結論

SNS転職活動で失敗する人に共通するのは、SNSで転職活動をすること自体よりも、華やかな成功体験の投稿やDMでのカジュアルなやり取りだけで話を進め、正式な条件を書面で確認する一手間を省いてしまうことです。「SNSで直接つながれたから信頼できる」という感覚だけで判断してしまうと、通常の転職活動なら確認するはずの条件面を見落とし、後悔につながります。本記事では、SNS転職活動で失敗する人に共通する理由と、後悔しないための考え方を、まなぶの失敗ストーリーとともに解説します。

1失敗ストーリー

まなぶ、SNSのキラキラした投稿に引き寄せられた誤算

自宅のソファで、SNSのダイレクトメッセージ画面を見つめ高揚した表情を浮かべるまなぶの挿絵

ある夜、まなぶはSNSを眺めていると、フォロワー数の多いキャリアインフルエンサーの投稿が目に留まった。「転職して年収が大きく上がった」「今の会社はリモート中心で働きやすい」。華やかな言葉と充実した働き方が並ぶ投稿に、まなぶは強く心を惹かれた。しばらくその発信者のアカウントを追っていると、ある日「今、うちの会社で一緒に働きませんか」というダイレクトメッセージが届いた。

「まさか自分にこんなチャンスが来るとは」。まなぶは舞い上がる気持ちを抑えられなかった。やり取りはすべてDM上で進み、担当者と名乗る相手はフランクな口調で、条件面についても「年収は前職より上がりますし、リモートも基本OKです」と気軽に答えてくれた。まなぶは、正式な求人票やオファーレターを求めることもなく、そのカジュアルなやり取りの空気に安心し、「この人が言うなら間違いないだろう」と入社を決めてしまった。

入社してみると、まなぶを待っていたのは想像とは違う現実だった。「年収が上がる」という話は、基本給ではなくインセンティブを含めた場合の最大値の話で、実際の基本給は前職とほとんど変わらなかった。「リモート中心」という説明も、実際には週に3日以上の出社が求められる体制で、DMでのやり取りの中では明確にされていなかった細かな条件が、次々と食い違っていることに気づいた。入社時に渡された雇用契約書を見返しても、DMで聞いていた内容とは異なる記載がいくつもあり、まなぶは「なぜもっと早く、この書類を確認しなかったのだろう」と唇を噛んだ。

さらに、まなぶを誘った発信者自身は、実はすでにその会社を離れており、入社後に対応してくれたのはまったく別の担当者だった。「あの人が言っていたことは、いったい何だったのだろう」。まなぶは、個人の主観的な体験談を、まるで会社全体の公式な説明であるかのように受け取ってしまっていたことに、ようやく気づき始めた。SNSでのやり取りが持つ独特の親しみやすさが、かえって確認すべきことを確認しない口実になっていたのだ。新しい担当者に事情を尋ねても、「そのあたりの経緯は把握していない」とかわされるばかりで、誰に確認すればよかったのかさえ、まなぶには分からなくなっていた。

まなぶは、転職活動をしていることをSNS上で発信していたことにも、後になって不安を覚えた。前職の同僚に活動の様子が伝わってしまい、退職の意思を正式に伝える前に、気まずい空気が社内に広がってしまっていたのだ。「もう少し発信の範囲や内容に気を配るべきだったな」。SNSという開かれた場で活動することの利点と、その裏にあるリスクの両方を、まなぶは十分に理解しないまま行動してしまっていた。鍵をかけていないアカウントで転職活動用の投稿を重ねていたことに、まなぶは今さらながら気づかされたのだった。

「『SNSで直接つながれたから』という安心感だけで、条件を書面で確認する手間を省いてしまったんだな」。まなぶは、DMでのやり取りがどれだけ好意的に感じられても、正式な条件は正式な形で確認するべきだったと、身をもって思い知ることになった。華やかな発信の裏にある実態を見極める視点が、自分には欠けていたのだと、まなぶは今になって理解していた。

2原因分析

なぜSNS転職活動で失敗する人が多いのか

1

SNSの華やかな投稿だけを見て、企業の実態を客観的に確認していない

SNS上の成功体験の投稿は、発信者にとって都合の良い部分が強調されやすい傾向があります。「楽しそう」「良さそう」という印象だけで判断せず、口コミサイトや求人票など、複数の情報源から企業の実態を確認する姿勢が欠かせません。

