ふるさと納税のワンストップ特例で後悔する理由
ふるさと納税のワンストップ特例で後悔する人の多くは、申請書を出した時点で「手続きは終わった」と安心し、そのあと確定申告をすると特例が無効になることを知らない人です。副業や医療費控除などで確定申告をする年は、確定申告書にふるさと納税の寄附を書き直さないと、控除を受けられません。ワンストップ特例は「確定申告をしない人のための近道」だと覚えておきましょう。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、ワンストップ特例で後悔する理由と、寄附をした年に確かめたいことを解説します。
申請書を出して安心していたら、控除がゼロだった話
副業1年目の申告もれを直したあと、まなぶは毎年きちんと副業の確定申告をするようになりました。その最初の年のことです。前の年の暮れ、まなぶは3つの自治体にふるさと納税をしていました。返礼品が届くたびに、同封されていたワンストップ特例の申請書に記入し、年明けの1月10日の期限に間に合うよう、すべて郵送しました。「これで手続きは完了。今年はちゃんとできた」。まなぶは少し誇らしい気持ちでした。
2月になると、まなぶは副業の確定申告に取りかかりました。売上と経費を入力し、源泉徴収された税金の欄も忘れずに書きました。けれども、ふるさと納税のことは、頭にまったく浮かびませんでした。「ワンストップで出したから、そっちは別で処理されるはず」と思い込んでいたのです。
6月、会社で住民税の決定通知書が配られました。まなぶは金額だけちらりと見て、引き出しにしまいました。ところが7月、昼休みに同僚が「ふるさと納税の分、ちゃんと住民税から引かれてた」と話しているのを聞いて、なんとなく気になり、通知書を見返してみました。寄附金税額控除の欄は、空欄でした。
調べてみると、確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はなかったものとして扱われることが分かりました。申告書に寄附のことを書いていなかったため、控除がまったく受けられていなかったのです。まなぶは、自治体から届いていた寄附金受領証明書を探し出し、税務署に相談して申告をし直しました。申告をし直せば取り戻せることが分かり、ほっとしましたが、「手続きは終わったと思い込んでいたのが一番の失敗だった」と、まなぶは苦笑いしました。
ふるさと納税のワンストップ特例で後悔する理由
申請書を出せば、手続きは終わりだと思っていた
ワンストップ特例は、確定申告をしなくても、ふるさと納税の控除を住民税から受けられる仕組みです。ただし、その年に確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。この場合は、確定申告書に寄附金控除として記入しなければ、控除を受けられません。申請書を出したことと、控除が受けられることは別、と考えておきましょう。
自分が確定申告をする年かどうか、確かめていなかった
会社員でも、副業の所得がある年、医療費控除を受ける年、住宅ローン控除の1年目、6つ以上の自治体に寄附した年などは、確定申告をすることになります。「ワンストップ特例を使えるのは、確定申告をしない人だけ」という条件を、寄附をする前に思い出すことが大切です。まなぶのように、副業の申告を毎年するようになった人は、最初からワンストップ特例を使わず、確定申告で寄附をまとめて申告するほうが分かりやすくなります。年の途中で副業を始めたり、病院にかかる回数が増えたりして、確定申告をすることになる場合もあります。年末に一度、その年の状況を振り返っておくと安心です。
寄附金受領証明書を、きちんと保管していなかった
確定申告で寄附金控除を受けるには、自治体から届く寄附金受領証明書の内容を申告書に書く必要があります(ふるさと納税サイトによっては、まとめた証明書を発行できるものもあります)。ワンストップ特例を出したからと、証明書を返礼品の箱と一緒に捨ててしまう人もいます。寄附をしたら、証明書は確定申告の書類と同じファイルに入れておく習慣をつけましょう。
住民税の決定通知書を、確認していなかった
ふるさと納税の控除がきちんと受けられたかどうかは、6月ごろに届く住民税の決定通知書の「寄附金税額控除」の欄などで確かめられます。金額だけを見てしまい込むと、控除がもれていても気づけません。通知書は、ふるさと納税の答え合わせの書類です。気づいたのが早ければ、そのぶん早く申告し直せます。分からない欄があれば、通知書を持って市区町村の窓口で聞いてみるのも一つの方法です。
控除の上限額を、ほかの控除まで考えずに決めていた
ふるさと納税で自己負担2,000円を除いて控除される金額には、収入や家族構成に応じた上限があります。医療費控除や住宅ローン控除などを受ける年は、上限の目安が変わることがあります。まなぶのように確定申告をする年は、申告する内容をふまえて上限を見直してから寄附の金額を決めると、思っていたより控除されなかったという失敗を防げます。
申請書で安心する人と、申告の有無まで確かめる人の違い
ふるさと納税のワンストップ特例で後悔しないためのチェックリスト
ワンストップ特例は、条件に合えばとても便利な仕組みです。寄附をする年の初めと終わりに、次の項目を確かめておきましょう。
- その年に確定申告をする予定があるか(副業・医療費控除・住宅ローン控除の1年目など)を確かめた
- 寄附先が5自治体以内かどうかを数えた
- ワンストップ特例を使う場合、翌年1月10日の申請期限を確認した
- 申請後に住所や名前が変わったら、変更の届け出が必要だと知っている
- 寄附金受領証明書を、確定申告の書類と同じファイルに保管した
- 確定申告をする年は、申告書に寄附金控除を必ず書くことにした
- 6月の住民税の決定通知書で、寄附金税額控除の欄を確かめることにした
- 控除がもれていたら、税務署に相談して申告をし直すと決めた
まなぶは今、副業の確定申告をすることが決まっているので、ワンストップ特例は使わず、寄附金受領証明書を申告用のファイルにまとめています。年末には寄附した自治体と金額を一覧にし、申告の日にそのまま入力できるようにしました。ふるさと納税そのもので失敗しやすい点は、ふるさと納税で失敗した話で紹介しています。e-Taxで申告するときのつまずきは、e-Taxの確定申告で失敗する人の特徴5選もあわせて確認してみてください。
税金や制度で損をしないために
ふるさと納税は、寄附の記録と申告の準備をまとめておくと、手続きのもれを防ぎやすくなります。
ふるさと納税ポータルサイト【ふるさとチョイス】
年収や家族構成を入力して、控除上限額の目安を計算できるタイプです。寄附の履歴を一覧で管理できるので、その年に何自治体へいくら寄附したかを確かめやすく、確定申告の準備にも役立ちます。
副業向け確定申告・税務相談サービス【リベ大税理士法人】
副業とふるさと納税、医療費控除などが重なる年の確定申告について相談できるタイプです。何を申告書に書けばよいか、控除がもれていたときにどう直せばよいかを、専門家に確認できます。
まなぶ
みらい
まなぶふるさと納税のワンストップ特例で後悔する原因は、申請書を出したことで安心し、確定申告をすると特例が無効になることを知らないまま、寄附を申告書に書かないことです。その年に確定申告をするかを確かめ、証明書を保管し、住民税の通知で答え合わせをする。それだけで、ふるさと納税の控除をもれなく受けられます。税金や制度の手続き全体で損をしないための考え方は、税金の手続きで損する失敗から学ぶでまとめています。
税金・制度については、贈与税の申告を忘れて失敗した話や退職金の税金で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

