入社日の調整で失敗する人の特徴5選
入社日の調整で失敗する人の多くは、内定の喜びと「早く来てほしい」という期待に応えたい気持ちから、退職の段取りを確認しないまま入社日を即答してしまう人です。入社日は、今の会社を辞める日と、引き継ぎや有給休暇の消化の期間から逆算して決めるものです。一度伝えた入社日を延ばすと、入社前から転職先の信頼を損ねてしまいかねません。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、入社日の調整で失敗する人の特徴5つと、無理のない入社日の決め方を解説します。
「1か月後から行けます」と言ってしまった
まなぶが初めて転職したときのことです。第一志望の会社から内定の電話をもらったのは、ある月の中旬の夕方でした。人事の担当者はうれしそうに言いました。「できれば早めに来ていただきたいのですが、入社はいつごろ可能ですか?」
舞い上がっていたまなぶは、深く考えずに答えました。「来月の1日から行けると思います!」。今の会社には何も伝えていませんでしたが、1か月あれば何とかなるだろうと思ったのです。人事の担当者は「それは助かります。では来月1日でお願いします」と言い、電話は切れました。
翌日、上司に退職を切り出すと、思わぬ返事が返ってきました。「うちの就業規則では、退職は2か月前までに申し出ることになっているはずだよ。それに、君が持っている案件の引き継ぎはどうするんだ」。慌てて就業規則を確認すると、たしかにそう書いてありました。担当している取引先は5社。後任も決まっていません。上司は困った顔で「せめて年度の区切りまでは、という話もある」と付け加えました。まなぶの頭の中で、転職先の人事に伝えた「来月1日」という日付が、急に重くのしかかってきました。
引き継ぎの段取りを組み直すと、どう考えても退職日は来月末になります。有給休暇も15日以上、ほとんど手つかずのまま残っています。まなぶは、会社の非常階段の踊り場から転職先の人事に電話をかけ、「大変申し訳ないのですが、入社日を1か月延ばしていただけないでしょうか」と頭を下げました。担当者は了承してくれましたが、電話口の声は前日よりも明らかに硬くなっていました。
入社後、上司から「最初の入社日に合わせて、研修の準備をしていたんだよ」と言われ、まなぶは改めて恥ずかしくなりました。入社日は、喜びの勢いで決めるものではなかった。今の会社を辞めるまでに何が必要かを確かめてから答えるべきだったと、まなぶは強く反省したのです。
入社日の調整で失敗する人の特徴5選
内定の電話でその場で入社日を即答する
内定の連絡を受けたときは、うれしさと、相手の期待に応えたい気持ちで、つい前向きな返事をしたくなります。しかし、入社日はその場で決める必要はありません。「退職の段取りを確認して、〇日までにお返事します」と伝えれば、失礼にはなりません。むしろ、確認してから答えるほうが、仕事を丁寧に進める人だという印象につながります。回答の期限は、2〜3日から1週間程度で区切って伝えておくと、相手も予定を立てやすくなります。
就業規則の退職の申し出期限を確認していない
法律上は、期間の定めのない雇用であれば、退職の申し出から2週間で辞められるとされています。ただ、実際には多くの会社が就業規則で「1か月前まで」「2か月前まで」といった申し出の期限を決めていて、円満に辞めるならその期限に沿って進めるのが一般的です。就業規則を確認しないまま入社日を決めると、今の会社と転職先の間で板挟みになってしまいます。退職の切り出し方や、引き止めへの備えは、退職交渉で後悔する理由でも紹介しています。
引き継ぎにかかる期間を見積もっていない
担当している業務や取引先が多いほど、引き継ぎには時間がかかります。後任が決まるまでに時間がかかることもありますし、取引先への挨拶まわりも必要です。月末や年度末などの繁忙期と重なれば、思うように時間が取れないこともあります。引き継ぎの期間を甘く見積もると、最後の数週間がとても慌ただしくなり、職場にも迷惑をかけてしまいます。引き継ぎ不足のまま辞めてしまった話は、引き継ぎ不足のまま転職して失敗した話で紹介しています。
