結論

ボーナスの使い方で失敗する人は、まとまったお金が入った解放感から、使い道を決めないまま少しずつ使い、気づいたときには何も残っていないことが少なくありません。しかも、ボーナスの時期は、年末の帰省や冠婚葬祭など、もともと出費が重なりやすい時期でもあります。ボーナスは、受け取る前に「貯める・備える・使う」の配分を決めておく。決まっている出費を先に確保し、残りを楽しむ分と未来の分に分ける。その一手間が、ボーナスを後悔のないお金に変えてくれます。

1失敗ストーリー

夏のボーナス40万円が、1か月で消えた話

12月の会社の給湯室で、同僚からの旅行の誘いを苦笑いで断るまなぶのイラスト

入社4年目の夏、まなぶはこれまでで一番多い、40万円ほどのボーナスを受け取りました。振り込まれた口座の残高を見て、思わず顔がほころびました。「今回は頑張ったし、少しくらい使ってもいいよな」。

まず、前から欲しかったゲーム機とソフトを買いました。次の週末には、友人と一泊の温泉旅行へ。同僚との飲み会にも、いつもより気前よく参加しました。新しいスーツや靴も、「ボーナスがあるから」と迷わず買いました。一つひとつは、それほど大きな買い物ではありませんでした。

ボーナスの使い道を、まなぶは特に決めていませんでした。「40万円もあるんだから、多少使っても大丈夫」。そんな気持ちが、財布のひもを少しずつゆるめていきました。何を買うにも、残高を確かめることはありませんでした。普段なら迷うような値段のものも、「ボーナスがあるから」の一言で、迷わず手に取っていました。

ところが、1か月後に口座の残高を確かめたまなぶは、目を疑いました。40万円あったはずのボーナスが、ほとんど残っていなかったのです。さらに、普段の生活費の不足分もボーナスで埋めていたことに気づきました。何に使ったのかを思い出そうとしても、はっきり思い出せるものはわずかでした。

そして冬。年末に向けて、出費が次々とやってきました。友人の結婚式のご祝儀、年末の帰省の交通費、年に一度の家財保険の更新料。どれも、前から分かっていた出費でした。けれど、まなぶの手元には、それを払う余裕がありませんでした。職場の給湯室で、同僚に「年末、みんなで旅行に行かない?」と誘われたとき、まなぶは苦笑いで断ることしかできませんでした。

冬のボーナスも、会社の業績の影響で夏より少なくなりました。年末の支払いをすませると、ほとんど残りません。「夏のボーナスを少しでも残しておけば、こんなに苦しくならなかったのに」。まなぶは、夏に買ったゲーム機がほとんど使われないまま部屋の隅に置かれているのを見て、ため息をつきました。

まなぶは気づきました。自分はボーナスを「自由に使えるお金」と考えて、使い道を何も決めないまま受け取っていたのです。

2原因分析

ボーナスの使い方で失敗する原因

1

使い道を決めないまま、ボーナスを受け取っている

まなぶは、ボーナスが振り込まれてから使い道を考えていました。まとまったお金が目の前にあると、人はつい気が大きくなり、普段ならしない買い物もしてしまいます。ボーナスの使い道は、振り込まれる前に決めておくことが大切です。受け取る前の冷静なときに配分を決めておけば、その場の気分に流されずにすみます。

2

あとで必ず来る出費を、計算に入れていない

結婚式のご祝儀、帰省の費用、年に一度の保険料や税金など、毎年決まった時期にやってくる出費はたくさんあります。まなぶは、これらを分かっていながら、ボーナスの使い道に入れていませんでした。1年の中で必ず来る大きな出費を書き出し、その分を先にボーナスから確保しておくだけで、年末に慌てることはなくなります。

3

毎月の赤字を、ボーナスで埋める習慣になっている

まなぶは、普段の生活費の不足分を、知らず知らずのうちにボーナスで埋めていました。毎月の家計が赤字のままでは、ボーナスはいつまでも「穴埋めのお金」になってしまいます。ボーナスを本当に自分のために使うには、まず毎月の生活費を給料の中でまかなえるように整えることが大切です。ボーナスに頼らない家計を作ることが、ボーナスを生かすための前提になります。まずは数か月分の家計を振り返り、毎月の支出が給料の範囲に収まっているかを確かめてみましょう。

