働きながらの資格の勉強で失敗しない方法
働きながらの資格の勉強で失敗する人の多くは、「平日の夜と週末にがんばれば、なんとかなる」と考えて、仕事や家の用事で毎日の予定がどう変わるかを見込まないまま、勉強の計画を立ててしまう人です。働きながらの勉強では、残業や急な用事で、予定どおりに時間がとれない日が必ず出てきます。そのたびに計画が崩れ、焦りだけが大きくなっていきます。働きながらの資格の勉強は「空いた時間でやるもの」ではなく、「崩れることを前提に、時間を先に確保するもの」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、働きながらの資格の勉強で失敗しない方法を解説します。
毎晩2時間の計画が、1か月で崩れたAさんの話
まなぶは、データ分析の資格の勉強を始めてから、出勤前に駅前のカフェに寄るようになりました。毎朝、窓ぎわの同じ席で問題集を広げているのが、Aさん(30代女性)です。何度か顔を合わせるうちに、言葉を交わすようになりました。Aさんは、家電の販売会社の本部で経理の仕事をしていて、小学生の子どもが2人いるそうです。ある朝、Aさんは「この朝の時間にたどり着くまでに、一度失敗しているの」と話してくれました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
去年の春、Aさんは、お金の専門家の資格であるファイナンシャル・プランニング技能士の2級を目指すことにしました。経理の仕事に生かせるうえ、家のお金のことにも役立つと思ったからです。計画は、「平日は子どもが寝たあとの夜9時から11時まで、週末は4時間ずつ」。手帳にその予定を書きこんで、勉強を始めました。
けれども、計画どおりに勉強できたのは、最初の1週間だけでした。月末と月初めは、経理の締めの仕事で帰りが遅くなります。子どもが熱を出した夜もありました。夜9時にテキストを開いても、疲れて眠ってしまう日が続きました。週末は、子どもの習いごとの送り迎えや家の用事で、4時間はおろか1時間もとれない日もありました。予定どおりにいかない日を、計画の中に一つも見込んでいなかったのです。
1か月たったころ、Aさんの勉強は、計画の半分も進んでいませんでした。手帳に書いた予定と、実際の自分の毎日の差を見るたびに、気持ちが沈んでいきました。そして、その年の試験は受けるのをあきらめました。「時間はあると思っていたけれど、それは何も起きない日の時間だったんだよね」。Aさんは、カフェのカップを両手で包みながら、少し笑ってそう話しました。
働きながらの資格の勉強で失敗する5つの原因
何も起きない日を基準に、計画を立てていた
勉強の計画を立てるとき、仕事も家の用事も順調にいく日を思い浮かべがちです。けれども、働きながらの毎日には、残業や体調不良、家族の予定など、思いがけないことが必ず起きます。計画は「いちばん忙しい週でもできる量」を基準にして、余裕のある日は少し多めにやると考えましょう。最初から少なめに見積もっておけば、計画が崩れて焦ることが少なくなります。予定どおりにいかない日があることを、最初から計画に入れておくのがコツです。
疲れている時間に、勉強を入れていた
仕事と家事を終えた夜は、体も頭も疲れています。その時間に難しい内容を勉強しようとしても、なかなか頭に入りません。自分がいちばん集中できる時間を見つけ、そこを勉強の時間として先に確保することが大切です。Aさんの場合は、出勤前の朝の時間が、いちばん落ち着いて勉強できる時間でした。朝が難しければ、昼休みの15分や、通勤の時間など、短くても集中できる時間を探してみましょう。
仕事の忙しい時期を、見込んでいなかった
働く人には、月末や年度末など、毎年決まって忙しくなる時期があります。その時期に、たくさん勉強する計画を立てても、うまくいきません。試験の日から逆に数えるとき、仕事の忙しい時期を先に書き出し、その時期は勉強の量を少なくしておくようにしましょう。反対に、仕事が落ち着いている時期に、多めに進めておくと安心です。仕事の予定と勉強の計画を、同じ手帳に並べて書くと、無理のない計画が立てやすくなります。
