産休・育休後の転職で失敗した話
産休・育休後の転職で失敗する人に共通するのは、「子育てに理解がある」という言葉を鵜呑みにし、時短勤務や急な呼び出しへの対応が実際にどう運用されているかを、自分の目で確認しないまま転職先を決めてしまうことです。制度が「ある」ことと、それが実際に「使われている」ことの間には大きな差があります。本記事では、産休・育休後の転職で失敗した人に共通する6つの原因と、後悔しないための考え方を、まなぶが相談を受けたある方の失敗ストーリーとともに解説します。
まなぶ、産休・育休後の転職の失敗を聞く
まなぶが駅前のベーカリーカフェで昼食をとっていると、以前同じプロジェクトで一緒だったAさんとばったり会った。Aさんは第一子の育休を終えたタイミングで転職しており、久しぶりの再会に、まなぶは転職後の様子を尋ねてみた。すると、Aさんの表情が少し曇った。
「実は、転職したこと、ちょっと後悔してるんです」。Aさんはそう切り出した。転職活動中、面接でAさんが「子育てと両立できる働き方ができますか」と尋ねたところ、担当者からは「うちは子育てに理解がある会社なので大丈夫ですよ」という答えが返ってきた。その言葉に安心し、Aさんはそれ以上詳しく確認しないまま入社を決めたという。
しかし実際に働き始めると、時短勤務を使っている社員が社内にほとんどおらず、Aさんが時短勤務を申請すると、周囲から遠慮がちな反応をされることが多かった。制度としては存在していても、実際に使っている前例が少ないため、「本当に使っていいのだろうか」という空気を感じることが度々あったという。
さらに、子供が急に発熱して迎えに行かなければならない日、上司には理解してもらえたものの、同僚から「またか」という視線を感じることがあり、Aさんは次第に呼びづらさを感じるようになっていった。会議の時間も保育園の送迎時間帯にかかることが多く、毎回スケジュール調整をお願いするのが心苦しかったそうだ。
「制度があるかどうかより、実際にその制度を使っている人が周りにいるかどうかを確認すればよかった」とAさんは振り返った。面接では「子育てに理解がある」という言葉だけで納得してしまい、時短勤務の利用実績や、急な呼び出し時に周囲がどう反応するかという、実際の運用の実態までは踏み込んで聞けていなかった。
さらにAさんは、育休明けというタイミングの制約から「早く次の職場を決めなければ」という焦りがあったことも明かした。1社目の面接で好印象を受けたこともあり、他のエージェントや求人サイトを比較検討する時間を十分に取らないまま、その1社に絞って転職活動を終えてしまったという。
まなぶはAさんの話を聞きながら、「理解がある」という言葉の裏にある実態を確認する大切さを改めて感じた。まなぶ自身、これまで転職活動で企業文化や社風を確認する重要性は意識していたが、育児と仕事の両立という具体的な場面での「実際の運用」までは考えたことがなかった。「良い言葉」をそのまま受け取るのではなく、その言葉が具体的にどう運用されているのかまで掘り下げて確認する必要があるのだと、まなぶは自分自身の今後の転職活動にも活かせる学びとして受け止めた。
なぜ産休・育休後の転職で失敗する人が多いのか
「子育てに理解がある」という言葉を鵜呑みにし、具体的な制度の利用実績を確認しなかった
「子育てに理解がある」という言葉は、企業側が前向きな姿勢を示すための表現であることが多く、それ自体は間違っていなくても、実際の運用実態を保証するものではありません。「時短勤務を利用している社員は何人くらいいますか」といった具体的な質問をすることで、言葉の裏にある実態に近づくことができます。
時短勤務・急な子供の体調不良時の対応について、面接で具体的に質問しなかった
急な呼び出しへの対応は、実際に子育てをしながら働く上で頻繁に直面する場面です。「お子さんの急な発熱時、どのような対応をされている方が多いですか」といった具体的な質問を面接でしておくことで、入社後のギャップを事前に減らすことができます。
実際に時短勤務やリモート勤務を利用している社員が社内にいるかどうかを確認しなかった
制度が就業規則に存在していても、実際に利用している前例がほとんどない場合、周囲の理解が追いついておらず、利用しづらい空気が生まれることがあります。可能であれば、実際に制度を利用している社員の話を聞く機会を作ってもらうことも有効です。
保育園の送迎時間帯と、会議・当番のスケジュールとの相性を確認していない
会議の時間帯や当番制の業務が、保育園の送迎時間と重なりやすい職場かどうかは、日々の負担に直結する重要な要素です。入社前に、典型的な1日のスケジュールや会議の時間帯の傾向を確認しておくことで、送迎との両立イメージを具体的に描きやすくなります。
育休明けの転職活動を焦って進め、比較検討する時間を十分に取らなかった
育休明けというタイミングの制約から、「早く決めなければ」という焦りが生まれやすくなります。その焦りから、一社の説明だけで納得してしまい、他の選択肢と比較する時間を十分に取れないまま転職先を決めてしまうことがあります。
制度はあっても「使いにくい空気」があるかどうかという、社内の雰囲気面を確認していない
時短勤務や急な呼び出しへの対応について、制度上は認められていても、実際に使おうとすると周囲から遠慮がちな反応をされるなど、「使いにくい空気」が存在する職場もあります。こうした雰囲気は、制度の有無だけでは分からず、口コミや実際に働く社員の声を通じてしか見えてこないことが多くあります。面接という限られた場だけで見極めるのは難しいからこそ、第三者の視点を補完的に取り入れることが大切です。
産休・育休後の転職で失敗する人と、うまく進める人の違い
産休・育休後の転職で失敗しないための6つのチェックリスト
ここまで見てきた6つの原因は、いずれも「言葉の印象だけで判断し、実際の運用実態まで確認しなかったこと」が発端になっています。以下の項目を面接や情報収集の中で確認することで、入社後のギャップを事前に減らすことができます。
- 「子育てに理解がある」の具体的な中身(時短勤務の利用人数など)を面接で質問する
- 急な子供の体調不良時、周囲がどう対応しているかを具体的に確認する
- 実際に時短勤務やリモート勤務を利用している社員がいるかどうかを確認する
- 会議や当番のスケジュールが、保育園の送迎時間帯と重なりやすいかを確認する
- 焦って一社だけで決めず、複数の選択肢を比較検討する時間を確保する
- 制度の「使いにくい空気」の有無を、口コミや実際の社員の声から補完的に確認する
産休・育休後の転職で失敗しないために頼れるサービス
企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】
実際に働いた人の声から、時短勤務の利用実績や職場の雰囲気といった、求人票やエージェントの説明だけでは分からない実態を確認できるタイプです。
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実際に働いた人の声から、求人票だけでは分からない社風や雰囲気を確認できるタイプです。育児と仕事の両立に関わる、周囲の理解の実態を事前に把握したい人にも向いています。
まなぶ
みらい産休・育休後の転職で失敗するのは、「子育てに理解がある」という言葉を鵜呑みにし、時短勤務や急な呼び出しへの対応が実際にどう運用されているかを確認しないまま入社を決めてしまうことから生まれます。具体的な利用実績を質問すること、実際に制度を使っている社員の声を聞くこと。この一手間の積み重ねが、産休・育休後の転職による後悔を防ぎ、納得感を持って育児と仕事を両立するための土台になります。
年代や立場によって起こりやすい転職の失敗は50代シニア転職の失敗から学ぶでもまとめて取り上げています。あわせてご覧ください。
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