国民年金の追納を後回しにして後悔する理由
国民年金の追納を後回しにして後悔する人の多くは、学生時代の「学生納付特例」を「払わなくてよくなった」と思い込み、届くお知らせを開けないまま、10年の期限を過ぎてしまう人です。学生納付特例は、保険料の支払いを「待ってもらう」制度で、あとから納めなければ、その期間は将来の年金額に反映されません。しかも追納には10年の期限があり、過ぎるとあとから払うこともできなくなります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、追納を後回しにして後悔する理由と、今からできることをくわしく解説します。
年金事務所で告げられた「もう納められません」
まなぶは大学時代、20歳になったときに国民年金の「学生納付特例」を申請しました。保険料を払う余裕がなかったからです。大学の窓口で書類を受け取り、手続きはあっさり終わりました。書類には「追納」という言葉もありましたが、「とりあえず今は払わなくていいんだ」と安心して、それ以上は気にしていませんでした。
社会人になってからは、ときどき年金の追納についてのお知らせのはがきが届いていました。でも、仕事に追われていたまなぶは、「そのうちまとめて払えばいい」と、はがきを引き出しにしまい込んでいました。開けたことのないはがきが、何枚も重なっていきました。
32歳の秋。ねんきん定期便を見ていたまなぶは、学生時代の期間が「納付済み」になっていないことに気づきました。気になって年金事務所の相談窓口に行くと、職員の人が画面を見ながら言いました。「学生納付特例の期間は、10年以内であれば追納できるのですが、20歳と21歳のころの分は、もう期限が過ぎていて納められません。卒業前の数か月分だけ、今なら間に合います」。
まなぶは窓口の前で、しばらく言葉が出ませんでした。学生納付特例は、年金をもらうための期間には数えられても、追納しなければ、その期間の分だけ将来の年金額が少なくなることを、そのとき初めてきちんと理解したのです。さらに、追納した保険料は全額が社会保険料控除になり、その年の税金も軽くなると聞いて、もっと早く払っていればよかったと、深く後悔しました。
家に帰って引き出しを開けると、何年分ものはがきが出てきました。お知らせは、ちゃんと届いていた。開けなかったのは、自分でした。まなぶは、はがきの束を前に、しばらく座り込んでいました。
国民年金の追納を後回しにして後悔する理由
学生納付特例を「免除された」と思い込んでいる
学生納付特例は、在学中の保険料の支払いを先に延ばしてもらう制度です。この期間は、年金を受け取るために必要な期間には数えられますが、追納しなければ、老後に受け取る老齢基礎年金の額には反映されません。「払わなくてよくなった」と思い込んでいると、将来の年金が少なくなることに気づかないまま年月が過ぎてしまいます。名前に「特例」とついているため、なんとなく得をした制度のように感じてしまうのも、勘違いが起きやすい理由の一つです。
追納に10年の期限があることを知らない
学生納付特例の期間の保険料は、10年以内であれば、あとから納めることができます。しかし、10年を過ぎた月の分は、あとから納めたくても納められなくなります。20歳から特例を使っていた場合、30歳を過ぎたころから、古い月の分が順番に期限切れになっていきます。まなぶのように30代になってから気づくと、多くの月がすでに間に合わない、ということが起こります。期限は1か月ごとに過ぎていくため、「来月でいい」と思っているあいだにも、納められる月は1つずつ減っていきます。
遅く払うほど金額が増えることを知らない
追納は、特例を受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降に納める場合、当時の保険料に一定の加算額が上乗せされます。つまり、同じ期間の分を納めるのでも、早く納めたほうが少ない金額で済みます。「いつか払えばいい」と後回しにするほど、払う金額が増えていくのです。社会人になって数年のうちに追納を始めていれば、加算額も小さく、期限切れの心配もありませんでした。
追納が税金を軽くすることを知らない
追納した国民年金の保険料は、その全額が社会保険料控除の対象になり、納めた年の所得税や住民税が軽くなります。会社員の場合は、年末調整か確定申告で申告します。追納すると、日本年金機構から控除の証明書が届くので、保管しておきましょう。まとまった金額を納めた年ほど、税金が軽くなる効果も大きくなります。追納は、将来の年金を増やすだけでなく、今の税金を軽くすることにもつながります。年末調整で控除を書き忘れないためのポイントは、年末調整で失敗する人の特徴5選で紹介しています。
届いたお知らせを開けずにしまい込んでいる
追納のお知らせや、ねんきん定期便には、自分の年金の状況を知るための大切な情報が書かれています。開けずにしまい込んでいると、期限が近づいていることにも気づけません。年金に関する郵便物は、届いたらその場で開けて、中身を確かめる習慣が、損を防ぐいちばんの近道です。ねんきんネットを使えば、自分の納付状況をいつでも確認できます。誕生月に届くねんきん定期便で、毎年一度は「未納」や「特例」の期間が残っていないかを確かめる習慣をつけておくと安心です。
追納を後回しにして後悔する人と、早めに済ませる人の違い
国民年金の追納で後悔しないためのチェックリスト
学生納付特例を使っていた人は、今からでも間に合う部分があるかもしれません。次の項目を確認してみてください。
- ねんきん定期便やねんきんネットで、学生時代の納付状況を確認した
- 学生納付特例の期間が、追納できる10年以内かどうかを確かめた
- 期限が近い古い月の分から、優先して追納する計画を立てた
- 一度に払うのが難しい場合、月ごとに分けて納める方法を確認した
- 納めた保険料を、年末調整か確定申告で社会保険料控除として申告すると決めた
- 年金に関する郵便物は、届いたらすぐ開けて確認している
追納は、一度にまとめて払わなくても、古い月の分から少しずつ納めていくことができます。期限が近い月から順に納めていけば、間に合う月を一つでも多く残せます。まなぶは、間に合う数か月分をすぐに追納し、その年の年末調整で社会保険料控除として申告しました。追納の手続きそのものは、年金事務所で納付書を発行してもらうだけで、思っていたよりずっと簡単でした。取り戻せなかった期間の分は、iDeCoなど自分で老後資金を準備する方法も含めて考えるようになりました。iDeCoで気をつけたいことは、iDeCoで後悔する理由で紹介しています。
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まなぶ
みらい
まなぶ国民年金の追納で後悔する原因は、制度の勘違いと、お知らせを開けない後回しの習慣です。学生時代の納付状況を確かめ、期限が近い月から順に納め、納めた分は控除として申告する。それだけで、将来の年金と今の税金の両方を守れます。税金や制度の手続き全体で損をしないための考え方は、税金の手続きで損する失敗から学ぶでまとめています。
お金の失敗を全体から見直したい人は、NISAで失敗する人の特徴もあわせて読んでみてください。

