残業を断れずに失敗した話
残業を断れずに失敗する人の多くは、「頼まれたら断ってはいけない」「断ると評価が下がる」と思い込み、自分の仕事の状況を伝えないまま、頼まれた仕事をすべて引き受けてしまう人です。引き受けるたびに残業が増え、疲れから本来の仕事の質が落ち、結果として周りに迷惑をかけることになります。断ることは、仕事を投げ出すことではなく、自分が責任を持てる量を守ることです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、残業を断れずに失敗した原因と、角を立てずに調整する伝え方を解説します。
「今日中に、いけるよね?」に、毎回うなずいていた話
今年の6月、まなぶのチームは、取引先の大きなキャンペーンの準備で忙しい時期を迎えていました。夕方になると、先輩や他部署の人から、次々に声がかかります。「この資料、今日中に直せるよね?」「明日の会議の数字、まとめておいてもらえる?」。まなぶは、そのたびに「はい、大丈夫です」と答えていました。頼んでくる人たちも忙しそうで、自分が引き受ければ少しでもチームが楽になる、と思っていました。
本当は、自分の担当の企画書も締め切りが近づいていました。けれども、「断ったら、やる気がないと思われる」「みんな忙しいのだから、自分がやらなきゃ」と考えて、頼まれたことは全部引き受けたのです。気づけば、毎晩10時近くまで会社に残る日が2週間続いていました。
そして、キャンペーンの前の週、まなぶが担当していた企画書を上司に出すと、上司は首をかしげました。「まなぶくんらしくないね。数字の確認が抜けているところがあるし、提案の中身も前に話したことと違っている」。頼まれた仕事を優先するうちに、自分がいちばん責任を持つべき仕事が、いちばん雑になっていたのです。
上司はさらに続けました。「最近、毎晩遅いのは知っていたけど、そんなに仕事を抱えていたなら、言ってほしかった。頼んでいた人たちも、まなぶくんがそこまで忙しいとは思っていなかったはずだよ」。まなぶは、自分が「大丈夫です」と言い続けたことで、周りに本当の状況が伝わっていなかったことに気づきました。夜のオフィスに一人残って、直しの入った企画書を見つめながら、まなぶは小さくため息をつきました。
残業を断れずに失敗した5つの原因
自分の仕事の状況を、伝えていなかった
仕事を頼む人は、頼む相手がどれくらい忙しいのかを、たいてい知りません。「大丈夫です」と答え続けていると、「まだ余裕がある人」だと思われ、さらに仕事が集まってきます。頼まれたときは、すぐに「はい」と言う前に、自分が今抱えている仕事と締め切りを一言伝えることが大切です。「今日は企画書の締め切りがあるので、その資料は明日の午前でもよいですか」と伝えれば、相手も判断しやすくなります。
「断る」か「全部やる」かの二択で考えていた
頼まれた仕事には、「全部引き受ける」と「断る」のあいだに、いくつもの選び方があります。締め切りを延ばしてもらう、一部だけ引き受ける、ほかの人に頼めないか相談する、などです。「どうすれば引き受けられるか」の条件を出すのも、立派な返事です。たとえば「数字のまとめだけなら今日中にできます。グラフは明日の朝でもよいですか」と伝えれば、相手の困りごとを助けつつ、自分の仕事も守れます。
優先順位を、自分だけで決めていた
いくつもの仕事を頼まれたとき、どれを先にやるべきかを、自分だけで判断するのは難しいものです。まなぶも、頼まれた順に手をつけてしまい、いちばん大事な企画書が後回しになりました。仕事が重なったときは、上司に「この3つ、どの順番で進めればいいですか」と聞くのが近道です。優先順位を決めるのは、上司の大切な役割の一つです。部下から相談されれば、上司も「この資料は後回しでいい」「これは別の人に頼もう」と判断できます。相談することで、上司もチーム全体の仕事の量を知ることができます。
疲れが、仕事の質を下げることを軽く見ていた
残業が続くと、疲れから集中力が落ち、確認もれや思い込みが増えていきます。長く働いたからといって、成果が増えるとは限りません。まなぶも、夜遅くに直した資料ほど、翌朝見直すとまちがいが見つかることが多かったのです。疲れた状態で仕事を続けることは、ミスを増やす働き方でもあります。遅い時間が続いていると気づいたら、その時点で仕事の量を見直す合図だと考えましょう。
断ると評価が下がる、と思い込んでいた
上司や同僚が評価するのは、どれだけ多くの仕事を引き受けたかではなく、引き受けた仕事をどれだけ確実にやりとげたかです。何でも引き受けて質が落ちるより、できる量を正直に伝えて、その仕事をきちんと仕上げるほうが、ずっと信頼されます。上司も「抱えているなら言ってほしかった」と言ったように、状況を伝えることは、チームにとっても助かることなのです。仕事を頼む人にとっても、「その条件なら別の人に頼もう」と早めに判断できるほうがありがたいものです。
何でも引き受ける人と、引き受け方を調整する人の違い
残業を断れずに失敗しないためのチェックリスト
仕事を頼まれたとき、すぐに「はい」と言う前に、次の項目を思い出してみてください。少しの言い方の工夫で、仕事の量はぐっと調整しやすくなります。慣れないうちは、断ることより「条件を出す」ことから始めてみるのがおすすめです。
- 頼まれたとき、今抱えている仕事と締め切りを一言伝えている
- 「全部やる」か「断る」かだけでなく、引き受ける条件を考えている
- 締め切りを延ばせないか、一部だけでよいかを確かめている
- 仕事が重なったら、上司に優先順位を相談している
- 遅い時間が続いたら、仕事の量を見直す合図にしている
- 自分の担当の仕事を、頼まれた仕事より後回しにしていない
まなぶは今、夕方に仕事を頼まれたら、まず「今、企画書の締め切りが明日なのですが、急ぎですか」と聞くようにしています。急ぎであれば、上司に「どちらを先に進めればいいですか」と相談し、急ぎでなければ「明日の午前中でもよいですか」と伝えます。最初は気が引けましたが、ほとんどの人が「それで大丈夫」と答えてくれました。残業は週に1〜2日に減り、自分の企画書にじっくり時間をかけられるようになりました。「断ったら嫌われると思っていたけど、状況を伝えたほうが、みんな頼みやすくなったみたいだ」。まなぶは、定時を少し過ぎたころにパソコンを閉じながら、そう感じています。
仕事の失敗を減らすために
仕事の量を上手に調整するには、自分が抱えている仕事を見える化しておくことが役立ちます。状況を見せられれば、頼む人とも話し合いやすくなります。
タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】
抱えている仕事と締め切りを一覧にできるタイプです。仕事を頼まれたときに、今どれだけの仕事を抱えているかをすぐに確かめられるので、引き受ける条件を考えやすくなります。働いた時間を見える化することで、残業の続きすぎにも気づけます。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
第三者視点で、自分の強みや適性を整理するのを手伝ってもらえるタイプです。自分が得意で、力を発揮しやすい仕事が分かると、何を優先して引き受けるべきかを考える手がかりになります。
まなぶ
みらい
まなぶ残業を断れずに失敗する原因は、断ると評価が下がると思い込み、自分の仕事の状況を伝えないまま、頼まれた仕事をすべて引き受けてしまうことです。頼まれたら状況を一言伝え、引き受ける条件を出し、重なったら上司に優先順位を相談する。それだけで、責任を持てる量の仕事を、確実にやりとげられます。働き方で失敗しないための考え方は、働き方の失敗から学ぶでまとめています。
働き方については、リモートワークで失敗する人の特徴5選や有給休暇の取り方で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