家族に、勉強のことを相談していなかった
家族と暮らしていると、自分一人の都合だけで時間を決めることはできません。Aさんも、夜や週末の時間を、家族と話さないまま勉強の時間にしていました。家族に「試験を受けたいので、この時間だけは勉強させてほしい」と伝え、家事や送り迎えの分担を話し合っておくと、時間を確保しやすくなります。試験の日を家族に伝えておけば、応援してもらえることもあります。家族の協力は、働きながら勉強を続けるための大きな支えです。
短い時間を、生かしていなかった
「勉強は、まとまった時間がないとできない」と思っていると、忙しい日は何もしないまま終わってしまいます。けれども、通勤の電車や、昼休み、子どもの習いごとの待ち時間など、毎日の中には5分、10分の短い時間がたくさんあります。そうした時間には、用語の確認や、問題を1問解くなど、短くてもできる勉強をあてましょう。スマートフォンで問題を解けるようにしておくと便利です。短い時間を積み重ねると、1週間でまとまった勉強の時間になります。まとまった時間には、新しい内容を読む勉強を、短い時間には、覚えたことを確かめる勉強をと、時間の長さで勉強の中身を分けると効果的です。
空いた時間で勉強する人と、時間を先に確保する人の違い
働きながらの資格の勉強で失敗しないためのチェックリスト
働きながら資格の勉強を始めるときは、計画を立てる前に、次の項目を確かめてみてください。崩れにくい計画は、毎日の生活をよく見ることから生まれます。
- いちばん忙しい週でもできる量を基準にして、計画を立てた
- 自分がいちばん集中できる時間を見つけて、先に確保した
- 仕事の忙しい時期を書き出し、その時期は勉強の量を減らした
- 仕事の予定と勉強の計画を、同じ手帳に並べて書いた
- 家族に試験のことを伝え、家事や送り迎えの分担を話し合った
- 通勤や待ち時間にできる、短い勉強を用意した
Aさんは、翌年にもう一度挑戦するとき、計画の立て方を変えたそうです。平日は、子どもを夫に任せて少し早めに家を出て、出勤前に駅前のカフェで30分だけ勉強することにしました。月末と月初めの締めの時期は、通勤の電車で問題を3問解くだけにして、ほかの時期に少し多めに進めました。夫とは、試験までの3か月だけ、週末の午前中の送り迎えを代わってもらう約束をしました。その年の試験で、Aさんは合格できたそうです。「時間は、あるのを待つんじゃなくて、先に取っておくものだったんだよね」。Aさんは、問題集を閉じて、会社に向かっていきました。
資格と学び直しで後悔しないために
働きながら資格の勉強を進めるには、限られた時間で効率よく学べる講座を選ぶことと、仕事と勉強の予定を一緒に見える化することが役立ちます。
法律資格・公務員試験のスクール【伊藤塾】
法律系の資格や公務員試験に加え、FPや社会保険労務士、宅建士などの講座も扱うスクールです。働きながら目指す人は、無料のガイダンスで、限られた時間でどう進めればよいかを聞いておくと、無理のない計画を立てやすくなります。
タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】
仕事の予定と勉強の予定を、まとめて一覧にできるタイプです。忙しい時期を先に入れておき、その時期は勉強のやることを少なくしておけば、崩れにくい計画になります。家族と予定を共有するのにも役立ちます。
まなぶ
みらい
まなぶ働きながらの資格の勉強で失敗する原因は、何も起きない日を基準にして、仕事や家の用事で予定が変わることを見込まないまま、計画を立ててしまうことです。忙しい週を基準にし、集中できる時間を先に確保し、忙しい時期は量を減らし、家族と分担を話し合い、短い時間も積み重ねる。それだけで、働きながらでも、試験の日まで勉強を続けられます。勉強法と試験対策で失敗しないための考え方は、勉強法・試験対策の失敗から学ぶでまとめています。
勉強法・試験対策については、資格の勉強が続かない人の特徴5選や資格試験の当日に失敗した話もあわせて読んでみてください。

