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こんにちは
登山を甘く見ていた失敗談です
登山を甘く見ていた失敗談
神奈川住まいでオフには良く箱根の山々へと出掛け、ハイキングコースを巡り緑豊かな自然を満喫していました。
2010年の5月に初めて金時山へと登り、その山頂から雄大な裾野を広げる富士山の姿を見て、「あの頂に立ってみたい」と強く思う様になりました。
2010年の夏は比較的気候も良く、また初挑戦の緊張感もあってかコンディションの悪化を気合いが上回り、何とか登頂成功。素晴らしい景色に感動し、来年再び挑戦しようと固く心に誓ったのですが、富士登山はそんな甘いものではありませんでした…
コンディションが悪かった
翌年8月の週末、意を決して富士登山に出掛けました。
前年よりもスケジュールに余裕を持たせようとあえてマイカーを麓の駐車場に置き、そこから路線バスで富士あざみラインを上り、前日深夜から須走口より登頂を開始する予定でした。
ただその前日まで仕事もストレス続きで寝不足も酷く、少し身体もダレ気味で、登山口に到着するまでに気だるさが抜ける事はありませんでした。
ダイナミックな自然変化を楽しめた
須走口5合目に到着した時点で既に軽い頭痛や気持ち悪さを感じ始めてはいましたが、これからの道中、緊張感やモチベーションがそれらを軽く吹き飛ばしてくれるだろう…と。
去年の経験を元に安易に考えていたのですが、結果的にこれが大失敗でした。
須走口は5合目から6合目にかけて清々しい樹林地帯を抜け、高度を上げるにつれお花畑から砂砂利、荒々しい熔岩地帯へと、富士山麓ならではのダイナミックな自然変化を楽しめます。
足取りは重いまま・・・
去年は初めての事だらけで全てが興味深く、早朝にもかかわらずいちいち感動する余裕があったのですが、今回は6合目に到達する前から身体がおかしく、足取りは鈍いままでした。
標高を50メートル上げる度に頭痛や吐き気が強くなり、気が滅入りそうになってきます。
それでも樹林を抜け、周囲の展望が開ける様になればそれらの症状も収まるだろうと、更に歩を進めたのですが、7合目の山小屋から少し登った段階で、ついに頭痛や吐き気を我慢出来なくなってしまいました。
これが、高山病なのか・・・体調は悪くなるばかり
派手に吐く…といった事は無かったのですが、ガンガン殴られる様な頭痛はますます酷くなるばかり。
いくら酸素を吸っても改善せず、これが高山病なのか…とようやく理解すると共に、これ以上登ると大変な事になると危機感を覚え、今来た道を下る事となりました。
足取り重く5合目の山頂に戻って来たのはそれから約1時間半後。去年であれば5合目の駐車場にマイカーを停めており、すぐにシートにもたれ楽に麓に降りられるところだったのですが、今回は不幸にも麓の駐車場に停めてきてしまっており、そこに至るアクセス手段がありません。
アクセス手段がない
というのも登山客を送迎する路線バスが深夜で終わっており、翌午前中まで待たないとやって来ないからです。
とは言え5合目でもかなり寒く、このままここで過ごせば身体も冷え更に症状は酷くなってしまいます。
私は意を決し、10キロ以上ある富士あざみラインを全て徒歩で降りる事にしました。
急に目の前に車が止まった
普段から長距離を歩いていた経験もあって、今回は降りるだけだからさすがに楽だろう…と高をくくっていたのですが、高山病の症状は全く収まる気配がありません。
路上駐車の列をようやく抜け、更に1キロほどとぼとぼ下ってきたところで、後ろから来た車が急に目の前に停車しました。
ふと見るとそれは五合目の駐車場で一旦乗車を断ったタクシーでした。
休んだら体調も落ち着いた
運転手に訊くと乗客が無く、麓で登山客を拾おうと降りてゆく最中偶然見つけたとの事。
この先まだまだ道中は長く、徒歩で行くのは大変危険だから、やはり乗っていった方が良いと割引料金にて勧めてくれました。
一度は料金の高さもあって断ったのですが、具合はかなり悪く体力も削がれていた事もあり、お礼を言って乗せて貰う事となりました。
30分程掛け、麓の駐車場に戻って来た頃には夜も明け始め、本来目指しているであろう富士の山頂もはっきり見え始めていました。
ようやくマイカーの運転席に落ち着き、2時間程仮眠を取ったところ、やっと気持ち悪さや頭痛も落ち着きを見せ始め、運転出来るだけの気力も戻ってきました。
まとめ
3000メートル近い高度での慣れない行動は、どんなに体力を鍛えていても簡単に高山病を引き起こしてしまう事。
また登山前のコンディション調整がいかに大事であるか等、様々な教訓を与えてくれた苦い思い出です。
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