4

貯める分と使う分を、分けていない

ボーナスを全部使うのも、全部貯めるのも、どちらも長続きしません。使いすぎれば後悔が残り、我慢しすぎれば反動で大きな買い物をしてしまうこともあります。「貯める」「備える」「使う」の3つに分けて、それぞれの割合を決めておくことで、楽しみと安心の両方を手に入れられます。使う分は、罪悪感なく楽しむためのお金だと考えましょう。割合に正解はありませんが、たとえば「決まった出費を確保した残りを、貯める・備える・使うで3等分する」といった簡単なルールから始めると、迷わずに分けられます。

5

ボーナスの額が、毎回同じだと思い込んでいる

ボーナスは、会社の業績や評価によって増えることもあれば、減ることもあります。まなぶは、夏と同じくらいの額が冬にも出ると思い込み、先の出費を冬のボーナスでまかなおうと考えていました。ボーナスをあてにした計画は、額が減ったときに崩れてしまいます。特にボーナス払いのような、ボーナスを前提にした支払いは、慎重に考えることが大切です。ボーナスは「出たら配分するお金」と考え、出る前から使い道を約束しないことが、安心につながります。

3図解

ボーナスで後悔する人と、上手に使える人の違い

⚠ 後悔する人のボーナスの使い方
振り込まれてから、気分のままに使い始める
↓
毎月の赤字の穴埋めにも、知らずに使っている
↓
年末の決まった出費のときに、お金が残っていない
↓
何に使ったか分からないまま、後悔だけが残る
◎ 上手に使える人のボーナスの使い方
受け取る前に、1年の決まった出費を書き出す
↓
「貯める・備える・使う」の配分を決めて分ける
↓
使う分は、決めた範囲で思い切り楽しむ
↓
楽しみと安心の両方が残るボーナスになる

2つの使い方の違いは、ボーナスの額ではありません。ボーナスを「臨時のおこづかい」と考えるか、「1年の家計を整えるための大切なお金」と考えるかの違いです。

ボーナスを上手に使っている人も、決して我慢ばかりしているわけではありません。先に決まった出費と未来の分を確保しているからこそ、残りのお金を気持ちよく使えるのです。配分を決めることは、楽しみを減らすことではなく、楽しみを後悔に変えないための工夫です。

4解決策

ボーナスの使い方で失敗しないためのチェックリスト

  • ボーナスが振り込まれる前に、使い道を紙やメモに書き出す
  • 1年の中で必ず来る大きな出費(冠婚葬祭・帰省・年払いの支払いなど)を確保する
  • 「貯める」「備える」「使う」の割合を決めて、口座を分ける
  • 毎月の生活費の穴埋めにボーナスを使っていないかを確かめる
  • ボーナス払いなど、ボーナスをあてにした支払いは慎重に考える
  • 使う分は、決めた範囲の中で思い切り楽しむ

まずは「次のボーナスが入る前に、来年までに必ず来る出費を書き出してみる」ことから始めてみてください。決まった出費が見えるだけで、ボーナスのうち本当に自由に使える額がはっきりし、安心して楽しめるようになります。

ボーナスは、1年の頑張りへのご褒美であると同時に、家計を整えるための大切なお金でもあります。受け取る前に配分を決め、決まった出費と未来の分を確保し、残りを思い切り楽しむ。その順番を守るだけで、ボーナスは後悔ではなく、安心と満足を残してくれるお金になります。

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まなぶまなぶ
夏のボーナス40万円が、1か月でほとんどなくなっていました…。年末の結婚式や帰省のお金まで、足りなくなってしまって。
みらいみらい
頑張ったご褒美を楽しむのは、とても大切なことですよ。次のボーナスは、受け取る前に「貯める・備える・使う」を決めてみましょう。配分さえ決めておけば、使う分は思い切り楽しめます。

ボーナスの使い方で失敗する人は、使い道を決めないまま受け取り、まとまったお金の解放感から少しずつ使ってしまいがちです。受け取る前に1年の決まった出費を書き出し、「貯める・備える・使う」の配分を決めて分け、毎月の赤字の穴埋めにしないように家計を整える。その準備が、ボーナスを後悔のない、安心と満足の残るお金に変えてくれます。

貯める・備える・増やすを正しい順番で整えていく考え方は、お金の土台づくりの失敗から学ぶでまとめています。

お金を増やし始める前に知っておきたい失敗のポイントについては、NISAで失敗する人の特徴でもまとめています。あわせて読んでみてください。

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