまま入ると、毎日が覚えることばかりで、心にも体にも余裕がなくなります。介護の基本を学べる研修や講座を、転職の前に受けておくと、入ってからの戸惑いを大きく減らせます。資格の講座を受けておくことは、自分がこの仕事を続けたいかを確かめる機会にもなります。学んだ知識があれば、入ってからの成長も早くなります。
「人の役に立ちたい」だけで決めた
「人の役に立ちたい」という思いは、介護の仕事を続けるうえで大きな支えになります。けれど、思いだけで決めると、働き方や給料、体力といった現実の条件が合わなかったときに、続けることが難しくなります。思いを大切にしながら、「どの職場で、どんな働き方なら長く続けられるか」を、具体的な条件で考えておきましょう。前の仕事で身につけた力が、介護のどんな場面で生きるのかを考えておくのもおすすめです。
介護職への転職で失敗する人と、長く続けられる人の違い
異業種から介護職への転職を考えたときのチェックリスト
介護の仕事は、異業種からの挑戦を受け入れてくれる職場がたくさんある仕事です。転職を考え始めたら、次の項目を確かめてみてください。
- 入所型・デイサービス・訪問介護など、職場の種類の違いを調べた
- 気になる職場を見学し、1日の流れを確かめた
- 夜勤の有無と回数、夜勤を減らしたときの給料を確かめた
- 介助の方法を教えてもらえるか、職場に確かめた
- 介護の基本を学べる研修や講座を調べた
- 前の仕事で身につけた力が、介護のどの場面で生きるかを考えた
ベンチを立つとき、Aさんは「飲食店で毎日お客さんの顔を見てきたことが、今の仕事でいちばん役に立ってるんだ」と笑いました。まなぶは、やりたい仕事に就くことと、その仕事を続けられることは、同じくらい大切なのだと感じました。
自分に合う介護の職場を探すなら
異業種から介護の仕事を目指すときは、職場の種類ごとの働き方や給料の違いをよく知る専門家に相談しながら探すのがおすすめです。
完全無料で転職のプロをパーソナルマッチング【転職AGENT Navi】
特定の業界・職種に精通し、専門性の高い求人や業界特有の情報を持っているタイプ。介護の職場の種類ごとの働き方や、夜勤の体制、給料の違いについて、具体的な情報を聞ける場合があります。総合型と併用することで視点を補い合えます。
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求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。介護の仕事と、これまでの経験が生きるほかの仕事を並べて比べながら、自分に合う働き方を考えられます。まず全体像を把握したい人に向いています。
まなぶ
みらい
まなぶ異業種から介護職への転職で失敗する原因は、「人の役に立ちたい」という思いだけで、職場の種類による働き方の違いや、体への負担、給料の仕組みを確かめないまま転職先を決めてしまうことです。職場の種類を調べて見学し、夜勤と給料の関係を確かめ、基本を学んでから選ぶ。それだけで、介護の仕事は長く続けられる仕事になります。業界や職種を変える転職で失敗しないための考え方は、公務員から民間転職の失敗から学ぶでまとめています。
業界・職種を変える転職については、人事職への転職で後悔する理由や人材業界への転職で後悔する理由もあわせて読んでみてください。