2

DMでのカジュアルなやり取りだけで話を進め、正式な条件を書面で確認していない

DM上でのやり取りは親しみやすい反面、正式な合意として記録に残らないことがほとんどです。給与・勤務形態・契約内容といった重要な条件は、口頭やDMだけで済ませず、求人票やオファーレターなど書面で確認しておくことが、後々のトラブルを防ぎます。

3

発信者個人の体験談を、自分の状況にもそのまま当てはまると思い込んでしまう

同じ会社であっても、入社時期や部署、担当業務によって働き方は大きく異なります。ある個人の成功体験がそのまま自分にも再現できるとは限りません。発信内容はあくまで一つの事例として参考にしつつ、自分自身の条件は別途確認する必要があります。

4

SNS経由の非公式なスカウトに、通常の転職活動と同じ確認プロセスを省いてしまう

SNS経由のお誘いは「特別に声をかけてもらえた」という感覚から、通常の転職活動よりも確認を怠りやすい傾向があります。どのような経路で声をかけられたとしても、企業研究や条件確認といった基本のプロセスは省略せず行う意識が大切です。求人サイトやエージェント経由の転職活動であれば当たり前に行う確認作業を、SNS経由だからといって省略しない、という意識づけが有効です。

5

SNSでの発信内容が、個人情報や現職への影響を考慮せず不用意になりがち

転職活動の様子をSNS上で発信すること自体は自由ですが、発信範囲や内容によっては、現職の同僚や取引先の目に触れてしまうことがあります。退職の意思を正式に伝える前に活動の様子が伝わってしまうと、社内での立場が気まずくなることもあります。公開範囲の設定や発信のタイミングには、慎重な配慮が必要です。

3図解

SNS転職活動で失敗する人と、うまく活用できる人の違い

⚠ SNS転職活動で失敗する人のパターン
華やかな投稿やDMでのやり取りだけで安心してしまう
正式な条件を書面で確認しないまま話を進める
発信内容の公開範囲や現職への影響を考えずに投稿する
入社後に条件の食い違いに直面し、社内でも気まずい思いをする
◎ SNSをうまく活用できる人のパターン
SNSの発信内容は一つの情報源として、複数の情報源と合わせて確認する
DMでのやり取りとは別に、条件を書面で確認する
発信範囲やタイミングに配慮しながら活動する
SNSの出会いを生かしつつ、納得できる選択につなげられる
4解決策

SNS転職活動で後悔しないための5つのチェックリスト

  • SNSの投稿内容を、口コミサイトや求人票など複数の情報源と照らし合わせる
  • DMでのやり取りだけで済ませず、正式な条件を書面で確認する
  • 発信者個人の体験談が、自分の状況にも当てはまるかを別途確認する
  • SNS経由のお誘いでも、通常の転職活動と同じ確認プロセスを行う
  • 転職活動の発信は、公開範囲や現職への影響を考えて行う
SNSでの出会いをきっかけに転職活動を進めること自体は、決して悪いことではありません。ただし、その先で正式な条件を書面で確認する一手間が、後悔を防ぐ第一歩です。親しみやすさと、情報の正確さは別物だと意識しておきましょう。誰から声をかけられたかにかかわらず、確認すべきことは変わらないと心得ておくことが大切です。
5おすすめサービス

SNS転職活動で後悔しないために頼れるサービス

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幅広い業界を見たい人向け

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求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。SNS経由で興味を持った企業についても、同じ業界の他の求人と比較しながら客観的に検討できます。

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実際に働いた人の声から、求人票だけでは分からない社風やサポート体制の実態を確認できるタイプです。SNSの発信内容だけでは見えない実態を、複数の口コミから多角的に把握したいときに活用しやすいサービスです。

口コミを見てみる

まなぶまなぶ
「SNSで直接つながれたから」っていう安心感だけで、条件を確認する手間を省いてしまったんだな……
みらいみらい
DMのやり取りが親しみやすくても、正式な条件は正式な形で確認する。その一手間が大切ですよ。

SNSは、これまで出会えなかった企業や人とつながれる、大きな可能性を持ったツールです。ただし、その手軽さや親しみやすさが、かえって確認すべきことを確認しない口実になってしまうこともあります。複数の情報源で企業の実態を確認すること、正式な条件を書面で確認すること、発信内容の公開範囲に配慮すること。この一手間の積み重ねが、SNS転職活動を後悔ではなく、納得できる出会いに変えてくれます。華やかな投稿の裏にある実態を見極める視点を、忘れずに持っておきましょう。転職全般で確認不足による後悔については転職して後悔した人の特徴7選でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

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