有給休暇の残りを入社日の計算に入れていない
有給休暇がたくさん残っている場合、引き継ぎを終えたあとに消化してから退職する、という流れが一般的です。入社日をぎりぎりに設定すると、有給休暇を使い切れないまま辞めることになりがちです。有給休暇の残り日数を確認し、消化する期間も含めて退職日を考えることが大切です。有給休暇の消化の進め方は、有給消化交渉で失敗しない方法も参考にしてください。
一度決めた入社日を軽く考えている
転職先は、入社日に合わせて、パソコンや社員証の手配、研修や配属先の受け入れの準備を進めています。一度決めた入社日を延ばすと、その準備がやり直しになります。入社日は、転職先との最初の約束です。やむを得ず変更する場合は、気づいた時点ですぐに連絡し、理由と新しい日程を具体的に伝えることが、信頼を守るための最低限のマナーです。連絡が遅れるほど、転職先の準備のやり直しも大きくなります。「言いにくいから」と先延ばしにするのが、いちばん信頼を損ねる対応です。
入社日の調整で失敗する人と、うまくいく人の違い
無理のない入社日を決めるためのチェックリスト
入社日を決める前に確認しておくことは、それほど多くありません。内定の連絡が来る前から準備しておくと、当日あわてずに済みます。
- 就業規則で、退職の申し出期限を確認した
- 担当している業務と取引先を書き出し、引き継ぎにかかる期間を見積もった
- 有給休暇の残り日数を確認し、消化する期間を考えた
- 退職日から逆算して、入社日の候補を決めた
- 見積もりに1〜2週間の余裕を持たせた
- 内定の連絡では、入社日の回答期限を決めて持ち帰ると決めている
入社日の目安は、退職を申し出てから1〜2か月後と言われることが多いですが、実際には会社や業務の状況によって違います。大切なのは、「なぜその日なのか」を説明できる入社日を伝えることです。「引き継ぎに1か月、有給休暇の消化に2週間かかるため、〇月〇日からの入社を希望します」と伝えれば、転職先も納得しやすく、受け入れの準備も進めやすくなります。根拠のある日程は、それだけで仕事の段取りができる人だという印象にもつながります。
転職エージェントを利用している場合は、入社日の交渉を担当者に任せることもできます。企業側が早めの入社を強く希望している場合でも、間に入って調整してもらえることがあります。内定をもらったあとは、入社日だけでなく、給与や勤務条件もきちんと書面で確認しておきましょう。条件の確認で失敗しないためのポイントは、内定後の条件確認不足で失敗する人の特徴5選で紹介しています。
入社日の調整を一人で抱え込まないために
入社日の調整は、今の会社と転職先の両方の事情が関わるため、一人で進めると板挟みになりがちです。間に入ってくれる人がいると、ぐっと進めやすくなります。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。内定後の入社日や条件のすり合わせも担当者が間に入って進めてくれる場合があり、今の会社の事情を踏まえた無理のない日程を組みやすくなります。まず全体像を把握したい人に向いています。
転職エージェント【ワークポート】
退職の伝え方や引き止めへの対応まで、事前にアドバイスをもらえるタイプです。転職先が決まっている場合、入社日との調整も含めて相談できます。過去の事例をもとに、伝え方のコツを教えてもらえることもあります。
まなぶ
みらい
まなぶ入社日の調整で失敗しないために大切なのは、うれしさの勢いで即答せず、退職日から逆算して決めることです。就業規則、引き継ぎ、有給休暇。この3つを確かめて少し余裕を持たせた入社日を伝えれば、今の会社にも転職先にも誠実でいられます。内定から退職までの流れ全体で失敗しないための考え方は、内定から退職までの失敗から学ぶでまとめています。
転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

