最終出社日までの過ごし方で失敗しない方法
最終出社日までの過ごし方で失敗しないためには、「もう辞める会社だから」と気を緩めず、最後の日まで、挨拶・情報の扱い・身の回りの片づけを丁寧に終わらせることが大切です。業界が近ければ、前の職場の人とはまたどこかで仕事をすることがあります。最後の数週間の振る舞いは、そのまま「あの人はこういう辞め方をした」という記憶として残ります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、最終出社日までにやりがちな失敗と、気持ちよく次へ進むための過ごし方を解説します。
最終出社日の夕方、呼び止められて
まなぶが前の会社を辞めたときのことです。引き継ぎもひと通り終わり、最後の2週間は気持ちに余裕がありました。「ここまで来たら、あとは消化試合だな」。少し遅れて出社する日が増え、昼休みには転職先の業界のニュースばかり読んでいました。
最終出社日の前日、まなぶは「これまで自分が作ってきた提案資料は、次の会社でも参考になるかもしれない」と思い、いくつかのファイルを個人で使っているクラウドのフォルダにコピーしました。自分が作ったものだし、問題ないだろう、と軽く考えていたのです。
最終出社日の朝には、全社に挨拶のメールを送りました。感謝の言葉のあとに、つい「この会社では実現できなかったことに、次の職場で挑戦します」と書き添えました。担当していた取引先には、「後任から連絡があると思います」とだけ伝え、直接の挨拶はしていませんでした。
夕方、デスクの私物を段ボールに詰めていると、情報システム部の担当者から声をかけられました。「少しお時間いいですか。昨日、社外のクラウドにファイルがアップロードされた記録があるのですが……」。小さな打ち合わせスペースで記録を見せられ、まなぶは青ざめました。社内の資料を会社の外に持ち出すことは、就業規則で禁止されていたのです。その場でファイルを削除し、事情を説明して謝りました。大ごとにはなりませんでしたが、最後に残ったのは、気まずい空気でした。
さらに翌週、新しい会社に向かう途中で、元の後輩からメッセージが届きました。「取引先から、まなぶさんから直接挨拶がなかったと言われてしまって……」。挨拶メールの一文を見た上司が、少し寂しそうにしていたことも聞きました。引き継ぎは終わっていても、辞め方は終わっていなかった。まなぶは、最後の2週間の過ごし方を深く後悔しました。
最終出社日までに失敗してしまう原因
「もう辞めるから」と気が緩んでいる
退職日が近づくと、どうしても気持ちは次の職場に向かいます。しかし、遅刻が増えたり、仕事の手を抜いたりする姿は、周りの人にしっかり見られています。最後の数週間の印象は、それまで何年も積み上げてきた評価を簡単に上書きしてしまいます。退職日までは今の会社の一員として、いつもどおりの働き方を続けることが、円満退職の基本です。転職先の業界は意外と狭く、前の職場の上司や同僚と、取引先や同業者として再会することも珍しくありません。最後の印象は、将来の自分の仕事にも影響するのです。
会社の資料やデータを持ち出してしまう
自分が作った資料でも、仕事として作ったものは会社の情報です。多くの会社では、社内の情報を外部に持ち出すことを就業規則や秘密保持の約束で禁じています。「自分の実績だから」という感覚で持ち出すと、思わぬトラブルにつながります。次の職場で役立てたいのは、資料そのものではなく、資料を作る中で身についた考え方や経験です。必要なら、自分の言葉で学びを書き出しておきましょう。たとえば「提案が通りやすかった資料の構成」「取引先とのやり取りで気をつけていたこと」などを、具体的な社名や数字を含めずにメモしておけば、次の職場でも十分に活かせます。迷ったときは、持ち出してよいものかどうかを上司や担当部署に確認するのが確実です。
挨拶メールに不満がにじんでしまう
最終出社日の挨拶メールは、多くの人の目に触れ、ときには転送されることもあります。「この会社ではできなかった」「環境を変えたい」といった言葉は、書いた本人にその気がなくても、残る人には会社への不満として伝わります。挨拶メールは、感謝と、今後もつながりたいという気持ちだけを短く伝えるのが基本です。転職先の社名を書くかどうかも、会社の慣習に合わせて慎重に判断しましょう。
取引先や関係者への挨拶を後任任せにする
長くお世話になった取引先に、何も言わずに担当が変わると、相手は不安を感じます。後任への信頼にも影響します。後任と一緒に挨拶に行く、難しければ電話やメールで直接伝えることで、取引先との関係を後任にきちんと手渡せます。挨拶の時期は、後任が決まった段階で早めに済ませておくのが理想です。引き継ぎそのものが不十分だった話は、引き継ぎ不足のまま転職して失敗した話で紹介しています。
最終出社日の段取りを決めていない
最終出社日は、挨拶まわり、私物の片づけ、貸与品の返却、書類の受け取りなど、やることが意外と多い一日です。段取りを決めていないと、肝心な挨拶の時間がなくなったり、返すものや受け取るものを忘れたりします。最終出社日のあとに有給休暇の消化に入る場合は、実質的にその日が最後の出社になるため、なおさら準備が大切です。有給休暇の消化の進め方は、有給消化交渉で失敗しない方法でも紹介しています。
最終出社日までに失敗する人と、気持ちよく去る人の違い
最終出社日までに失敗しないためのチェックリスト
最終出社日までの過ごし方は、退職日の2週間前くらいから段取りを決めておくと、慌てずに済みます。次の項目を確認しておきましょう。
- 退職日まで、勤務時間や仕事への向き合い方をいつもどおりに保っている
- 社内の資料やデータを、個人のフォルダや端末にコピーしていない
- 取引先や社外の関係者に、後任と一緒に、または直接、挨拶を済ませた
- 挨拶メールは、感謝と今後のつながりを伝える短い内容にした
- お世話になった人に、直接お礼を伝える時間を最終出社日の予定に入れた
- 貸与品の返却と、受け取る書類の確認を最終出社日の段取りに入れた
挨拶メールは、たとえば「これまで大変お世話になりました。皆さまと一緒に仕事ができたことは、私にとって大きな財産です。今後とも、どこかでご一緒できる日を楽しみにしています」くらいの短さで十分です。辞める理由や次の職場への意気込みは、親しい人に直接伝えれば十分で、全体に向けて書く必要はありません。
貸与品の返却や、源泉徴収票などの受け取る書類の確認も、最終出社日の段取りの一つです。退職後の手続きで慌てた話は、退職後の手続きを後回しにして失敗した話で紹介しています。まなぶは次の転職では、最終出社日の1週間前に、挨拶する人のリストと返却物のリストを作り、一つずつ消しながら最後の日を迎えました。
円満に退職するためのアドバイスがほしいなら
最終出社日までの過ごし方や、挨拶の仕方は、経験者の助言があると安心です。
転職エージェント【ワークポート】
退職の伝え方や引き止めへの対応まで、事前にアドバイスをもらえるタイプです。転職先が決まっている場合、入社日との調整も含めて相談できます。過去の事例をもとに、最終出社日までの段取りや挨拶のコツを教えてもらえることもあります。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。内定から入社までのスケジュールを担当者と一緒に組めるため、退職日までの過ごし方にも余裕を持たせやすくなります。まず全体像を把握したい人に向いています。
まなぶ
みらい
まなぶ最終出社日までの過ごし方で大切なのは、「もう辞めるから」という気の緩みを持ち込まないことです。会社の情報は持ち出さず、感謝を伝える挨拶を済ませ、段取りを決めて最後の日を迎える。そうすれば、前の職場とも良い関係を保ったまま、次の職場へ進めます。内定から退職までの流れ全体で失敗しないための考え方は、内定から退職までの失敗から学ぶでまとめています。
転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

